
キャリア研修のマンネリから脱出!越境学習という答え
「キャリア研修はずっとやっているんです。でも、社員がどう変わったかと言われると…。」
「研修は『良かった』と評価されても、現場に戻るとそのまま。」
このような声を聞いたことがあるなら、それはあなただけではありません。多くの人事担当者が、同じ壁にぶつかっています。研修のアンケート結果は悪くない。それでも、行動に結びつかない。これがキャリア研修の大きな課題です。
実は、社員にとっても同じことが言えます。ある50代の社員がこんなふうに話してくれました。
「自分のスキルを振り返ったり、キャリアを考えたりする時間は貴重でした。でも、いざ職場に戻ると、何から始めたらいいか分からなくなるんです。」
行動に移せない原因。それは、研修の内容ではなく、環境が変わらないことにあります。
なぜ会議室では社員の行動が変わらないのか
同じ会議室、同じ顔ぶれ、同じ会社の論理。ここでは「新しい視点」や「本気の行動」を引き出すのは難しいのです。社員は「変わらなければならない」とは感じても、「どう変わればいいか」を掴むことができません。
越境学習に参加したある社員が振り返ります。
「職場の外に出たことがなかったので、自分の『当たり前』がすごく狭いことに気づきました。他の人がどう考えているかなんて、全然知らなかったんです。」
外の世界を知らなければ、自分の可能性にも気づけません。変化を生むには、違う環境に身を置くことが必要なのです。
越境学習が提供する「新しい空気」
越境学習の本質は、社員を日常から引き離し、全く異なる環境で新しい価値観や働き方に触れさせることです。これにより、社員は自分が信じていた「当たり前」を揺さぶられます。
例えば、45歳の社員が越境学習で体験したのは、「挑戦することが当たり前」の空気でした。
「自分より少し年上の人たちが、新しい仕事に挑んで楽しそうにしている姿を見て、最初は嫉妬しました。でも、それと同時に『自分もやれるかもしれない』と思えたんです。」
こうした経験が、社員を新しい行動に駆り立てます。
越境学習が生んだ変化――具体的な事例
事例1: 神主への転身を決意した40代女性
全く異なる業界で働いていた彼女が、越境学習で神社を訪れたのは偶然でした。しかし、その体験が彼女の人生を大きく変えました。
「神社の仕事なんて考えたこともなかったけど、実際に現場を見て、『この仕事がしたい』と強く思ったんです。」
その後、彼女は神主になるために、わざわざ大学に編入し、資格を取得。現在では地域の神社で、新しいキャリアを歩んでいます。
事例2: 自分のスキルを再評価した50代社員
「自分は現職以外できない」と感じていた彼は、越境学習で全く新しい場に飛び込むことで、自分のスキルがまだ役立つことに気づきました。
「越境先で少しアドバイスしたら、それが場の解決策になったんです。その時、自分もまだやれることがあるんだと実感しました。」
その後、彼は訪問先の仕事をボランティアで手伝い始め、今では副業として現職とダブルワークで活躍しています。
事例3: 現職への納得感を得た社員たち
意外にも、越境学習で一番多く見られるのが「現職の魅力を再発見する」という変化です。
「外の世界を知ったからこそ、自分の職場の良さが分かりました。今まで当たり前だと思っていた環境が、実はすごく恵まれていたんだなと気づけました。」
日本人が初めて海外旅行に出かけると、今まで意識しなかった日本の魅力に気がつくようにななったり、自分が日本人であることを強く認識するようになったりしますが、まさにこのような気づきは、会社で起こります。結果、社員の働き方やモチベーションを大きく変えるきっかけになります。
越境学習が提供する3つの価値
越境学習がキャリア研修と異なるのは、その「実感」と「行動」に直結するところです。
「違う空気」に触れることで新しい視点を得る
会議室では得られない「外の世界」の刺激が、社員の視野を広げます。変化を「楽しい」と感じさせる
「挑戦が怖い」ではなく、「挑戦してみたい」と思わせる空気が、自然な行動を促します。現職への納得感を高める
キャリアチェンジだけではなく、現職でのモチベーション向上にもつながります。
会議室を飛び出し、社員を動かそう
会議室でのキャリア研修を続けても、行動が変わらないなら、それはただの「学び」に留まっています。越境学習は、社員が自分の可能性に気づき、行動するきっかけを提供します。そして、それがチームや組織全体に波及するのです。
最後に、越境学習に参加したある社員の言葉をお伝えします。
「研修だけでは得られない実感が、越境学習にはあります。自分がどう変わりたいのかが、自然と見えてくるんです。」
越境学習は、あなたの会社の未来を切り開く一歩となるでしょう。まずは、会議室を飛び出してみませんか?
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