【読書】PTAでもPTAでなくてもいいんだけど、保護者と学校がこれから何をしたらいいか考えた
著者の大塚玲子さんは、
長年PTA問題に取り組んできて
PTAについての本を何冊か書かれている方だ。
記事や本を見たことがあるひとも多いのでは?
『PTAでもPTAでなくてもいいんだけど、
保護者と学校がこれから何をしたらいいか考えた』
は、今年の3月に出された本。
PTAに関わっているわたしとしては
もう
このタイトルからめちゃくちゃ気になる。
特に
『PTAでなくてもいいんだけど』
ってところ。
なにしろわたし
PTAなくてもいいんじゃない?
って
改革をしながらさんざん考えてきたからだ。
うちの学校では
来年度からコミュニティスクールが導入される。
コミュニティスクールが始まれば、
もはやそれだけで充分なんじゃない?
いよいよPTAなくてもいいんじゃない?
なんて考えていたのだ。
この本では、
著者が様々なひとの話を聞きながら
「保護者と学校」の関係について考えていく。
最初に登場するのは、
映画『みんなの学校』で有名な大空小の木村泰子元校長だ。
大空小はPTAなしでスタートしたらしい。
校長先生や教育委員や教育研究者…
と著者との話が続き、
最後には政治学者の岡田憲治さん
(『政治学者、PTA会長になる』の著者)が登場する。
どの章も
読みながら
うんうん
とうなずける内容が多い。
時に激しく突っ込み
時に悩みながらあれこれと考察する大塚さんとともに
わたしも「一緒に考える旅に出た」かのように
学校やPTAや保護者のあれこれについて思いを馳せた。
去年通りのやりかたを繰り返すことや
今ある体制をそのまま維持することが
主な活動になってしまっているPTA。
そのために
強制的なやり方が行われているところも多い。
多くの保護者に辛い思いをさせるなら
もはやそんなPTAはいらないと思う。
変えられるなら変えたらいい。
でも
いまの硬直したPTAがどうにもならないなら
やめてしまえばいい。
わたしも
常々そう思っている。
が、この本が伝えているのは、
目的はPTAをどうこうするところじゃなくて
その先にある
ということ。
じゃあ
保護者は学校のためになにをしたいのか?
なにができるのか?
「PTA問題」にとらわれずに
そこをちゃんと追求していこうよ
ということを伝えている。
なくしちまえ!
と言うのは簡単だ。
でも
そこで終わらないところが
すごくいいなと共感する。
PTAの本質について考える機会になった。
わたしも
PTAで苦しむ親がいなくなるように
とPTA改革を続けている。
が、改革の先にはなにがあるのか…
PTA廃止しかないのか…
とモヤモヤしていた。
でも。
改革のその先にあるものは
PTAだろうとPTAでなかろうと構わないのだ。
保護者と学校がよりよい関係で
みんなで学校を作っていけるように、
自由な活動が行えるような土壌づくりを
いま精一杯しておきたいな
と強く思った。