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採集ではないですが:黒を染めたくて
採集…しようと思えば何とかなるものですが、以前お友達が使わないからと譲ってくれたヤシャブシがたくさんありますので
これを使って黒を染めてみようと思います。
黒って難しいのです
黒って、いろいろもりもりにして行けば染まるんじゃないの、と思われるかもしれません。
ドングリ(特にヘタ)を始め、黒に染まると言う染料はたくさんあります。
染料の中に含まれているタンニンを鉄で媒染すると、だいたい濃いグレーか濃い茶色になって参ります。
しかし。
真っ黒というのはなかなかに難しいものでございまして。
この、濃いグレーとか濃い茶色というのがなかなか曲者でして、
まず、純粋な無彩色のグレーや茶ではなく、赤っぽかったり、緑っぽかったり、いろいろな特徴がございます。
江戸時代に「四十八茶百鼠」と言われたように、微妙に差がありますので、まず単純にそれを濃く染め重ねたとして、綺麗な黒にはなりません。
そもそも鉄媒染は繊維を傷めやすいので、媒染を濃くしたり、何度も染めたりというのも避けたいところです。
下染めと重ね染めを反対色の傾向のある濃い色を使って、黒に近づいていくようにもしていましたが、今までは微妙に薄いとか、そこそこ濃いけど何だか赤いとか、そういう糸が出来上がっていました。
毛染めをなさる方ならイメージしやすいでしょうか(笑)
一口に髪色を少し明るめに染める、と言っても、赤みのある茶色、黄色っぽい茶色、アッシュ系、黒より少し明るい色にもいろいろありますよね…というところです。
そして今回はまず「水戸黒」という染め方を参考にしようと思いました。
水戸黒とは、藍で下染めをしてからヤシャブシを重ね染めするもので、濃い青と赤みのある茶色を重ねて黒に近づけようとするものなのですが…
見事失敗。
![](https://assets.st-note.com/img/1696402331037-Wz4CbwT8uL.jpg?width=1200)
ヤシャブシ1回染めでまだ下の藍が強い(青っぽい )ようだったので、2回目を重ねたところ、今度は赤みが増してしまい。更に乾いた後はやっぱり薄く、失敗!!!というところで。
![](https://assets.st-note.com/img/1696402232048-1YhavhEXBc.jpg?width=1200)
とても悲しく終わってしまったのですが、そこは転んでもただじゃ起きませぬ。
重ね染めのついでにヤシャブシ単体染めで濃い茶色を染めていましたので…そこに紺色の染料・ログウッドをかけよう!と思い立ちました。
ヤシャブシ1回×ログウッド1回…まだ赤い。
更にログウッド2回で…黒い!
今までで一番黒い!
藍(アルカリ性)×2回、ヤシャブシ(鉄媒染)2回で傷み気味の水戸黒もどきより(途中で思わずクエン酸リンスもしてしまいましたが、これが悪かったのかもしれません)
それに比べて傷みも少なく、まだとろとろした質感があります。
ログウッドだからかも。
![](https://assets.st-note.com/img/1696402285573-93gf8LU96C.jpg?width=1200)
この先、黒はこの染め方を使ってみようかと思います!
失敗の後にも嬉しいことはあるものです。
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