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櫻坂46の楽曲裏ベスト10。グループの本質は、案外ユニット曲の音楽性に出てる。

櫻坂の大人感がいちばん発揮されてるのは、実は表題以上にユニット曲やカップリング曲にある気する。

そこでの楽曲の方向性に、本当は櫻坂が見せたい方向性が色濃く出てるというか。表題曲やバックス曲ではあんまできなかった、音楽面の追求からグループの可能性を引き出してると思う。

その音楽面とは、めちゃ簡単に結論を言うと、それはネオシティポップと言われるアーティストの方向に近いかも。

めんどうな話になるけど、いわゆるブラックミュージックをベースにロックやアシッドジャズやらジャズやらヒップポップやらファンクやらの要素を混ぜ混ぜして、洗練させ、都会的でクールに楽曲を仕上げるジャンルだ。

Nulbarichやcero、活動休止しちゃったけどSuchmosあたりのアーティストの方向かな・・・なんだかchatGPTに質問して回答してもらったみたいな書き方になっちゃったが、そんな感じ。

で、そんな都会的クールさのある楽曲が、実のところ櫻坂の大人性に繋がってるんじゃないのという考えなんですね。

そこで私が選んだ感じ、この10曲がそういう雰囲気に満ちてるとおもう。


・One-way stairs

夏鈴ちゃんとるんちゃんユニット。いきなりるんちゃんのフィルターがかかった歌で緊張感ある。

音数の少ないトラックや、歌の加工の感じも含めてどこかヒップポップのトラップっぽさを感じなくもない。

どこかやばい街の片隅に足を踏み入れて先が無くなっていくみたいな歌詞世界もあり、けっこう乾いた場所で行きづまる・・・という感じする。

インスパイアされただろう音楽ジャンルも含めて、意外に殺伐とした世界観の曲。1stアルバム収録曲で攻めた姿勢のもの。

・泣かせて Hold me tight!

EDMベースにエスニックな味付けをしたトラックだけど、楽曲世界から感じるのは踊れる楽しみじゃなくてなんだか孤立感からの叫びみたいな。

しかし何だこのタイトル・・ハロプロの「抱いてよhold on me」をばればれで思い起こすんたけど。なんか櫻坂とか日向坂、なぜかハロプロをじんわり突っつくみたいなタイトル曲とか楽曲ある。意図はわからん。

話ずれるが「流れ弾」はなんかアンジュルムとか「そうだWe are Arive」を思い出すのは私だけなのか。3rdくらいまで「あー普通のアイドル路線にすべきか・・でもメンバー成人多いし・・欅坂的なるぴりぴり感じも持たせたいし・・」でめちゃ悩んでる感じがすごい。

・ジャマイカビール

私的に櫻坂の最重要楽曲。ブラックミュージック感ある楽曲とダンスなど、以降の楽曲の方向性にかなり大きい影響ある気する。「どうしよどうしよ」と悩んでた中でやっと見つけた、グループの大人への道のりという感じ。

3rdシングルからカップリングのユニット曲がぐっと「クールな大人性」あるものが出てくる感じ。成長した大人たるゆいぽんセンターで、夏鈴ちゃんとえんぴかと共にこの一曲!というのは、いま振り返ると出来過ぎ。

さらに、えんぴかの資質にいちばん合った曲と思う。ブラックミュージック的な曲は、全体的にえんぴかの良さが出せるジャンルだと思う。や、今回のセレクトは全部そういう傾向あるから、バックスライブでどれかえんぴかに当てると生きるんじゃないかと。

まあ、リリース時のタイトルに「なんだこれ」と思ったのはあるけど。ごめん。いまもちょっと思わなくない。

・恋は向いてない

8th収録の夏鈴ちゃん、ゆーづ、優ちゃんユニット。

Aメロ〜Bメロのシティポップ的なサウンドで進んだあと、クールなグルーヴによるネオシティポップ的なサビは、冷えた夜の都市部をひとりで歩いている主人公をイメージさせる。

