東芝非上場化、東芝の経営状況の改善には貢献しない理由

東芝の上場廃止を受けて自分なりにもこのことについて述べてみたいと思う。

東芝は2010年代中旬に判明した数々のスキャンダルに伴い東証2部に格下げになった後、株主であるアクティビストの意向もあり多くの事業を切り売りすることになった。それを嫌った東芝は国内連合ファンドへの身売りという形でのエグジットを選んだと言える。

しかし、誰が東芝に上場維持してほしいと頼んだのだろうか?そんなにアクティビストが嫌なら大人しく粉飾が判明したときに非上場化への道を選ぶべきだった。東芝のエゴイズムは2010年代のスキャンダルにも貢献したが、残念ながら上場の維持という誰にとってメリットがあるのかわからないものにも貢献したのだ。

一方で、非上場化後の東芝に美しい未来があるという考えをするのはあまりにも楽観主義的であるだろう。東芝のエゴイズムや自前主義は未だに東芝に深く根付いているようだし、経営陣と現場の距離はかなり開いたまま戻っていない。あるいは優秀な人材は他の企業に移ってしまったかもしれない。これらの問題は非上場化による監視機構の消滅で悪化する可能性もあり、東芝が新しい問題を引き起こす可能性があることには注意していきたい。

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