「進言」㉕ 父から子への真剣な話
第二十五章
息子よ、
大切なことはなかなか見えない。
ほんの少しの違いの中に隠されているから。
目を細めて奥をみて初めて、気づくことがある。
大切なものを、ただ大切にしてください。
「いまから言うこともまたソロモンが書いた教訓から得ている。
事を隠すのは神の誉れ。事を窮めるのは王たちの誉れ。
天が高く、地が深いように、王たちの心は計り知れない。」
「銀から金かすを除きなさい。
そうすれば細工人にとって良い器ができあがる。
王の前から悪しき者を除きなさい。
そうすれば王座が正義によって堅く立つ。」
「王の前で自ら良いとしてはならない。偉い人の位置に立ってはいけない。
君主の見ている前で下に下げられるより、
「ここに上ってきなさい」と言われる方が良いからだ。
急いで訴え出てはいけない。
後になってあなたの隣人があなたに恥をかかせた時にあなたははどうするのか。
隣人と争うときは、ただその人と争い、他の人の秘密を漏らしてはいけない。
そうでないと聞く者があなたに恥をかかせ、あなたの悪い噂が取り除けなくなる。」
「おりにかなって語られる言葉は、銀の彫り物にはめられた金のりんごのようだ。
知恵をもって戒める者は、忠実な者の耳にとって金の耳輪、黄金の飾り。
忠実な使者は、これを遣わす者にとって、収穫の時の冷たい雪のようで主人の心を生き返らせる。」
「贈りもしない贈り物を自慢する者は、雨を降らせない雲や風のよう。」
「忍耐強く説けば君主も説得を受け入れる。
柔らかな舌は骨を砕く。
蜜を見つけたら、満足するだけ食べなさい。
ただ、食べ過ぎて吐き出すことのないようにしなさい。
隣人の家にあまり足を運ばないようにしなさい。その人がうんざりしてあなたを憎まないように。」
「隣人について偽りの証言をする人は、こん棒や剣、鋭い矢のようだ。
苦難の日に不誠実な者を頼みとするのは、悪い歯や、なえた足を頼みとするようなものだ。」
「心が重い人の前で歌を歌うのは、寒い日に服を脱ぐようなもの、硝石に酢をそそぐようなものだ(溶けるらしい)。」
「もしあなたの敵が飢えているなら、パンを食べさせ、
乾いているなら、水を飲ませなさい。
それは彼の頭上に燃える炭火を積むことになり、
神である主が報いてくださるから。」
「北風は大雨を起こし、陰口をたたく舌は人の顔に怒りをもたらす。
争い好きな女と一緒に家にいるよりは、屋根の隅に住む方がいい。
遠い国からの良い知らせは、乾いた魂にとっての冷たい水。
正しい者が悪人の前に倒れるのは、汚された泉、荒らされた井戸のようなものだ。」
「蜜を食べ過ぎるのは良くない。
自分の誉れを自分で探すことは誉れあることではない。
自分の霊を制することができない人は、城壁のない破壊された街のようだ。」