見出し画像

"OMORI"をプレイして。

(注意)本投稿はインディーゲーム"OMORI"本編のネタバレを含みます。プレイ中又はプレイする予定がある方は閲覧を控えることをお勧めします。

↓ネタバレ回避マージン↓















こんにちは。先日のNintendo SwitchインディーゲームセールでOMORIを購入した者です。「なんか聞いたことあるし好きそうだから買っておくか〜」くらいのノリで買ったんですが面白すぎて一気にクリアしてしまいました。

あらすじ

ゲームは何もない真っ白な空間、「ホワイトスペース」から始まります。

本当に真っ白。

自分が操作している子はオモリくんと言うらしいです。とても無表情。
とにかく色々調べてみよう!とスケッチブックの中を見てみたらびっくり。精神病患者が描く絵のプロトタイプのような絵がたくさんありました。

さっきの空間からは予想できない怖さ……

ここで筆者は気づきました。「このゲーム結構なホラー要素があるな」と。少し怖いとは噂に聞いていたのですが、正直クリアしてみてこの怖さは「少し」で済まされるものではないと思いました。所謂ホラーゲームのような驚かせてくるような演出というよりは(そういったものも多々あるのですが)こちらを不安にさせてくるような、そんな怖さの方が印象に強く残っています。

ホワイトスペースの左上にあるドアを開けると、ヘッドスペースという空間に移動しました。

ヘッドスペースの地図。大体こんな世界観。

ヘッドスペースはホワイトスペースとは打って変わってカラフルでメルヘンな空間です。そこではオモリの「お友達」がオモリのことを待っていました。
やんちゃな少年ケル、気の強い少女オーブリー、ケルの兄であるお兄さんのヒロ、ピクニックシートから頑なに離れないお姉さんマリ、そして花冠が似合う写真好きの少年バジル。

上段左マリ、上段右ヒロ、下段左から順にケル、バジル、オモリ、オーブリー。

彼らと共にヘッドスペースを冒険するのがここでの目的のようです。しかし、バジルの家に遊びに行くと話は一転。バジルに取り憑いている何かが溢れて暗転、元いたホワイトスペースに戻されてしまいます。

バジル〜〜……

ホワイトスペースに戻ると、「刺す」というコマンドが。他にやることもないので選択するとオモリは自らにナイフを突き立てて倒れてしまいます。

文字が赤いのがまた……

次の場面は現実世界のような場所に移ります。ここではオモリにそっくりなサニーという少年を動かすことに。サニーは引っ越しが近づいていて、そのための準備をするようにと母親からのボイスメッセージが家の固定電話に入っていました。

家事をするのかな、と家の中を歩き回ってると来客が。ドアをあけるとヘッドスペースにもいたケルが立っていました。
どうやらこちらの世界でも彼らは友達(だった)らしく、マリを除いたお友達は今も元気にやっているそうで。
ただ、ヒロは大学に行っていて会えないし、オーブリーは町のヤンキーとつるんでグレてしまっているし……と、全部が全部ヘッドスペースと同じというわけにはいかないみたいです。

(ここで9か月筆が止まっていたみたいです)


.…..みたいなことがありながらヘッドスペース、現実世界を行き来してお友達やマリ、バジルになにがあったのかを探っていくゲームなわけです。


これが良い、ではなく「これしかない」

以下ネタバレ超注意です

このゲームには大きく分けて2つのエンディングが存在します。それが現実世界で扉を開けることで見られるグッドエンディング(サニールート)と扉を開けずにひきこもることで見られるバッドエンディング(オモリルート)です。

サニールートを進めていくと、現実世界のマリは4年前に死んでしまっていたこと、マリの死をきっかけにサニーはひきこもり(HIKIKOMORI)になってしまったこと、サニーが現実から逃れるために彼の頭の中に作った空間がホワイトスペースやヘッドスペースであること、そこでの人格がオモリであること、そして………


