ITライター必須の専門用語【20選】-記事執筆に役立つ用語をITのプロが徹底解説
「クラウドって何?」
「SaaSってよく聞くけど、どういう意味?」
「APIって何の略?」
BtoB/IT分野の記事を書きたいけど、専門用語の多さに戸惑っていませんか?
大丈夫です。最初は誰でも初心者です。私も、最初は専門用語が分からず、苦労した経験があります。
「Webライターの専門性とは?|現役ITライターが解説する市場価値と身につけ方」や「BtoBライターで高単価案件を掴む!【完全版】スキル、単価、始め方」でもお伝えしてきましたが、専門性を高め、高単価案件を獲得するためには、IT分野の知識が非常に重要です。
本記事では、BtoB/ITライターを目指すあなたのために、頻出する専門用語20個を厳選し、エンジニアとしての技術的な知見と、ビジネスの最前線で培った経験を基に、初心者にも分かりやすく徹底解説いたします。
この記事で専門用語の理解を深め、自信を持ってBtoB/IT記事に挑戦しましょう。
本記事で解説する用語一覧:
クラウド
API
SaaS
DX
IoT
AI
ビッグデータ
サーバー
データベース
セキュリティ
ネットワーク
オンプレミス
ハイブリッドクラウド
PaaS
IaaS
コンテナ
DevOps
アジャイル開発
UI/UX
ERP
1. クラウド - 今さら聞けない?ITインフラの主流
「クラウド」とは、インターネット経由で、サーバー、ストレージ、データベース、ネットワーク、ソフトウェアなどのコンピューティングリソースを利用できるサービスのことです。
従来は、企業が自社でサーバーなどのハードウェアを保有し、運用するのが一般的でした(オンプレミス型)。しかし、クラウドの登場により、自社でハードウェアを持たなくても必要な時に必要な分だけ、リソースを利用できるようになりました。
例えるなら、電気や水道のようなものです。 自宅で発電機や井戸を持たなくても、電力会社や水道局から供給される電気や水を利用できますよね。それと同じようにクラウドを利用することで、企業は自社でインフラを構築・運用する手間やコストを削減できます。
主要なクラウドサービス:
AWS (Amazon Web Services)
Microsoft Azure
Google Cloud Platform (GCP)
2. API - 異なるソフトウェアをつなぐ「橋渡し役」
「API」とは、Application Programming Interface(アプリケーション・プログラミング・インターフェース) の略です。異なるソフトウェアやシステムが、互いに情報をやり取りするための「インターフェース(接点)」 を指します。
例えるなら、レストランの「ウェイター」のようなものです。 ウェイターは、客(アプリケーション)の注文(リクエスト)を厨房(別のアプリケーション)に伝え、厨房で作られた料理(レスポンス)を客に届けます。APIも同じように、アプリケーション間のデータのやり取りを仲介します。
APIの活用例:
WebサイトにGoogleマップを埋め込む
TwitterやFacebookなどのSNSと連携する
ECサイトでクレジットカード決済を行う
3. SaaS - ソフトウェアを「所有」から「利用」へ
「SaaS」とは、Software as a Service(サービスとしてのソフトウェア) の略です。ベンダーが提供するソフトウェアを、インターネット経由で利用できるサービスのことです。
従来は、ソフトウェアを利用するためにはパッケージ製品を購入し、自社のサーバーやPCにインストールする必要がありました。しかし、SaaSの登場により、ユーザーはソフトウェアを「所有」するのではなく、「利用」するようになりました。
例えるなら、カーシェアリングのようなものです。 車を所有しなくても、必要な時にだけ車を利用できます。SaaSも同じように、ソフトウェアのインストールやアップデートの手間を省き、常に最新の機能を必要な時に必要な分だけ利用できます。
代表的なSaaS:
Salesforce(顧客管理)
Microsoft 365(オフィススイート)
Google Workspace(グループウェア)
4. DX - デジタル技術でビジネスを変革
「DX」とは、Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション) の略です。デジタル技術を活用して、ビジネスモデルや業務プロセス、組織文化などを変革することを指します。
単なるIT化とは異なり、DXはデジタル技術を前提とした抜本的な変革を意味します。
例えるなら、馬車から自動車への移行のようなものです。 馬車を速く走らせることも改善ですが、自動車は移動手段そのものを大きく変えました。DXも同じように、デジタル技術によってビジネスのあり方を根本から変革することを目指します。
DXの具体例:
AIを活用した顧客対応の自動化
IoTを活用した製造ラインの最適化
クラウドを活用したテレワークの推進
5. IoT - すべてのモノがインターネットにつながる世界
