ドキュメント72時間 ケーキ店
ドキュメント72時間、長崎の病院内のケーキ屋を見た。
人間って、なぜ余剰のものを欲したり、他者に与えようとするんだろうと改めて思わされる内容だった。
人はいろんなものを交換して生きる。言葉や食料、気持ち、気遣いなど。
そして、私たちが愛されたとか、大事にしてくれたと感じるのは、余剰なものや気持ちを与えてくれたと感じたときだ。
最近の街角インタビューなんかを見ていると、「自分へのご褒美に買いました」みたいな発言がよく聞かれる。それはそれですばらしいことだと思うが、ほんの少し他者に余剰を与えることができれば、なおすばらしいだろう。
いきなり人を刺してしまうとか、放火してみたりとか、近年そういった事件が目立つようになってきた。人それぞれ、事情が違うのだろうけれど、根本は自分が大事に扱われていないとか、存在している実感が得られないことが原因なのではないかと思う。
こういった事件が起こるたびに、加害者側に誰かひとりでも、ケーキを送ってくれたり、余剰な気づかいを交換する他者がいたら違ったのかなと、いつも思う。
ユダヤ教やイスラム教の教えに、「一人の命を救うことは全世界を救うに等しい」というのがある。
ほんの少し、「自分」から離れて、他者に余剰を与えることを忘れない。
それは小さくて一瞬だけの気遣いだけでも、他者には救いになる可能性があることを、本映像を見ながら思った。