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「進言」⑲ 父から子への真剣な話

第十九章

社会に出ていく息子へ。
同じことを何度も言う。
嫌にならないでくれ。苛立たないでおくれ。
社会には悪や誘惑が満ち溢れている。
私はそれから守られて欲しいのだ。
君のためでもあり私のためにも語りかけている。許してくれ。
君の無事を祈っている。知恵と共に行け。知恵と友に。
悪しきものには破滅と貧しさが待ち受け、正しきものには栄誉と豊かさが与えられる。
静まって、待ちなさい。そして、知りなさい。

「貧しくても誠実に歩む者は、曲がったことを言う愚か者にまさる。
知識がないこともまた良くない。急ぎ足の者は道に迷う。
人は自分の愚かさによって道につまづき、心の内に神である主を憎む。」

「富は多くの友を作るが、貧しい者はその隣人からも引き離される。
偽の証言をする者は罰を免れない、偽りを言う者も逃れられない。
高貴な者に媚びる者は多い、誰もが贈り物をする者の友となる。
貧しい者は自分の兄弟にすら憎まれる。友人はなおのこと遠ざかる。言葉をかけて追い求めても去っていってしまう。

が、知恵を得る者は自分の魂を愛する者。悟りを保つ者は幸いを見つける。
偽の証言をする者は罰を免れない、偽りを言う者は滅びる。
愚か者に贅沢な暮らしはふさわしくない。しもべであるべき者が君主たる者を支配することはなおさらふさわしくない。」

「悟りは怒りを遅くさせる。あやまちを許すことはその人の誉れ。
王の激しい怒りは、若獅子が吠えるようなものだ。
しかしその好意は草の上の露のよう。
愚かな息子はその父にとっての破滅、妻との争いは滴り続ける雨漏りのようなものだ。
家と財産は先祖から受け継ぐもの。賢い妻は主から賜るもの。」

「労働に対する無気力は人を深い眠りに陥らせ、緩んだ魂は飢えに苦しむ
命令を守る者は自分の魂を守り、自分の道を蔑み嫌う者は死ぬ。
貧しい者に施しをすることは主に貸すこと。主がその分を返してくださる。」

「望みのあるうちに自分の子を懲らしめなさい。しかし滅ぼす心を起こしてはならない。
激しく憤る者は罰を受ける。たとえ彼を救い出しても繰り返すことになる。」

助言を聞き教訓を受け入れなさい。そうすればあなたは知恵を得ることになる。
人の心には多くの計画があるが、主の助言(Counsel、みこころ)こそが堅く立つ。」

人の喜びは優しさにあり。貧しい者は偽る者にまさる。
主を恐れることは人を命に至らせ、
満ち足りて住むようになり、悪と出会わない。」

「怠け者は皿に手を伸ばしてもそれを口に持っていくことをしない。
嘲る者を打ちなさい。そうすれば思慮のない者も慎み深くなる。
また、さとき者を戒めなさい。そうすれば彼は知識を理解する。」

「父に乱暴し、母を追い出す者は、恥と屈辱をもたらす子だ。
我が子よ、教訓を聞くのをやめてみたらいい。知識の言葉から迷い出ることになるだろう。
神に反する証人はさばきを嘲り、悪人の口は不法を呑み込む。
さばきは嘲る者のために、むち打ちは愚か者の背中のために備えられているのだ。」


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