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果たせ!大役 名立たれ!ツジカワ:JPDA主催日本パッケージデザイン学生賞2023審査会のキロク
こんにちは!ツジカワの元気印カタヨセです!!
言われたこと無いけど!
先日JPDA(公益社団法人日本パッケージデザイン協会)が主催する、学生賞の結果が出ました‼️
栄えある受賞者・入選者はこちらからご覧いただけます。
ワークショップ、コンペティション、交流会などパッケージを取り巻く様々な形の「場づくり」に力を入れているJPDAが、もっと学生さんにパッケージデザインについて広く知ってもらい、後進をガンガン育てて業界を盛り上げていこう!!ということで、主催されたこちらの学生賞。
名立たるスポンサー企業の中にツジカワも名を連ねております!(ドヤァ)
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正直ツジカワ以外の名立たりがすごい。
名立たれ!ツジカワ!
ツジカワはそのスポンサー特権を余すところなく振りかざして、何なら学生コンペ委員会の一員として本学生賞に関わる様々な企画に参加させてもらいました!!
*もちろん審査に関わる点(審査方法や審査基準など)については一切関与しておりません。
この記事はそんなJPDA学生賞2023の裏側をツジカワ目線で追うノンフィクションハードボイルドドキュメンタリーです。
パッケージデザインとツジカワ
まずはツジカワとパッケージデザインの関わりについて。
「箔押し」「エンボス」「罫線押し」「ダイカット」などパッケージの製作技術に関わる「型」を提供する会社であるツジカワですが、「パッケージデザイン」という川上の仕事に関しても、もっと深く関わっていきたいし、できることがもっとたくさんあるはず、と考えていました。
思い返せばツジカワにスポンサーの打診があったのは2023年4月ごろ。
社長と学生コンペ委員会の方の打ち合わせに同席し、成り行きをぼーっと見つめていたのですが(集中しろよ)、社長の判断で割とサクッとスポンサーになることが決まりました。
スポンサーになるにあたってはこのような社長の思いがあったようです。
近年デジタル化や脱プラなどで、パッケージやラベルをできるだけ省略したり、簡易化したり、という動きが進んでいる。
それ自体は決して悪いことではなく、近年の環境問題や社会情勢を考えれば当然の潮流である。
しかし、一方で、「実際に見て、触ることのできる物質としてのパッケージ」と言うものも我々は大事していきたい。それには人に喜びや感動を与える力があると信じているから。
ツジカワは他の名だたる企業さんのように大きな会社ではないが、パッケージに対しての思い入れは深い。やるからには彼らと肩を並べるぐらい、この学生賞を積極的にサポートしていきたい。
このコンペに参加する学生さんたちが将来我々を「おお!」と言わせてくれるような面白いものを作って、パッケージ業界がもっと盛り上がってくれることが、回り回って私達の業界を支えてくれることにもなる。
この賞をきっかけとして、将来パッケージデザイナーになる方やパッケージに携わる方が増えてくれれば我々としてもとてもうれしいです。
ロード・オブ・ザ・審査会
というわけでツジカワはスポンサーとしてツジカワ賞を選出する大役を与えられました。
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スポンサーに決定してからは、学生コンペ委員会の一員としても、11月の贈賞式に至るまでの打ち合わせやワークショップに参加させてもらいました。
月1回の定例web会議では、学生コンペ委員会の十数名が集まって2時間ほどwebミーティングをして学生賞に関わるあらゆることを決めていきます。
学生コンペ委員会はJPDAに所属する個人会員や、法人会員の方々で構成されています。皆さんそれぞれ本業の業務の合間を縫って、学生賞に携わられています。
作品の提示の仕方や、表記で審査に不平等が生じないように、
バイアスがかからないように、
多忙な審査員、学生コンペ委員の方々にできるだけ余計な仕事が生じてしまわないように、非常に細かい点まで気配りをされていました。
「これここに提示していないと忘れるよ」とか
「こうしないと自分でも誰に投票したかわからなくなるよ」とか
なんかうっかりミスっちゃいそうなことをしらみつぶしでつぶしていくコンペ員の方々。
その様子を会議室でもらったチョコをむぐむぐ食べながら眺める私。
当人たちにとっては当然のことだったのかも知れませんが、その様子を見ながら、「こんなに細かくいろんな想定ができるのは、人の健康や安全に密接に関係しているパッケージに携わる方々だからだろうか」と感心し通しでした。むぐむぐ(チョコ食ってる)。
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「アンニン豆腐100円だよ!?」
というフレーズに下線を引いてるが絶対重要じゃない。
ツジカワ謹製 銅製審査プレート
とはいえ我々とてただ無為にチョコ食っているだけではありません!!