「IoT」とは、Internet of Things(モノのインターネット) の略です。パソコンやスマートフォンだけでなく、あらゆる「モノ」がインターネットに接続され、相互に情報をやり取りする仕組みのことです。
例えば、家電、自動車、工場設備など、様々なモノにセンサーや通信機能が搭載され、インターネット経由でデータを収集・分析・活用できるようになります。
例えるなら、すべてが「スマート化」された世界です。 スマートフォンは電話機能以外にも、インターネットやアプリケーションなど様々な機能を持ちます。同様に、あらゆるモノがインターネットにつながることで、「スマート家電」「スマートシティ」「スマートファクトリー」など、私たちの生活やビジネスがより便利で効率的になります。
IoTの活用例:
製造ラインの稼働状況をリアルタイムに監視し、故障を予知する
自動車の走行データを収集し、安全運転を支援する
家電を遠隔操作し、エネルギー消費を最適化する
6. AI - 人工知能がもたらす新たな可能性
「AI」とは、Artificial Intelligence(人工知能) の略です。人間の知能を、コンピューターで人工的に再現したものを指します。
AIは、大量のデータからパターンを学習し、人間のように推論や判断を行うことができます。近年、機械学習やディープラーニングといった技術の進歩により、AIは急速に発展しています。
AIの活用例:
画像認識による不良品検査の自動化
音声認識によるスマートスピーカーの操作
自然言語処理による問い合わせ対応の自動化
7. ビッグデータ - 大量データの活用がビジネスを変える
「ビッグデータ」とは、従来のデータベース管理システムなどでは記録や保管、解析が難しいような、膨大なデータ群のことです。
単に量が多いだけでなく、様々な種類(Variety)、高い頻度で更新される(Velocity)、価値がある(Value)、そして、正確性(Veracity)が重要なデータであることもビッグデータの特徴です。
これらのデータを分析することで、これまで見えなかった新たな知見を得たり、将来を予測したりすることが可能になります。
ビッグデータの活用例:
顧客の購買履歴を分析し、最適な商品を提案する
Webサイトのアクセスログを分析し、サイトの改善に役立てる
SNSの投稿を分析し、消費者のニーズを把握する
8. サーバー - ネットワーク上の「司令塔」
「サーバー」とは、ネットワーク上のクライアント(ユーザーのPCやスマートフォンなど)に対して、様々なサービスや機能を提供するコンピューターのことです。
例えば、WebサーバーはWebサイトのデータを保管し、ユーザーからのリクエストに応じてWebページを表示します。ファイルサーバーはファイルを保管し、ユーザー間で共有するための機能を提供します。
サーバーの種類:
Webサーバー
メールサーバー
ファイルサーバー
データベースサーバー
9. データベース - 情報を効率的に管理する「倉庫」
「データベース」とは、大量のデータを効率的に管理・活用するための仕組みです。
例えば、顧客情報、商品情報、売上情報など、様々なデータをデータベースに格納することで、必要な情報を素早く検索したり、分析したりすることができます。
例えるなら、巨大な図書館のようなものです。 図書館では大量の本が整理されて保管されており、必要な本をすぐに見つけることができます。データベースも同じように、大量のデータを整理・保管し、必要な情報を効率的に取り出すことができます。
代表的なデータベース管理システム:
Oracle Database
Microsoft SQL Server
MySQL
10. セキュリティ - 情報資産を守るための「砦」
「セキュリティ」とは、情報資産を不正アクセス、情報漏洩、改ざん、破壊などから守ることです。
近年、サイバー攻撃が巧妙化・複雑化しており、企業にとってセキュリティ対策はますます重要になっています。
セキュリティ対策の例:
ファイアウォールの導入
ウイルス対策ソフトの導入
アクセス権限の管理
データの暗号化
11. ネットワーク - 世界をつなぐ「情報ハイウェイ」
「ネットワーク」とは、複数のコンピューターや機器を接続し、相互にデータをやり取りできるようにする仕組みのことです。
最も身近な例は、インターネットです。インターネットは世界中のコンピューターやネットワークを接続した、巨大なネットワークです。
ネットワークの種類:
LAN (Local Area Network): 企業内や家庭内などの限られた範囲のネットワーク
WAN (Wide Area Network): 複数のLANを接続した、広範囲のネットワーク
12. オンプレミス - 自社でシステムを保有・運用する形態
「オンプレミス」とは、自社でサーバーやネットワーク機器などのハードウェアを保有し、自社の施設内にシステムを構築・運用する形態のことです。
クラウドが登場する前は、オンプレミスが主流でした。
オンプレミスのメリット:
セキュリティを自社で管理できる
