闇バイト、ガザ問題
●闇バイト
闇バイト(犯罪)問題は、日本と世界の縮図を映し出しているように見える。
2012年頃、子どもの相対的貧困率の統計から、6人に1人が「貧困状態」であるとも言われていた(2021年段階の統計では、新基準になっているが、16.3%から11%まで低下しているので、9人に1人くらいになっている)。
そのころに育っている世代が、今の大学生や新社会人くらいだろう。
コロナに、インフレもあって、余裕がない状況の人も多いはずだ。
自己責任論もけっこう唱えられていた世相も相まって、他者や家族にも相談できないと思い込んでいる人も多いと思う。10年代は自己責任論も濃厚だったと記憶している。
そして、戦後のどさくさに紛れて、闇市の展開や戦後の反共産化のために表立ってはできない交渉ごとなどを担って影響力をもっていた反社勢力を、2000年代くらいに、社会から一掃しようという動きが加速した。
その結果、反社組織が海外から、日本の生活に苦しい人たちを使い捨てにして、日本社会に逆襲を企ていているように映る。
ちょうど、SNSも出てきて、海外のリバタリアン思想も相まって、非中央集権を目指すテクノロジーも同時に進歩してきた。暗号通貨やテレグラムなどで匿名の通信手段を与え、海外送金のハードルもほとんど消えている。
構造的に見ると、最近よく見る強盗といった現象は、日本社会が放置してきた問題が、世界のテクノロジー潮流のなかでまざまざと浮かび上がっているものだと思う。
賃金上昇などは民間なのであまり政府の口出すことではないが、若い世代の重い社会保障費などの改善は必須だと思う。今回の選挙後の政治で向き合わなければならない問題ではないか。少なくとも警察が啓蒙の動画を出すよりもやるべきことは大量にあるはずだ。
マイナンバーも導入されたので、医療費のコストダウンや、予防医療インセンティブなどできることは大量にあると思う。
●ガザ問題
素人目で見る限り、イスラエルは明らかにやり過ぎな感がある。
何なら、現場にいる軍への指揮系統はうまくいっているのかすら怪しく見えてきた。文民統制とは名ばかりで、現場の軍が割と勝手に動いているのではないかと思える。
しかも各国で右傾化の兆候が見られ、かつユダヤ人の負の歴史が重すぎて誰も強く言えない状態になっている。日本は仲裁のリーダーシップを取るのにいい立ち位置にいると思うのだけどな。