スポンサーとしてツジカワの製品でご協力できるものがあれば作成します!!
ということで審査会の際、審査員の票となる銅製のプレートを作成しました。
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金属くずをヤスリで落としてなめらかにする
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職人の手がかっこいい
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誰が投票したか名前がわかってしまうと審査員の中でバイアスがかかってしまう、という理由から審査員1人1人にアルファベットを割り当てて投票する方式が採用されました。
こちらのプレートは来年以降の審査会でも使用していただけるそうです!
(打ち合わせから手配関係は全部後輩のウエダがしてくれたよ!)
賞状入れへの箔押し加工
また、プレートだけではなく受賞者に渡される賞状入れへの箔押しも手伝わせていただきました!
製本は竹野株式会社様にお願いしました。
青地に青の箔押しがきらりと光ります。箔はクルツ様のものです。
かあっこいー!
(打ち合わせから手配関係は全部後輩のウエダがしてくれたよ!)
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副賞品
受賞者全員に配る副賞品にはツジカワの彫刻版で加工したエンボスサンプルと彩光腐食やマジックエンボス、チェンジングを配した押し見本をつけました。
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これの手配は私がやりました!!!!(大声)
学生賞審査会当日
さていよいよ待ちに待った審査会です!
普段あまり出張しないので、久々の遠出に緊張するアラフォー。
新幹線でお気に入りのハンカチをなくしてしまいました。ぴえん。
ハンカチをなくす→焦って探して汗をかく→ハンカチがない→余計汗が出てくる→ハンカチがない
という負のループに陥ったり、
なんとか着いてひとしきり挨拶を交わしたあと歯に昼食のラーメンのネギが挟まっていることに気がつく、
などのマイナートラブルに見舞われましたが無事に出席することができました。(マジでどうでもいいけど聞いてもらいたかったエピソード)
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審査員の方々も続々と入室されて来ます。
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当然ですが皆さん、その道のプロです。「この方があのパッケージを手掛けられた方か!」と遠くから畏敬の念を飛ばしておきました。飛ばすものなのかわかりませんが。
ちなみに審査員の方々のお名前と所属は学生賞のホームページからご覧いただけます。
JPDA理事長小川さんのご挨拶で審査会スタート
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学生に力や機会を与える賞にしたい
審査員の方々の邪魔にならないタイミングで我々も並んだ作品を拝見しました。
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会場に並べられたA3の紙には作品のタイトル、画像、コンセプトのみが記載されています。
パッケージデザインの賞だから現物で審査するんじゃないの!?と思われますが、アクセスできる設備や資金で応募者間に大きな差が生まれないように、モックアップの撮影画像または3D画像での作品提出となっています。
様々な作品を見ながら個人的に思ったのは「みんなアンテナが広いなー」ということ。
パッケージデザイン案なので、基本的には製品をより美しく見せたり、使いやすくしたり、というものなのですが、コンセプトを読んでいると「どこに問題意識を持っているのか」ということが見えてきます。
その「どこに」という点がそれぞれ違ってとても面白い。
なんでこんなマニアックな製品のパッケージ考えたんだ!?とか
日々見る製品だけど、この点については考えたことなかった!
