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同じ穴のムジナ

「同じ穴のムジナ」ということわざ。
多くの人が、その意味を知っているだろう。

同じ穴の狢(おなじあなのむじな)

一見関係がないようでも実は同類・仲間であることのたとえ。多くは悪事を働く者についていう。同じ穴の狸 (たぬき) (狐 (きつね) )。一つ穴のむじな。
デジタル大辞典(小学館)

しかし、「ムジナ」見たことがある人は、そんなに多くはないかもしれない。

私も、自然豊かなこの地に移り住むまでは見たことがなく、「ムジナ」という言葉のイメージから、ずっと、ムカデみたいな生き物だと思っていたのだが、実際に見てみると、意外とかわいいのだった。
ムジナとはアナグマの別の呼び方だそう。
アナグマはわが家のまわりをウロウロしている。
警戒心が薄いので、かなり近くに寄ってくる。

家の中の土間にいたときは驚いた。何やらガサゴソしていて、全然逃げない。

「おーい。どいてくださーい。」
大きな声を出し、ドンドンと足を踏みならすと目が合った。一瞬キョトンとして、ようやくのそのそ出て行った。

最近は、庭で食事にいそしんでいるアナグマに遭遇。
洗濯物を干している私の方へ、ずんずん近寄ってくる。食事に夢中のあまり、人が近くにいることに気付いていない。

そんなアナグマちゃんがこちら。

おしりがかわいいアナグマ
警戒心ゼロのアナグマ
かなり近寄ってきたアナグマ
背中をカキカキするアナグマ

ことわざや慣用句の比喩じゃないリアルな風景が見られるのが田舎暮らし。

ほかにも、この地に住んではじめて見た風景がある。

蜘蛛の子を散らす(くものこをちらす)

《蜘蛛の子の入っている袋を破ると、蜘蛛の子が四方八方に散るところから》大勢のものが散りぢりになって逃げていくことのたとえ。「悪童どもは―・すように逃げ去った」
デジタル大辞典(小学館)

など。

はじめて見たときの衝撃、ゾワゾワ感といったら!

家の中で子の入った袋を抱えた母蜘蛛に遭遇してしまったら、袋が落ちないよう、破れないように外へ出て行ってもらうために、細心の注意をはらう必要がある。
そのため写真を撮る余裕はない。

こどわざや慣用句ができたころは、その言葉の通りの風景が、ほとんどの人にとってありふれたものであったにちがいない。

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