ちゅらさんを見て考えた、信じること、パスカルの賭け

ちゅらさんを(87)を見て思ったこと。

主人公のエリと、幼少期に結婚の約束をしたフミヤくんが、大人になってに再開し、劇的な結婚を迎える回である。

そのふたりの結婚を聞いた、エリの同居人が、あまりの運命に「なんか人生観変わっちゃうな」とつぶやくシーンが印象的である。

このシーンを見て、哲学者パスカルの、パスカルの賭けを思い出した。
彼は神を信じるかという問いに対して、信じるべきだと考えた。
なぜなら、信じることによって得られる報酬は無限大で、もしいないとなっても自分に何の不利益もないからだ。
人生には、報酬と損失の関係が非対称なものが存在するということを表現した寓話だと思う。

エリは、フミヤくんのことを、諦めようとしたそのときに、報われた。
運命という、人智を超えたもの、かつ信じても不利益にならないものを信じたからこその報酬だと考えていいだろう。
フミヤくんとの奇跡が起きなくて諦めてしまっていても、エリは何の不利益もなかったはずだ。

自分が諦めるまで、荒唐無稽なことでも、何かを信じること、自分の可能性を信じることを辞めない方が、合理的でもあるということだと思った。

ところで、話を一気に変えるが、オリンピックのバスケ日本代表の合言葉は、「Believe」だったらしい。ドキュメンタリー映画のタイトルにもなっている。
オリンピックの第3戦後の選手コメントでも、「もう絶対に勝てると本当にみんな信じ切ってた」と言っている。試合結果は、3戦とも敗戦だった。
だが、信じて、すべてを一瞬に賭けて全力で闘っていた。
信じた結果、何の不利益もない、未来への希望だけが残ったように思う。

信じること、それは簡単に思えて実は一番むずかしいことでもあると思う。
信じることを悪用する人たちもいる。
だが、不利益がない範囲で、何かを信じることは極めて合理的だと思っておくといいかもしれない。


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