など気付かされることが多く、日々私が気にも留めてないことに気がつく学生さんたちの着眼点に心のへぇ~ボタン(古い)をひたすら押しまくっていました。
司会の小川さんの仕切りで和やかながらも緊張感のある雰囲気で審査が進み、徐々に上位に残る作品が絞られていきます。
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手を伸ばしているのがJPDA理事長の小川さん
2次審査を1位で通過した作品が最終審査では上位に入らなかったり、
当初得票数が少なかった作品が、票を入れた審査員による応援プレゼンで多数の票を獲得して上位に食い込んだりなど、
現場で審査することのダイナミズムを感じます。
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後ほど贈賞式で審査員の方々が語られていたことですが
「モニター越しで作品を見ていた2次審査の時よりも、出力された紙で見るほうがより情報が入ってきて、気が付かなかった点や魅力に気づくことができた」
「1人で審査していたときよりも、審査会で他の人の意見を聞くことで色々な視点が見えた」
というように、リアルな場で作品を見ること、そしてそこで様々な意見や視点が交錯することが、作品へのより深い理解につながっているようでした。
得票数が同じ作品が出てくるなど、上位になれば上位になるほど判断が難しくなります。
今回の学生賞のテーマである「ひらく」に沿っているのか?
「パッケージデザイン」ではなくて「プロダクトデザイン」になっていないか?
類似の商品があるのではないか?
議論に議論を重ねてすべての受賞作品が決まりました。
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選出された本人も気づいていないが、誰かの運命が変わる瞬間に立ち会ってるんだな、
と感慨深い。
ツジカワ賞の選出
さて、我々もツジカワ賞を選出しなければいけません。
企業賞なので、我々の独断と偏見で選んで良いとはいえ・・・悩みます。
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今回ツジカワは大賞と企業賞の副賞として「作品の具現化」を掲げました。
そのためできれば「ツジカワの技術が映える作品を選びたい」というのは念頭にあったのですが、ツジカワが関わってる業界って意外と広いし、3Dプリンターもあるし、刃型も箔版も作ってるからやろうと思ったら結構なんでも作れるよね、ということで逆に判断が難しい点もありました。
何度も作品間を行ったり来たりして審査会にお邪魔していたツジカワ関係者全員が納得できる作品を選びました。
ツジカワだけ審査会に5人も出席していました。内心「多いな」と思ったんですが余計なことを言うと「じゃあカタヨセさんは帰っていいよ」と言われそうなので黙っていました。
ツジカワが企業賞として選んだのがこちらの作品です!
ドゥルルルルルルルルルルル……ダンッ‼️‼️
専門学校日本デザイナー学院 伊東 未夢さん作
作品名:「扇子(せんこ)ちゃん」
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そこから見える扇子の絵柄が、浴衣の柄に見立てられています。
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ちゃんと扇子も守られています!
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箔押だと版共通で箔を変えたらできるな~とか想像が膨らむ。
受賞理由
扇子のパッケージというチョイス自体が「ひらく」というテーマにストレートに訴えかけている。
お店で扇子を選ぶときは開かないといけないので、製品を傷める可能性があるが、このパッケージであれば開かずとも商品を選ぶことができ、海外からの旅行者にも喜ばれそう。
扇子の絵柄を女性の浴衣に見立てる手法に感銘を受けた。
商品がシリーズとして店頭に並んでいる様子が想像できる。
箔押し・抜き加工といったツジカワの製品が関わる加工を施すことができる。
こうして企業賞を選出するという大役を果たす事ができて我々も一安心しました。
さて、この時点でまだ我々は、この作品を作った伊東さんのお名前も所属も知りません。
一体どんな人がこの作品を作ったのかな~
と2週間後の贈賞式を楽しみにしながら一路東京を後にしました。
ウソです。銀座ライオンで飲んで帰りました。
次回、「底が抜けなかった企業研修と贈賞式で初対面!の巻」
に続きます。
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