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写真をはじめて2年が経って、写真が生活の一部になりました。

ぼくは趣味が長続きしない。

ギターは買ったけどほぼ触らないで埃まみれ。スケボーはコロナ禍ではじめたけどもう乗ってない。相撲は大学4年から社会人2年目くらいまですごくハマッて国技館にもよく観に行ったし深夜放送の大相撲ダイジェストを録画して毎場所チェックしていたけどもう観てない。小学生のとき好きだったプロレス熱が社会人になって再燃したこともあったけど一時的。高校までやってた野球だって友達のチームに誘われてやる程度で趣味じゃない。かろうじて続いているのはランニングとサウナくらい。

でも写真は違うみたいです。

幡野広志さんの『うまくてダメな写真とヘタだけどいい写真』の編集を担当させていただけることになり、それと同時に幡野さんのワークショップ「いい写真は誰でも撮れる」に参加して、ぼくは写真をはじめました。それからもう2年が経ちます。

昨年、写真をはじめてから1年間の振り返りnoteを書きました。

この1年目の気持ちと、2年目の気持ちはやっぱり違います。写真を撮るのが「ふつう」になった感じがします。カメラを持っていることがより当たり前になりました。

2024年1月28日から2025年1月27日までの1年間で考えたり感じたりした写真のことを、40枚の写真と一緒に振り返ります。写真は基本的に撮った順番で載せています。現像も当時のままです。


虎屋の店員さんの手際の良さと所作のうつくしさに感動して、めちゃくちゃうまいですね!としぜんと声が出た。話が弾んだ流れで写真が撮れた。幡野さんは「写真はコミュニケーションです」とよく言うけど、このときはそれがしぜんとできたような気がする。でもいつもできているわけではぜんぜんない。むしろできてない。

会社が麹町にあった頃、四ツ谷駅の上からホームを撮るのが好きでした。

急いで撮って、うまく撮れなくても、そのときの感じ込みで好きになる写真もある。でもフリンジ処理が甘すぎますね笑。

2月頃、写真を撮るのがぜんぜん楽しくなくなった。鎌倉の海に行って、会社の先輩の子どもたちと遊びながら写真を撮ったら、写真のたのしさがまた戻ってきました。

靴を躊躇なく脱いで海に入っていく子どもたちを見て、ぼくも靴を脱いで海に入りました。

撮りながらぼくもめちゃくちゃ笑顔になっています。

海苔の細胞。顕微鏡の目をつけるところにカメラのレンズをつけて撮ってみたらちゃんと写っていました。

会社でランチに行くときもカメラを持っていく。トマトシチューみたいなものの上にココナッツがかけてあって斬新でおいしかったケニア料理。

12階のフロアにある会社の窓から写真を撮るのもおもしろい。

土曜日、担当書籍のイベント前に忘れ物して出社。誰もいないエントランスがしっとりしていてよかった。

別れ際の写真が好きです。

前の家の敷地に生えていたでかい木。「見たら撮る」。きほんを忘れない。

「旅行と写真は相性がいい」と幡野さん。「写真を撮るために旅行するんじゃなくて、旅行をしたついでに写真を撮る」とも。

「結婚するとほとんどの人がパートナーの写真を撮らなくなる。もったいないから撮ったほうがいい」と幡野さん。

妻の誕生日に1年間の写真をアルバムにしてプレゼントしたら喜んでいました。

幡野さんの写真ワークショップ参加者のみなさんの中にはパートナーを素敵に撮っている人がたくさんいます。それ見てるとなおさら撮ったほうがいいと思います。

逆に妻がぼくを撮ってくれたら、じぶんはこんな顔をしてるのか、と驚きました。

絵でも、花でも、壺でも、何かを飾るのはいいですね。

今回はセレクトの段階でぜんぶの写真をカラーで統一しようと決めていた。元々モノクロで現像していたこの写真だけ現像し直しましたが、めちゃくちゃ難しかった。モノクロで現像していた過去のじぶんが正解だと思いました。

ほぼ日のあばれるさんと和田ラヂヲさんの対談。スタジオで写真を撮るフォトグラファーさんを見学しながらぼくも横から撮影。あとで確認したらフリッカー現象が起きまくっていて、そのあたりの理解がぼくはまだ弱い。白バックの現像が難しかった。

昨年は『自分は、家族なしでは生きていけません。』で、あばれるさんにはとてもお世話になりました! あばれるさんの初エッセイです。ぜひ。

田中達也さんの展示最終日に滑り込み。超満員。写真撮影OK。だからみんながあちこちでここぞとばかりに写真を撮っている。やっぱり写真って力があるなあ!と思う一方、その場にいるうちにどんどん写真を撮る気持ちがなくなっていく。数枚撮った写真にはぼくの無気力が写っていました。こういうときは作品を見ることに集中すべきですね!