マリを殺したのは他でもないサニーであることが分かります。
これはサニーも意図していなかったことで、喧嘩の途中で突き飛ばしてしまったことで彼女が階段から転げ落ちてしまったことが原因のようで。
事はこれだけでは終わらず、呆然と立ち尽くすサニーのもとにバジルが現れ自殺であるかのように見せかけようとそそのかします。これはサニーを救いたいというバジルの気持ちの表れで...…まあこのせいでとんでもないことになっているわけですが。

この一連の騒動があったことはストーリー終盤で発覚するのですが、これが写真好きなバジルのアルバムを埋めていく形で分かるんです。喧嘩のシーンや返事をしなくなったマリ、首吊りの工作をするシーンの写真を一枚ずつ拾い上げて...…

ヘッドスペース内では度々変な形の幽霊(通称「なにか」)に遭遇するのですが、これが首を吊ったマリのシルエットであることも分かります。ひょえ~~~~!!!

このあたりで自分は神ゲーであることを確信しました。妙に明るいヘッドスペースに時折混じるホラー要素など全ての辻褄が一気に合っていく感じが気持ちよすぎて.........。

サニールートでは最後にサニーがオモリと戦います。これは自分の犯した罪から逃げ続け、頭の中にひきこもり続けるオモリという人格を倒すことで前を向き罪と向き合うことを意味します。

サニーが勝利しオモリが消滅することは同時にホワイトスペースやヘッドスペースの消滅を意味し、サニーは真に現実世界で生きていくことになります。

そしてサニーがバジルを除いたお友達に「みんなに、伝えたいことがあるんだ」と告げ、このゲームは幕を下ろします。これがグッドエンディングです。




もう一度言います。これがグッドエンディングです。
自分は1週目からこのエンディングに辿り着けたのですが、クリアしたときの「どうしようもなさ」は何にも代えがたかったです。オモリという人格を捨てることは勿論必要だけど彼がいなくなったところでマリは帰ってこないし、お友達はサニーがずっと隠していた真実を聞いて衝撃を受ける事でしょう。

でもこうするしかないんです。罪を認め前に進んでいなければサニーやバジルの自責の念は更に強まり、自分を蝕んでしまうことでしょう(実際、罪と向き合わずに頭の中で過ごすことを決めたオモリルートにはバッドエンディングしか存在しない)。

あの日の過ちさえなければと後悔してももう遅い。大切なのは全てを受け入れた上でこれからどうしていくかである。このゲームからはそんな強い何かを感じました。


個性あふれるBGM

OMORIの良さは何もストーリーだけには留まりません。(自分がゲームのBGM好きなこともあるけど)BGMは心に残るものが多かったです。

まず凄いところが通常戦闘曲の多さ!ヘッドスペースにはいくつかのエリアが存在するのですが、それぞれに専用の通常戦闘曲が割り当てられています。RPGの通常戦闘曲といえば普通は1曲固定なので驚きました。

戦闘曲の良さといえば、ボス戦のBGMも素晴らしかったです。
落ち着いたチェンバロの音色から激しい曲調に切り替わる『World's End Valentine』、到底戦闘曲とは思えないほどおしゃれな『Jawbreaker』、絶望的な強さを誇る隠しボスの戦闘曲である『Tee-Hee Time』……  個性豊かな曲たちが冒険を彩っていました。

OMORIはSteamでも配信されているのですが、自分がプレイしたNintendo Switch版ではボスラッシュでお友達と戦うことができます。

かわいい。

ここにも専用曲が使われています。これが凄い。ヘッドスペース内で聞いた様々な曲のフレーズを取り入れつつ一貫して楽しい曲調となっていました。こいつらが強すぎて何回も戦ったことも相まって思い出深い曲のひとつです。

おわりに

これを読んでくれた人に少しでもOMORIの良さが伝われば幸いです。まだまだ書きたいことはたくさんあるけど、それはまたどこかで。

OMOCAT氏に感謝

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?