ギックリ腰になりましたゆえ
尿意が脅威だ。
のっけからお手洗い関係のワーディングで恐縮している。
そういえば、地元に御手洗(みたらい)さんという先輩がいたが、地元の有力者のご子息だったために、田舎の子どもたちのからかいの切っ先もどことなく鈍かった。
人生初のギックリ腰になりました。
土曜の早朝、卓球の練習をしていて、自分の動きに納得いかなかった私が「もう1回いいですか」とリクエストした直後に、その違和感はやってきた。
ああ、自分の不出来に納得いってれば良かった。
十年以上前に椎間板ヘルニア、そして二年前に肉離れを罹患していた私は、すぐに「あ、良くてギックリ腰だな」と直感的にわかった。
どうせ直感が働くなら、もっと生産的なものに働いてほしい。
すぐに練習を中断し、魔法の言葉“家で安静に”姿勢に入ったのが、問題は「温めるか」「冷やすか」「そのままにするか」である。
ぶっかけうどん、温めるか、冷やすか、横から見るか、の3択。
不意に岩井俊二が入ってしまった。
しかし調べても、症状とタイミングによるからねぇという情報しか出てこない。
半身浴。
また直感が働いた。今日はよく働く日だ。
そのときはもう漢字も、半神浴、くらいに神々しいアイデアだと思った。
すぐに単行本を4冊お風呂に持ち込んで、小一時間ぬるま湯に浸かった。
何も変化はなかった。
そして、その後どんどん症状は悪化し、夕方にこれはもう整骨院に行くしか無いところまで思い至った。
都営のバスのバリアフリー仕様のステップにさえ苦しみながらたどり着いた整骨院の先生は施術しながらこう言った。
「え、温めちゃったの?じゃあ炎症広がった可能性あるね」
正解は「冷やしぶっかけ」だったのでした。
人間ドックのバリウム飲んだ後回転する速度で寝返りを打つ私をもっとも苦しめたのが「尿意が脅威だ」という思いでした。
そして事実、筆舌に尽くしがたい脅威でした。
みなさま、身体はくれぐれもお大事に。