デザインを経営に取り入れる②ーデザイン経営は誰と始める?何から始める?-
デザイン経営は誰と始めたらいいのか?
例えば新規事業を立ち上げるとすると、当然かもしれませんが、経営者が本気にならない事業は伸びません。事業化していくときは特に、経営者がしっかり先導する必要があります。
中小企業になればなるほど、それは顕著です。
ですが新規事業って、
顧客が誰か分からない
ニーズが分からない
商流流通分からない
ですよね。
経営者が、1人で進めていくのは困難ではないですか・・・?
事業化には仲間は必要です。
従業員に働きかけていったり、必要に応じて外部から人を入れたり。
1人でがんばらなくていいのです。
まずはコアとなるチームをしっかり作る
コアチームを作ります。このチームは3つの役割があります。
ですが絶対3人でやらないといけないわけではありません。
一人社長の場合もあるでしょうから、まずはご自分ができる役割を担当します。ひとつでもふたつでも。
そして残りのあまり得意ではない分野は、社内に担当者がいる場合はその方に任せましょう。一人社長の場合は外部のプロに任せましょう。
人数が多い事業所の場合は、担当部署に部長がいて、それぞれの分野で任命することもできるでしょう。従業員数の少ない事業所になればなるほど、兼務していたりして、人手も足りませんよね。
なので、まずは「社内で誰ができるのか」、「外部から人材を入れる必要はあるのか」、「入れるならどの分野に必要か」などしっかり分析する必要があります。
・デザイン(有意味性)・・・相手にとって共感してもらえる・欲しいと思って いるかを考える役割
→経営者ができなければ、デザイナーに任せましょう。プロであり第3者の目線は大事です。
・ビジネス(持続可能性)・・・そもそもビジネスとして成り立つか・マネジメントできるかなど持続可能性に落とし込む役割
→経営者。またはマーケティング部門など社長の苦手分野を補ってくれるコンサルなどのビジネスパートナーでもOK
・技術(実現可能性)・・・商品やサービスに落とし込んで技術的にできるのか考える役割
→経営者ができなければ、現場技術担当でもOK。現場の方が一番よくわかっています。
3つのうち何処か欠けると、後々アウトプットのバランスに欠けるので注意が必要です。適当に人選すると後々効果に響きます。
ここで大事なのが、これらの担当者が自分の強みだけを発揮すればいいのではないということ。
専門性を高めるだけでなく、お互いが分からないなりにも役割を広げてお互いの領域を理解しあう「共創」の意識がポイントになってきます。
「チーム」という認識が大事です。
これがデザイン経営の基盤となり、さらにこのコアチームの外側に「製造・加工」や「販路・流通」「広告・広報」などのネットワークづくりが広がっていくのです。
コアチームの機能が、デザイン経営には大きく作用することが分かって頂けたのではないでしょうか。
何から始めるかを決める
前回のデザイン経営①でもお伝えした通り、
デザインは問題解決の手段です。
では問題とは、理想と現状のギャップですよね。
デザイン経営では、この問題をまず、洗いざらい出していくことから始めましょう。
まずは問題を洗い出す
理想はどういう状態なのか
現状はどういう状態なのか
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
この2つのギャップが問題(課題)です。
この2つは、結構たくさん出てくるのではないでしょうか?
「現状の年商は〇億だけど、5年後には〇〇億くらいいけそうだよな」
「〇年後に業界シェア20%まで行きたいんだよね」
「この商品は物がいいんだけど、売上が伸び悩んでるんだよな」
「あの部署の人間関係がうまくいってないよな」
「あの機械、すぐ故障して作業が遅れがちになってて困るよな」
などソフト面・ハード面さまざまあると思います。
理想を明確化する
出てきた理想に対して、目指す姿を明確化をする必要があります。
具体的に数値に落とし込む。これは経営者の大事な仕事です。
ここで活きてくるのが、「中期経営計画」です。
「あ、うちはそんなものないよ」と思った経営者さん。
大丈夫、あなただけではありません!
実は意外といらっしゃいます。特に事業継承された経営者さんは多い傾向にあるように思います。
ですが、やはり皆さん共通なのですが、なんとなく漠然と問題点が分かっていて、何となくこうしようと思っている状態なのです。
厳しいことを言いますが、その「なんとなく」のまま経営の舵をとるのでしょうか?
「中期経営計画」は事業を見通したり、見直す際に必要です。目先ではなく数年先を考えた経営ができるようになります。
具体的な数値なく、修正も見通しも立たないのが当たり前なのです。
「中期経営計画」がない経営者さんは、問題を明確にするために下のような簡単な表を作成してみましょう。
現状の各事業ごとに売上・粗利・粗利率・販管費・営業利益・営業利益率などを出して一覧にしてください。
その隣に、例えば3年後の目指す姿の各事業ごとの売上・粗利・粗利率などをを書き入れます。
この時、
自社らしさを踏まえた成長領域を特定し、その分野では増収を見込みます。
また高付加価値化でき、生産性が上がりそうなものも増収を見込んでおきます。新規事業は目標値を入力しておきます。
また事業を再編する際は組織規模を考えて、組織人数を数字に落とし込みます。
これで全体のバランスなどをイメージしやすくなります。
どの事業に注力するべきなのか課題が明確になり、おのずと打ち手が見えてくるのではないでしょうか。
ここまできたら一度、言語化しておきます。
これをもとにチームを指導させていくと、途中でブレずに進められます。
新規事業だけでなく、日常の1つの企画ベースでも、あるいは個人での活動での仲間作りにも生かせる内容ですよね。
次回は、価値を創造するデザインについてお話ししたいと思います。
お楽しみに!
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