漁村の新たなあり方 〜株式会社ゲイトのインターンを通して学んだこと①〜

私、中村翼は株式会社ゲイトにて2020年2月22日~2月27日の期間、住み込みでインターンをさせていただきました。そこで、限界集落における新たな漁村のあり方が見えてきました。

インターンの生活、考察と長くなりそうなので、今回はインターンの内容を①としてまとめさせていただきました。次回②は考察を書かせていただきます。

三重県熊野市二木島町

画像1

伊勢市駅から電車を乗り継いで約三時間半

画像13


目の前には海が広がり、大自然の山々に囲まれた町

現在の人口は239人(令和2年3月1日熊野市公式HPより)
限界集落に近いこの地に、東京の外食企業が漁業参入し、地域を支えてる。

その名も株式会社ゲイト!
飲食部門と漁業部門を連携させる事業モデルを構築、漁業を再生させる取り組みを行なっている。生産(漁業)→加工→流通・販売(居酒屋・くろきん)まで全て自社で完結、6次産業化を体現している企業です。

6次産業化とは?

画像3

(長崎県6次産業化サポートセンターHPより)


画像4

(地元の漁師さん)

では、実際に住み込みで働いた1日の内容はどんなものなのか?   
漁師さん生活とは?

まとめせていただきます。


インターン内容

画像5

 朝6時30分、小型定置網の網上げから一日が始まります。
定置網漁業とは、漁業法によると"漁具を定置して営む漁業"と記してある。

イメージはこんな感じ!👇

画像6

簡単に言うと、海中に沈める罠です。
魚の通り道に網を沈めて設置しておく。
 すると、あら不思議? 
魚が網に吸い込まれていくではないか。

 なぜ、魚が網に入るかというと魚の習性を利用しているからです。
何かにぶつかると沖へ向かって泳ぐ習性や障害物に沿って泳ぐ習性など様々です。季節ごとに回遊する魚の習性や潮の流を読んで設置します。

ゲイトはこの定置網を二木島須賀利に2つもっており、僕らが毎日網を上げていたのは二木島の超小型定置網です。船で5分もかからない距離にあります。

(二木島・小型定置網)

画像8


毎日、何が入ってるんだろうとワクワクしながら上げていました。
この時期だと、アオリイカが入ってると当たりだそうだ!

こちらは、実際に獲れたアカメフグとメジナ。

画像7

この超小型定置網は子供達でも体験することが可能であり、漁業や魚を身近に感じてもらうことができる優れものです。実際に地元の子供や、訪問者などが体験するなど、教育の一面も担っていました。

その後は獲れた魚を市場へ出荷しにいきます。(7時ごろ) 
(市場)

画像10

(競りの様子)

画像9

8時に競りスタートです。
ライバル達との心理戦、緊張感が半端なかったです。  

この市場では一発札方式という競りを行っていました。 
普通”競り”と聞くとヤフーオークションのようなつり上げ方式を想像すると思います。(多分)

この一発札方式とは、競りの対象となる魚に対して、1Kgあたりの競り落としたい金額を札に書き、いっせーのせい!で全員札を出します。
その中で提示した金額が一番高かった人に買う権利が与えられる方式です。  
この方法だと一発で決まるため、競りがよりスピーディーの行われ、早く終わるメリットがあるそうです。


 ここまでが毎日の朝の流れです。(この時点で9時ごろ)
その後の活動内容は日によって変わります。
トロール漁や、網の修理、魚の加工などです。

それらの現場をちらっとお見せします。

引き縄釣り漁業(ケンケン漁)

画像11

狙いはシイラやトンボ(ビンチョウマグロ)
この日は残念ながら獲れず...

網修理

画像12

 朝から日が暮れるまで網を直し続けます。この修理している網はゲイトの持つ須賀利の小型定置網です。僕らが行った期間では網が壊れてしまっていたため、一度陸に引き上げて修理していました。

細かい作業のため集中力が必要であり、体制がずっと一緒のため腰が痛くなりました(泣) 
 漁師さんたちは朝9時から17時までこの作業をし続けているそうです。修理にかかった期間はなんと3か月! 
想像するだけでしんどくなる作業です。本当に漁師さんたちすごい…

 網が破れてしまってはもちろん魚が入らないし、汚れていても魚が入りにくくなるそうなので、定期的に海中から引き上げて掃除や修理をするみたいです。


水産加工

画像13


地元の漁師さんがウツボを捌くところ
(こちらは商品ではございません)

仕事内容は、東京の居酒屋でフライとして売るイワシやアジの下処理をしました。頭や内臓を落とし、衣までつけます。その後、東京へ発送し、居酒屋で揚げるだけの状態まで加工します。

 他にも、市場で値段がつかない魚を買い取り加工することで、市場価値を高め、利益を生みしているようです。これも東京に自店舗の居酒屋があるからこそできる強みですね。まさに6次産業化です。
さらに、加工場では地元の住民を雇い、地域に雇用を生み出しているようです。

活動内容は以上です。
内容だけでも長くなってしまいましたね(笑) それだけ濃い生活をしていたということにしときましょう(自己解決)
②ではタイトルになっているインターンをとした学び・考察を書かせていただきます。

ゲイトの6次産業化がなぜここまで成功しているのか?

ゲイトの成功から見える今後の漁村のありかたとは?

自分なりに深く分析しましたので次回も読んでいただけると幸いです。 
すこし固めな内容になりますがご容赦ください(笑)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?