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大学教員になった経緯の、個人的な振り返り

先月は大学の同期、先日は上阪徹ブックライター塾の卒塾生・同期と会う機会がありました。その際に聞かれたのが
「どうして、大学で教えることになったの?」
ということ。
そこで、改めて自分が大学で授業を持つようになったきっかけなどについて振り返ってみようと思います。図書館司書のセカンドキャリアの例として、参考になればうれしいです。



大学教員になったのは、人の縁

現在、都内某私立大学の司書課程の授業を1コマを担当しています(授業は前期のみ)。身分は非常勤講師です。

私が大学教員になったのは、大学教員をしている先輩職員からの紹介がきっかけです。
「自分が定年になるので、後任にどうか」
と声をかけてもらいました。(現在、私が教員をしている大学で、非常勤講師として授業を持っていました。)
私が内諾した後、大学で司書課程担当の教員の方などと面談し、大学の書類審査を経て、非常勤講師として採用となりました。書類審査の際は、履歴書のほか、図書館司書時代に書いた雑誌論文のコピーなども提出しています。

現在は年度ごとに大学と雇用契約を結んでいて、今年で4年目です。


実務家教員とは?

私は、図書館司書30年のキャリアを生かした実務家教員になります。

実務家教員について、「専攻分野における概ね5年以上の実務の経験を有し、かつ高度の実務の能力を有する者」と文部科学省は定義しています。
司書課程の教員には、大学院に行って図書館を研究して教員になった方もいますが、私のように図書館に長年勤めて、退職後に大学教員になった、という方も一定数いるように思います。
現役の図書館司書が副業として大学教員をしている方もいますが、公務員の場合、副業ができない場合もあります。

ただ、実際に大学で教えていて、「図書館に長く勤務しました」だけで大学教員になるのは厳しいかもしれない、とも思っています。
司書資格取得のために大学において履修すべき図書館に関する科目一覧」を見ると、司書課程の科目によって、図書館に対する幅広い知識が求められる科目もあれば、児童サービスなど、より深い専門知識が求められる科目もあることがわかります。もちろん、図書館関係、図書館を取り巻く状況関係など、情報のアップデートも欠かせません。

講義形式の場合、資料の見せ方や説明のしかたも大事です。
私自身、図書館員時代に研修の講師をしたり、館内見学の説明をしたりなど、人前で話す機会があった経験は役に立っています。


授業1コマとはいえ、作業量は多いかも?

私の場合、授業は前期のみで週1コマ。105分(全13回)の授業を担当しています。授業の資料を作ったり、課題を設定したりの授業の準備がありますし、授業が終わってからもレポートの採点などもあるので、結構大変です。

もちろん、受講者数や授業の方式なども影響します。
私は講義形式の授業で、受講者数は30~40人くらい。一番多い年は受講者が50人以上いたので、レポートの採点が大変でした……。

ただ、授業の担当することは自分自身の学びになるし、資料の作り方とか、説明の仕方の訓練にもなっていると考えるようにしています。

図書館司書として働いている人は、人前で話すことを苦手と思っている人が意外と多いかもしれません。私も苦手ですが、人前で話す、教えるは、回数をこなして慣れるしかないと思います。


大学教員に関心のある方へ

将来、「自分のキャリアを生かして、大学教員(司書課程を担当する教員)になりたい」という思っている方は、

  • 自分の担当業務だけではなく、図書館業務全般に対する知識を身につける。

  • 雑誌論文を書く、本を執筆する(分担執筆でも良い)、研究会などで発表するなどの実績を作っておく。

ことをしておいた方が良いと思います。
そして、「人の縁」も大事です。

ただ、
・今後、学生数の減少が見込まれること
・これにより、大学の定員割れや廃校の可能性があること
などから、大学の司書課程の廃止もあるかもしれません。そうなると、司書課程の実務家教員になりたくてもポストがない、という可能性もあります。

ただ、図書館司書課程の授業を通じて、図書館の中で学んだことを、これから図書館で働きたいと考えている学生さんたちに知ってもらえる機会でもあると思います。「図書館の中の人卒業後のキャリアとしてチャレンジしてみるのもあり」ではないでしょうか。

大学教員の公募も行われているようです。



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