ここでも夏鈴ちゃん中心のユニットである。狙ったわけじゃないけど、櫻坂の華やかなパフォの部分をるんちゃんが担当してて、夏鈴ちゃんがより物語性ある部分を担当してる感じする。

夜、ビルの明かりと広告のサイネージの光の下で、顔に影を差しながら一人で歩く姿が絵になるのはだれかって考えても夏鈴ちゃんだなって思うしね。

・制服の人魚

タイトルと裏腹にユニットは天ちゃん、れなぁ、ちゅけ、るんちゃんと発表当時、現役の高校生がひとりしかいない曲。

シティポップなサウンドのクールさとjkの歌詞世界が離れすぎてるけれど、なんかいま聞き直してると在学中から高校生に見えない大人の雰囲気あった天ちゃんのイメージに近い曲な気する。

4thシングルのカップリングあたりから表題やバックス曲以外で、クールな大人性あるシティポップ曲がたくさん出てくる。表題の「五月雨よ」はすこし難しい立ち位置の曲だけど、その裏の曲のほうが櫻坂アイデンティティを作ってた感じある。

・Don't cut in line!

しづ、みうみお、優ちゃん、あいりちゃんと3期でパフォの実力者が揃ったユニット曲。

冒頭から少ない音数からつぶやくみたいな、的野のやや揺れた低音の入り方で独特。コインランドリーに割り込まれるやるせない日常の苛立ちから、スウィング的なメロディが炸裂するサビがよい。

それにしても、10代メンバー(当時)による曲がキラキラしたアイドル曲でもなく、かといって思春期の葛藤でもないし、あえてセックスを暗示させる曲でもなく、誰の日常にもある行き詰まりの予感なのが櫻坂!って感じする。的野ちゃんとか最年少なのに!これもまた3期の急速な大人化をうながしたひとつな気がする。

・車間距離

これも4thシングルから。シティポップ的な落ち着いた、装飾を廃した曲でるんちゃんセンターというのは一番合ってる気もする。

MVは初期の櫻坂的な、大人でも子供でもないし、本人役なのか作中の役なのかも曖昧な抽象的な設定であり、シティポップ的な具体的な現実感とまた違うので不思議な印象。今見ると過渡期、って感じだ。

全体的にネオシティポップ路線による大人性に踏み切り、以降のブラックミュージック的な方向のユニット曲へ行く意味で、あのシングルはなかなか岐路だったのかもである。

・イザベルについて

ちゅけ、いのり、きらちゃんあきぽのサクラミーツなユニット曲は、メンバーのイメージに反してハードな感じある。

歌詞はフランス公演やったときの当て書きなのか・・?やすすがいのりのフランスパン写真を見て歌詞書いたと思うとおもしろい。

・恋が絶滅する日

4thシングルの裏テーマっぽい、シティポップ路線を締める一曲ですね。この後のシングルから、よりヒップポップのトラック的なものが出てくると思うと感慨深いかも。

・もう一曲 欲しいのかい?

新たなライブ映えの曲として登場した一曲な感じ。

なんとなく「危なっかしい計画」の櫻坂バージョンなイメージを持ってる。でも、こちらはより重低音で畳み掛けるサウンド構築や、強く煽りを入れる歌唱などわかりやすいロックサウンドじゃなくなってるあたりに櫻坂になってからの視野の広さがある気する。

・こうした10曲の最後をStart Over!でシメ

こうしたクールなネオシティポップぽさある方向性の完成形として、最後に代表曲「Start over!」で締めるリストにしてみた。

こうして大人性を意味する曲たちを並べてみると、いかにスタオバが音楽性的にもグループの物語性としてもすごいか、というのが見えるリストになった気する。

さて10thはどうなるんだろうか。欅坂トラウマな問題を終えた後、こうしたユニット曲に見られる音楽性と物語性の詰め方の先にあるテーマをどれだけ掘り下げられるかで変わってきそう。

完成された大人が次に激突する問題、みたいなところに行けたらすごいことだ。

ちなみにプラリグは救えなかったです・・