夏の日中は、涼しくて外も見えるこの場所がうちの猫は好きらしい。姿は写っていないけどちゃんといるし、表情もわかる気がする。

絵を飾るのはいいですね!

新品のグリースを使うとき気持ちは、積もった雪の上に最初に足跡をつけるときの気持ちと似ているなと思いました。これも「見たら撮る」。きほんを忘れない。

お客さんが来てくれたときにつくる定番になっている「アスパラ1本巻き」。アスパラガスにベーコンを巻いて、さらに春巻きの皮で巻いて揚げるだけ。味付けなし。めちゃくちゃうまいですよ。平野レミさんのレシピです。

一緒に鎌倉の海に行った会社の先輩家族と先輩がうちに来てくれました。子どもたちもぼくのことを覚えてくれていて嬉しかった。アスパラ1本巻きが活躍。

本を読んでいる人の姿は美しい。

はじめての文学フリマ。熱気を感じられてすごくいい経験でした。ぼくもZINEつくろうかな。

あ、なんかいいな、と思ったら撮ればいい。でもそのためにはいつもカメラを持っていなきゃいけない。

湯むきしたトマトがうつくしかった。このトマトで平野レミさんの人気レシピ「牛トマ」をつくりました。トマトを潰すときはもちろん素手で。「料理と写真も相性がいい」と幡野さん。

家の中で写真を撮ることがめちゃくちゃ増えました。

あっ、と思ったら写真を撮る。見たら撮る。

甥があたりまえのようにしぜんにぼくと手を繋いでくれました。手を繋いでいるときのぼくの目線がわかって気に入っている写真。

うまくてダメな写真とヘタだけどいい写真』にも書いてあるように、「撮るよ」とか「こっち向いて」とかの声がけは一切しません。幡野さんの「子どもの楽しさを写真で邪魔しない」という言葉はこれからも忘れないと思います。

妻の母のコロッケをはじめて食べましたが、うますぎました。そりゃ妻の好きな食べ物がコロッケになるわ。そういう驚きとか感動とか発見も、写真を撮っていれば思い出せる。

幡野さんに教えてもらっていなかったら、こういう写真撮ってないと思う。見たら撮る。きほんを忘れない。

「じぶんで撮った写真を部屋に飾るといいですよ。大きめにプリントすると写真がよく見えます」と幡野さん。

幡野さんのワークショップその3を受けてから、確実に現像がレベルアップしたと思う。受けた人なら、そりゃそうだ、という内容です。

この写真もそう。去年のぼくなら「逃げのモノクロ」で現像していたと思う。そういう写真もカラーで現像してみようという気持ちになっています。

空気階段の鈴木もぐらさんを撮らせてもらいました。担当する連載が始まったので読んでください!


写真をはじめてから1年目は、写真を撮ることが「小学生になってはじめての夏休み」みたいなものだったかもしれない。はじめて買ったちゃんとしたカメラで、はやく写真を撮りたい!というような。写真を撮るのも現像するのもたのしくてしょうがなかった。写真を撮っているじぶんも、カメラを持ち歩いてるじぶんも、いつものじぶんとは違うもののような気持ちでもあった。特別なことをしているたのしさ。

写真をはじめてから2年目は、写真を撮ることが「社会人の3連休」になった感じ。とうぜんあるもの、として享受するんだけど、しみじみとうれしい感じ。写真を撮ることも、カメラを持ち歩くことも、特別ではなくて、いつも通りのことをする中で感じるたのしさになってきたんじゃないかなと思っています。

写真は人生をたのしくしてくれる。写真ってまじでいいですね。


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\2024年に、いちばん売れた「写真・カメラ」本になりました/
幡野広志『うまくてダメな写真とヘタだけどいい写真』

幡野さんが「できれば触れたくなかった」という、写真についてはじめて書いた本。大好評のワークショップをベースに幡野広志さんが渾身の書き下ろし。初心者の方にぜひ読んでいただきたい1冊です。幡野さんの写真も多数。カバーとそれぞれの章トビラのイラストはヨシタケシンスケさんです。

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