この世界にもともとある温かさ
おはようのワークっていうのがあるらしい。
この世界に生まれてきたこと、生きていることをほんとうに感じて、相手に「おはよう」と伝えるだけのワーク。
それだけなんだけど、涙がでちゃったりするんだよねってお話を聞いた。
きのうある人と電話していた時、ふとそのことを思い出した。少しだけ耳を澄ませて、相手の声を聴いた。
そうしたら、その人の声音がさっきより少しリアルに耳に届いた。
笑ってる、やさしい感じがした。
その人が、声が、ここにあるという存在感だった。
誰かと電話する、話をする、そんなに非日常ではないふつうの営み。
相手はさっきまでと同じように話しているはずだ。
でも、いまここに、たしかに、とても温かなものが存在している。自分はその温もりのなかで生きているんだ。そんな感覚だった。
この世界にあること。じぶんの心のなかにあるもの、だれかの心、からだ、声。
あるものがあると感じると、それがどんなか微細に素直に感じると、温かいんだ。
いつもいつもなにかしら、「このままじゃダメなこと」を、なんとかしよう、こうしなきゃって、是正したり予防するために生きていたら、人生はほんとうに忙しくて大変で、疲れる。
あるものがあるなあって感じる人生は、「そうするとどうなる」はもはやなく、それそのものがよろこびなんだと思う。
ただ、わたしはわたしのいのちでこの世界で生きる、そこにあるものを味わう、それだけなんだけど、温かい。
この世界に温かさはもともと存在しているなら、せっかくならそれをできるだけ多く見つけていたいと思う。
温かい、安心だ、満たされる。
そんなことを感じるために生きている気がするから。
電車が次の駅に着いて、日が射して、埃がきらきら光る
いまこの人がここにいるなあって急に実感する
あ~わたしいまこんな気持ちだって気づく
毎日たくさん、あるものを感じてたい。