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秦建日子『サイレント・トーキョー』

 noteでの初めての投稿。以前、ブログでやっていたような読後感など...書評とまでは言えない...を書く場所として活用したいと思う。ブログを閉鎖してからは、しばらく読書ノートも執ることなくアウトプットする機会がなくなっていたのでアウトプットも兼ねてつらつらと思うままに。

 先日、秦建日子『サイレント・トーキョー』を読み終えた。話の内容がクリスマスシーズンということで、冬の間できればストーリーと同じような時間軸で読めればと思いKindleで購入。年末年始の長期休みで読むつもりだったけど、バタバタしていて落ち着いて読めず年明けから本格的に読み始めることに。

 秦さんの作品で「アンフェア」シリーズ以外で読んだことなかったなぁと、読み終えて改めて確認。エンターテイメント小説?ミステリ小説?どちらでもあるテンポの良さと楽しさ。「あとがき」で似鳥鶏さんが「ディズニーランド」と表現していたけれど言い得て妙だと納得。ただし、テーマは笑えない。小説だから楽しめるけれども、いつまでも小説の話だと思っていてはいけない「日本国内での、東京都心での爆弾テロ事件」というもの。有川浩さんが「図書館戦争」シリーズのあとがきで「この話が小説として楽しめているうちは幸せ」的なことを確か書いてたと思うけど、この言葉を思い出した。小説、映画の中だけの出来事だと思っていたことが現実味を帯びてきている昨今の世界情勢。小説として楽しみつつも、問題提起、意識変革の機会として捉えたい。

 ここまでの内容だと作品の面白さ、魅力が全く伝わっていないように感じる。書いている自分がそう思うのだから、読み手の人はそれ以上だろうな。

 恵比寿での爆弾騒動から、渋谷での爆弾テロ。そして東京タワー、お台場・レインボーブリッジと標的となる場所が次々と動いていく緊張感。何人かの主要な登場人物からの視点で描かれることにより、謎解きも忘れて「誰が犯人なの?」「これからどうなっちゃうの?」とハラハラして、わくわくして、続きが気になりっぱなしで、最初から最後まで飽きることなく読むことができた。そう「最後まで飽きることなく読める」。これが自分のなかでの秦さんの作品の特徴。映画化されるようだけれど映像で、視覚で楽しむとまた違った味があるんだろな。映像として映えそうですしね。

 実際に国内での爆弾テロが現実味のあることなのかわからないけれど、どこか遠く世界の話ではなく、もっと身近な話であると受け止め、戦争やテロ、政治・国際情勢を見つめていきたい。という真面目な?読後感が占めました。とにかく!内容はとても面白いので是非、ご一読を(笑)

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