医療機関の経営状況のメモ
基本的には日本の医療機関の経営は、規模が小さいほど利益率が高いという不思議な構図。
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=8744
ここらへんのことは医師会のシンクタンクでも詳しく分析して公開している。
つまり、いわゆる病院経営はカツカツ、診療所は利益率3割。
特に、2012->2015に向かい、大規模グループの利益率は右肩下がりでゼロ前後へ。
どの法人も同じように利益率が悪化して赤字化しているのを見ると、これは各法人のオペレーションの問題というか、診療報酬設計と疾病構造の変化の結果なんじゃないかと思ってしまいます。
これらの病院群は、多くが、いわゆる地域の基幹病院の運営・存続にかかわる話なのでとても気になります。
というか、そもそも同じようなことしているなら、もうちょっとグループが集約化されてもいいようにも思いますけどね。携帯も3-4社ですし、どの産業もそれくらいが適正競争とかいいませんけ?
ちなみに事業規模は、日赤はキャッシュフロー1900億円の超大組織・・・
徳さんは詳細不明ですが売り上げ1000億円規模みたいですね。
これはいわゆる帝国大の標準的な規模と同じくらい。
キオト大学は1740億円。
東北大は1600億円。
日本全体のグループ病院と、旧帝大の事業規模が同じというのは興味深い。
病院経営管理指標
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/igyou/igyoukeiei/kannri.html
極めて興味深いことに、医療法人でも自治体病院でも1床あたりの医業収益がはほぼ同じですね。一方で、利用率は自治体病院の方が1割くらい低い。しかしこれは自治体の方には感染症のベッドもあったりするので一概に比較は難しいように思う。人件費率が自治体方が1-2割高い。
常勤医師一人当たりの人件費は医療法人の方が高いのに、常勤医師人件費率は自治体病院の方が高い、つまり、民間の方が医師一人の給料も高く責任も高いということ。自治体病院は人数が多く一人当たりの給料が安い(けど人数が多いので全体としては常勤医人件費率が高くなる)。
看護師の給料がない。これは本当だろうか??そして看護師の給料は療養や精神の方が高い。これは年齢が高いから(一般=急性期には若いナースが多い)というのもありそうだが、療養や精神のナースの給料結構高くて驚く。
高くて驚くの極みは、やはりその下の「職員一人当たり人件費」であろう。自治体方が2-3割高い。よく言われる「公立病院の仕事しない・できない高給取り事務員」のことだ。
職員一人当たりの医業収益は、自治体の方が高い、これは民間の方が職員数が多いのか?