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イラストエッセイ「ぼくの住んでいる漁村(新潟県胎内市村松浜)」その6 金毘羅神社 20240126
ぼくが住んでいる集落には、神社が三つあるのですけれど、その一つがこの「金毘羅神社」です。
立派なお堀があり、鯉や亀が住んでいます。
これは集落の旧家、平野家が天保の飢饉(1830)の時に、困窮した村民救済の社会事業として私財を投じて建設したものなんです。
お堀も、村の人たちが掘ったんですよ。
ぼくが住む集落は漁村。言うまでもなく、金毘羅様は漁業の守護神ですよね。
この平野さん、捕鯨船も所有していて、あのジョン万次郎も乗船していたとのこと。
今でも平野家は集落の中心に立派なお屋敷を構えておられます。
夏になると堀から亀が結婚のためにのそのそ道に上がってくるんです。それを車が踏んずけてね。えらいことになるのです。笑
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金毘羅神社の見ものと言えば、何といってもその彫刻です。
ぼくの目から見ると、日光東照宮のものより優れていると思います。笑
特に竜がすごい。
梁がそのまま竜の彫刻になっているのです。
これほどの文化財が、人知れずひっそりと存在しているところが、新潟の魅力です。
わが集落以外にもたくさん素晴らしい文化遺産があります。それらのほとんどが、観光地になっていないんです。
先日ご紹介した「塩の湯温泉」で湯治にいらしたついでに、ぜひ金毘羅神社もご覧になって下さい。
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