サロン乗る場のつくりかた【味覚】
以前のnoteでもご紹介した、サロン乗る場のつくりかた。各セクションがどんな風に検討と稽古を重ねてきたか、その様子をリポートします!
つぎは味覚だ!
前回のnoteでは遠藤麻衣さんに担当していただいた嗅覚セクションのプロセスを書きましたが、続いては味覚。食レポとかで味覚を言語で表現することはあるけど、舌で感じるって行為が動物っぽい!
そんな理由から感覚の野生度数は嗅覚に次いで味覚だろうと仮定して、サロンでお出しする飲み物のセレクトに入りました。
味覚担当は田上碧さん!
味覚の担当をお願いしたのはヴォーカリストの田上碧さん。
特に田上さんにお願いしたかったのは、碧さんの歌を聴いていると、碧さんの口の中に広がる空間と、会場の空間と、歌のイメージがすごく繋がってるのを感じる。歌を聴くというより歌を体験する感じ。
そんな碧さんに、施術のあとの口の中の体験を演出してもらえたら!と思ったのでした。
ではここでYouTubeにアップされている最新の碧さんをどうぞ。
はぁ~、のびのびしてるなあ。後ろにかかってる絵みたいな広い草原と空が口の中に広がってるような声!
以前碧さんと、会場で歌ったり声を出すときのことを話していて印象に残っている話。
それは、碧さんがライブで歌っている時に会場のお客さんに手を伸ばすような感覚があって、すごくいい感じの時はイルカになってずっと遠くまで泳いでいくような感じがあったって話。
碧さんの声が水の中をぐんぐん進むつるつるのイルカになってライブハウスを海に変えるイメージが私の中に鮮明に浮かんできて、それだけで楽しくなっちゃったのでした。
わたしは演劇をやっていて劇場でセリフをしゃべったりするときに、お客さんの中に入ってお客さんの肉に触れるような感覚や客席全体がまとってる空気をぐいっと動かすような感覚の時があって、人前で声を出してるときにいつもの自分のサイズとは違った感覚で伸びたり動かしたりする感覚があるってことを碧さんと共有できたような気がしてとてもうれしかったのでした。
長電話とオンラインで打ち合わせを
まずはえんまいちゃんからの香りを、布に湿らせて碧さんに郵送。
それが届いた1月の中旬、最初の打ち合わせをしました。
これは後々視覚担当の中村さんに言われた事なのですが
「その感覚の担当になったけど、特に詳しくないよ…」みたいな。
でも、なんだろう、確かにその感覚のスペシャリストだから依頼したいというより、乗る場でその人の活動を知る中で、その人がどんなフィルターをもって世界を見てるのか多少なりとも知ることができて、だからその人を通して表現される匂いとか飲み物とか空間が体験してみたいな、と思ってキャスティングしたのかもしれません。
(そういう意味で、サロン乗る場は一人の俳優が6人の演出家をキャスティングしてつくった作品、と言えるのかもしれません。)
なので話の糸口はシンプルに「施術の後、碧さんだったらどんなものを飲みたいですか?」というところから始まりました。
お茶?どんなお茶?
「…白湯という選択肢もほしいですね」
なるほど!
「もみほぐしですっきりした体に新たに何か入れるよりすっきりにブーストをかけたい」
(パンチライン!)
「水がいい!」
…たしかに!!
で、水でいこうという方向性になりました。シンプル!でも、たしかに!
サロンのお客さんにはぜひ、すっきりにブーストをかけて帰ってもらおう!
同じ水でも…
「むかし何かで読んだお話なんですけど…
あるレストランで、いいお水なんですよって、ワイングラスに入れて提供したら「おいしい!」ってなったっていう。」
(と、碧さんが話していたのを私がうろ覚えにしたメモ)
そこから、おいしい水を選ぶだけでなく提供の仕方も込みで飲み物を考えるというアイデアに発展しました。
「コップ!ガラスが薄いとか」
「デキャンタの感じも大事かも」
「デキャンタにレモンとかハーブの入ってるおしゃれな水ありますよね」
あ、うちローズマリー育ててます!
「ローズマリー、浄化作用ありそうですね」
あとでうちにあるグラス写真に撮って送ります!
そんな感じで打ち合わせは終了。
以上のアイデアを踏まえた碧さんからの返信を待つことになりました。
具体的なアイデアが、きた!
おいしいからだというパンチライン!
さっそく試してみました。たしかに5時間というのが最適でそれ以上だと草っぽさが強くなり、それより少ないと物足りなさが。
一度お湯で抽出してみたんですが、なんとなくお茶感が強かったので、すっきりにブーストをかけるなら水出しがよさそう。
このドリンクは、触覚担当の蜂須ももさんともの稽古の中で試飲しました。
そしてこの「おいしい身体」というフレーズが、次の触覚(施術の内容や肌に触れるものの検討)に大きく影響を与えてくださったのでした。
味覚担当碧さん、ありがとうございました!
そして、味覚の次は触覚!
サロン乗る場の稽古リレーはこうして続いていくのでした。
触覚のプロセスはまた次のnoteで!
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