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2024年夏の終わりの金沢ひとり旅(その5):金沢で、図書館について考えた

2024年8月、「石川県立図書館を見に行かなくては!」と突然思い立ち、金沢旅行を計画しました。2泊3日の金沢ひとり旅。
現在11月で、旅行からたいぶ経ってしまいましたが、次回の参考として、旅行でのさまざまな気づきをメモとして残しています。


ユニークな建物の図書館

今回の金沢旅行で「行こう」と決めていた金沢海みらい図書館にも行ってきました。

平成23(2011)年に金沢市の4番目の図書館としてオープンした金沢海みらい図書館。外壁に約六千個の丸窓を配置するなど、斬新な建物デザインでも話題となりました。ただ、デザイン優先の図書館は、図書館の中の人にとっては使いづらいこともあり……。
「利用者にとって、中で働く人にとって、どんな図書館なのだろう?」とずっと気になっていて、実際に自分で見て確認をしたいと思っていました。オープンして10年以上経ちますが、2024年の夏、ようやく目的を果たすことができました。

金沢駅からは、徒歩7分くらいのところにある中橋バス停から、バスで20分くらいかかります。
バス通りから少し中に入りますが、芝生広場の中に白い箱のような建物があるので、遠くからも目立ちます。ただし、芝生は夏の暑さのためか、ところどころ夏枯れ状態だったように思います。

金沢海みらい図書館の外観

建物の外壁一面に並ぶ水玉模様は約6000個の丸い窓で、自然光を館内へ採り入れる役目もあります。
中に入ると、大きな吹け抜けのある、モダンな印象の図書館でした。書架はスチール製で、各書架の上に照明が設置されています。


掲示物が気になる?

建物や館内の照明、書架、閲覧机などのインテリア類も特徴があってユニークだと思いますが、図書館としてはわりとオーソドックスな印象でした。

一方で、見学しながら少し居心地の悪さのようなものを感じました。
その原因は、「写真撮影禁止」「飲食禁止」「図書館の資料を利用しない座席の利用禁止」と、禁止事項の案内が目立っていたからだと思います。(私が気になっただけで、気にならない人もいると思いますが……。)

金沢海みらい図書館は、オープン直後、とても話題になったので、見学者も多く、おそらく、いろいろなトラブルや対応に困ることがあった結果、掲示をして対応しているのだと思います。ただ、貼り紙などの掲示類が多すぎるのは見た目に美しくないし、何よりもモダンな図書館の印象を壊してしまっているように感じました。
外にあった図書館の案内も、経年劣化したままだったのが残念でした。


地域資料は充実しています

評価できる点は、3階の「地域情報フロア」にある地域資料の充実度です。

金沢海みらい図書館周辺の地域は、藩政期に北前船の寄港地であったほか、醤油や機械工業などのものづくりが盛んだった土地だったそうです。そのため、「海」、大野醤油や機械工業などの「ものづくり」に関する資料を積極的に収集しているそうです。実際に書架を見て、地域に関する幅広い資料があることがわかります。保護のため、封筒にいれられて書架に並べられていた古い資料もありました。

私が滞在中に「地域情報フロア」を利用していた人はいなかったのですが、その分、じっくりと見学をすることができました。


図書館の居心地の良さも重要では?

今回の金沢旅行では、石川県立図書館と金沢海みらい図書館を見学することを目的にしていました。2つの図書館を見学して、元図書館司書で、現在は図書館の利用者の自分が「図書館に求めていることが何か」を確認することができたように思います。
その1つが「居心地の良さ」です。
石川県立図書館は、見学者にも優しい居心地の良さがあったのに対し、金沢海みらい図書館は、見学者にはあまり居心地が良くなかった印象があります。(あくまでも、私の主観です。)

もちろん、それぞれの図書館の利用者視点で見ると、評価は変わってくるかもしれません。金沢海みらい図書館を訪問したのは平日の午後でしたが、利用者は多かったように思います。

「百聞は一見に如かず」と言いますが、今回の金沢旅行で、気になっていたいた図書館を訪問し、自分で見て確認することができて良かったと思っています。

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