シロが教えてくれたこと
#シロとの出会い #シロのご飯#幼稚園
#命の大切さ #責任#子どもらしさ
#家族 #子ねこ#子育て#絆
7.みさが話せるようになった奇跡
きっと、私がなぜ、こんなにおませな年長さんなんだろうとみんなが感じているかもしれないので、私が家にいた時のお話をするね。
お母さんは、
「周りの子がみんな話し出すのに、うちの子はなぜ話さないんだろう?」
て最初は自分の子育てについてかなり悩んだみたい。
私も、病院にいくつか連れていかれて検査もしたけど、理由がわからなかくて悲しかったのを覚えている。
結局、
「精神的な問題でしょう。」
てだいたいのお医者さんは診断しながら、
「そのうち話しますよ。」
と、そんな感じ。
たった、一人のお医者さんだけは、そんな診断はしなくて、
「お母さん、みさちゃんにとにかく、たくさん話してください。大人に話すように自然で良いですから。子ども向けにわざわざ話さなくていいですから。」
と言ってくれたの。
だから、そのお医者さんが私の今の主治医。
いつもニコニコしていて、とっても優しい。
お母さんは、いつもその先生から
「大丈夫…お母さん。」
て励ましてもらっていた。
育児の不安から泣いているお母さんも私は何回もみたよ。
「私が話せないからお母さんが泣いてる、苦しんでる、私のせい?」
て心の中で話したのに、先生には、ばれていたの。
「みさちゃん、みさちゃんが悪いわけでもお母さんが悪いわけでもないんだよ。だから、大丈夫。今はお母さんから、たくさんお話をしてもらうといいよ。」
私たち家族の気持ちに、いつも寄り添ってくれた。
だから、先生に言われてからずっと、
「言葉は大切だから」
と本当に普通の話を毎日してくれたの。
朝から寝るまでずっと。
言葉が難しい時は、国語辞典を一緒にみながら説明してくれたよ。
たくさんの言葉を知ることは楽しくて…
話せなくても言葉や伝え方はわかっていたから、話し始めたら早かったのかな?
シロがきて、シロと話したい私はその溜め込んでいた言葉を吐き出すようになったんだろうと。
お母さんがどんな話をしてくれたかと言うと。
たくさんありすぎるけど、一番心に残っている話をするね。
お友達の話。
お母さんには昔から仲良しのお友達がいて、部活もテニス部で一緒だったみたい。でも、ある日レギュラーを決める時に、お母さんか友達のどちらか一人を選ばないといけない、そんなことがあったそう。最終的には、お母さんが選ばれたみたい。
そのあとは、友達は部活を辞めてしまって、関係がギクシャクしたまま卒業して大人になったんだって。
何年かぶりに会うことになったのは、友達のお父さんのお葬式。
お母さんは、大事な友達だったお父さんのお葬式だから行きたいと思ったけど、迷っていたんだって。
でも、後悔したくないから勇気を振り絞っていったみたい。
久しぶりに会う友達が、泣いている姿をみて思わず抱きしめていたって。体が自然にそうなったみたい。
お母さんと友達は、そのお葬式をきっかけに今では仲良しなんだけどね。
お母さんがこう話していたの。
「きっと、かよちゃんのお父さんがお母さんとかよちゃんをまた、つなぎ直してくれたんだと思うの。きっかけをくれたのよね。不思議なご縁でつながっていたのよね。」
私には、最初この話は難しく感じられたけど、なんとなくイメージできた。
それはお母さんのたくさんのお話や、本を読んでくれたこと、日々のなんでもない、ぬくもりから得た
『奇跡』
だったのかもしれない。
お母さんの言葉をかりて話すなら
「私にとってお医者さんとのご縁があったから今こうして話せるのかな?」
この言葉の使い方あってるかな?
少しおませな年長の言葉より。
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