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趣味と趣味の掛け算と、その相性 【1000字と1枚】

ランニングとサウナと芸人ラジオ。この3つはぼくの趣味で、それぞれの相性がすごくいい。

ラジオを聴きながらちょっと遠くのサウナまで走って、サウナに入って帰ってくるという具合(サウナまでチャリで行って荷物を置いて、走って、サウナ入って、チャリで帰ってくるというパターンもある)。1つの趣味をすることで、もう2つの趣味も付随してできてしまう。

芸人ラジオはおもしろい番組が山ほどあるので、聴きたいものを全部聴くのは至難の業。だからランニングの時間はかなり有効活用できる。1キロ5分30秒くらいのペースで走るから、5キロ走る日なら30分のラジオ(「マユリカのうなげろりん」や「続けてゆく、ザ・マミィ」)、10キロ走る日なら1時間のラジオ(「空気階段の踊り場」「アルコ&ピースD.C.GARAGE」「真空ジェシカのラジオ父ちゃん」など)が聴けてちょうどいい。1回のランニングで1放送回が聴き終わる。

こんなふうに、趣味と趣味の掛け算ができると、相乗効果でそれぞれをたのしく継続できる。ぼくが書籍の編集担当をさせていただいている写真家の幡野広志さんも「写真と旅行」とか「写真と料理」とか、写真となにかの趣味を掛け合わせるといいですよ、とよく言っている。その通りだなあと思う。

ぼくのもうひとつの趣味がその写真だけど、他の3つの趣味のうちの2つ、ランニングとサウナとの相性が悪すぎる。ランニングしながら写真は撮れないし、サウナに入りながらとうぜん写真は撮れない。いや、やろうと思えばランニングしながらだって写真撮れるけど、ぼくはランニングしている最中に止まりたくない。

だから止まらないんだけど、「あ、今の光いい!」「走ってなかったら撮ってたなあ」とちょっと後悔することがおおい。じゃあ止まってでも撮るか、と思い直してランニング中でもスマホやコンデジで写真を撮ってみた期間もあった。でもそうすると走るリズムが崩れて、ランニングがたのしくなくなる。だから結局ランニングしているときは写真を撮らない、と決めた。

でも止まっていたら撮れた写真のことを考えて、走りながらやっぱりちょっと後悔するみたいなことが改善されない。モヤモヤがずっと晴れない。

でもこのまえ走っているときに気がついた。
「これ、目で撮ってるんだ!」ということに。

走りながら、カメラの代わりに「目」で撮ってる。言い換えれば、瞬間的にいいなあと思う人・物・景色を写真に撮る訓練をしている。もちろんそれはデータには残らないけど、じぶんの中にその訓練は蓄積しているはずで、これから撮る写真にちょっとは良い影響を及ぼしていると思う。そう考えると、後悔もモヤモヤもぜんぜんしない。ランニングと写真の相性ってじつはそんなに悪くないかもしれない。

サウナ(スーパー銭湯)に入っている間も目で撮れる。湯船から立ち上る湯気の感じとか、窓から入る光の感じとか、水に反射した光が壁に映っている感じとか、そういうものを目で撮る訓練はできる。

それにランニングする時間帯やサウナに入る時間帯によって光の感じは全然違うから、この時間はこんな光なんだなと実感できて写真に活かせる。めちゃくちゃ撮りたいものをランニングしている最中に見つけたなら、ランニングしていないときにまたそこに行って撮れば良いだけ。ランニングはロケハンみたいなものでもあると言える。

ランニングとサウナと芸人ラジオと写真。意外とぜんぶ相性いいかもしれない。

吉祥寺に住んでいたころにランニング中によく見上げていた鉄塔

「1000字と1枚」というマガジンを去年からはじめました。いまのところ月2〜くらいの更新予定です。読んでいただけるとうれしいです。


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