システムを自由にカスタマイズできる
オンプレミスのデメリット:
初期投資が大きい
運用・保守に手間がかかる
13. ハイブリッドクラウド - クラウドとオンプレミスの「いいとこ取り」
「ハイブリッドクラウド」とは、パブリッククラウドとプライベートクラウド、またはパブリッククラウドとオンプレミスを組み合わせて利用する形態のことです。
例えば、機密性の高いデータはオンプレミスで管理し、それ以外のデータはパブリッククラウドで管理する、といった使い方ができます。
ハイブリッドクラウドのメリット:
セキュリティとコストのバランスを取ることができる
状況に応じて柔軟にリソースを拡張・縮小できる
14. PaaS - アプリケーション開発のための「土台」
「PaaS」とは、Platform as a Service(サービスとしてのプラットフォーム) の略です。アプリケーションを開発・実行するための「プラットフォーム」を、インターネット経由で利用できるサービスのことです。
PaaSを利用することで、開発者はインフラの構築・運用に手間をかけることなく、アプリケーションの開発に集中できます。
PaaSの具体例:
Google App Engine
Microsoft Azure App Service
15. IaaS - インフラを「必要な時に」「必要なだけ」
「IaaS」とは、Infrastructure as a Service(サービスとしてのインフラ) の略です。サーバー、ストレージ、ネットワークなどのインフラをインターネット経由で利用できるサービスのことです。
IaaSを利用することで、企業は自社でインフラを構築・運用する手間やコストを削減できます。
IaaSの具体例:
Amazon EC2
Microsoft Azure Virtual Machines
16. コンテナ - アプリケーションの実行環境を「パッケージ化」
「コンテナ」とは、アプリケーションとその実行環境を一つのパッケージにまとめたものです。
コンテナを利用することで、アプリケーションを異なる環境でも、容易にかつ確実に動作させることができます。
コンテナ技術の代表例:
Docker
Kubernetes
17. DevOps - 開発と運用が「一体化」した開発手法
「DevOps」とは、Development(開発)とOperations(運用)を組み合わせた言葉です。開発チームと運用チームが密接に連携し、ソフトウェアの開発・リリース・運用を迅速かつ効率的に行うための開発手法を指します。
DevOpsでは、自動化ツールを活用することで、開発プロセスの効率化を図ります。
18. アジャイル開発 - 「素早く」「柔軟に」開発する手法
「アジャイル開発」とは、ソフトウェア開発において、「迅速かつ柔軟」に開発を進めるための開発手法の総称です。
従来の開発手法(ウォーターフォール型)では、最初に詳細な計画を立て、その計画に従って開発を進めていました。しかし、アジャイル開発では、小さな単位で計画・開発・テストを繰り返し、仕様変更などに柔軟に対応します。
19. UI/UX - 使いやすさとユーザー体験を追求する
「UI」とは、User Interface(ユーザーインターフェース) の略で、ユーザーと製品やサービスとの「接点」 を指します。具体的には、Webサイトのデザインやボタンの配置などです。
「UX」とは、User Experience(ユーザーエクスペリエンス) の略で、ユーザーが製品やサービスを通じて得る「体験」 を指します。例えば、Webサイトの使いやすさやアプリの操作性などです。
優れたUI/UXはユーザー満足度を高め、製品やサービスの利用率向上に繋がります。
20. ERP - 企業の基幹業務を支えるシステム
「ERP」とは、Enterprise Resource Planning(企業資源計画) の略です。企業の基幹業務(会計、人事、生産、販売など)を統合的に管理し、業務の効率化や経営の意思決定を支援するシステムのことです。
ERPを導入することで企業は業務プロセスを標準化し、リアルタイムに経営情報を把握できるようになります。
代表的なERPパッケージ:
SAP ERP
Oracle E-Business Suite
まとめ
本記事では、BtoB/ITライターを目指す方に向けて、頻出する専門用語を解説しました。これらの用語を理解することは、IT記事執筆の第一歩となります。
しかし、用語を覚えるだけでは十分ではありません。「【必読】BtoBマーケティング初心者必見|CV率を3倍にした具体的な実践手法」でもお伝えしたように、常に最新の技術トレンドをキャッチアップし、情報の正確性を担保する努力を怠らないことが重要です。
本記事で解説した内容を参考に、積極的に情報収集を行い継続的に学習を続け、IT記事執筆のスキルを向上させていきましょう。
実際に記事を書きフィードバックを得ることで、ライティングスキルは確実に向上していくはずです。
このNote記事が読者の皆様にとって、有益な情報源となることを願っております。