「進言」⑭ 父から子への真剣な話
第十四章
父が息子にしてやれることは段々と少なくなる。
私は幸せだ。
この家を守れたのだから。
この家族を持てたのだから。
「知恵ある女性はみな彼女自身の家を建てることができ、愚かな女はその手でこれを壊す。
まっすぐに歩む者は主なる神を畏れ、曲って歩む者は主を侮る。
愚か者の口には高ぶりへのムチがあり、知恵ある者の唇はその人を守る。
牛がいなければ飼い葉桶は綺麗だが、牛の力によって収穫は増す。」
「誠実な証人は嘘を言わない。偽りの証人は嘘をつく。
嘲る者は知恵を求めても得られない。悟る者には知識を得ることはたやすい。
愚かな者の前を去りなさい。
そこには知識の言葉がないから。
さとき者の知恵は自分の道をわきまえることにあり、愚か者の愚かは欺きにある。
愚か者は罪を嘲る。まっすぐな者達の間には好意がある。」
「心はその人自身の辛さを知っている。心の喜びに他の人はあずかれない。
悪人の家は滅ぼされ、心の直ぐな者の幕屋は栄える。
人の目にはまっすぐには見える道も、その終わりは死に至る道がある。
その人は、笑う時にも心に痛みがあり、喜びの果てには憂いがある。
心が愚かな道に戻る人は自分のしわざの実を刈り取るとこになり、善良な人もその行いの実を刈り取る。」
「思慮のない者はすべての言葉を信じるが、さとき者は自分の歩みをよく見つめる。
知恵ある者は恐れて悪を離れるが、愚か者は怒り自信を持つ。
怒りやすい者は愚かな事を行い、悪を企む者は憎まれる。
思慮のない者は愚かさを受け継ぎ、思慮深い者は知識の冠をかぶる。」
「悪人は善人の前で、正しい人の門でひれ伏す。
貧しい人はその隣人にさえ憎まれるが、富む者は多くの友を持つ。しかし、隣人を蔑む人は罪人だ。貧しい人を憐れむ人は幸いだ。」
「悪を企む者は己を誤るだろう。善を図る者には慈しみとまことがある。
すべての勤労には利益がある。しかし、口先の言葉は貧乏を来らせる。
知恵ある者の冠はその富、愚かな者の愚かは、ただ愚かさ。
真実な証人は人の命を救い、欺く証人は偽りを言う。」
「主を恐れることで人は安心や自信を得、主の子らは避け処を得る。
主を恐れることは命の泉、人を死の罠から逃れさせる。」
「民の多いことは王の栄え、民を失うことは君主の滅び。
怒りを遅くする者には大いなる悟りがあり、気の短い者は愚かさをます。
穏やかな心は体の命。ねたみは骨を蝕む。
貧しい者を虐げる者は、その造り主を侮るが、憐れむ者は主を敬う。
悪人はその悪の行いによって滅ぼされ、
正しい人はその死の中にも希望がある。
知恵は悟る者の心で安らぎを得、それは愚か者の間でも知られている。
正義は国を高くし、罪は民を辱める。
王の好意は知恵のあるしもべに、王の怒りは恥を起こすしもべに。」