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散策記録 No,01 芥川龍之介がみた江戸・東京
序 隅田川に架かる両国橋
両国橋へ、足をすすめる。隅田川(大川)へ近づいてゆくにつれて独特の空気感が鼻孔をくすぐる。両国橋を渡り始める刹那に、その空気が自分の肺を満たしてゆく感覚がした。それは、大自然の空気を吸い込むというようなものではなく、酸欠の脳内に血液を流し込むような。たばこを吸った時の安堵に近い感覚のような気がした。それは、気のせいだったかもしれない。そう思い、ふと立ち止まりかけた足
序 隅田川に架かる両国橋
両国橋へ、足をすすめる。隅田川(大川)へ近づいてゆくにつれて独特の空気感が鼻孔をくすぐる。両国橋を渡り始める刹那に、その空気が自分の肺を満たしてゆく感覚がした。それは、大自然の空気を吸い込むというようなものではなく、酸欠の脳内に血液を流し込むような。たばこを吸った時の安堵に近い感覚のような気がした。それは、気のせいだったかもしれない。そう思い、ふと立ち止まりかけた足