思ってたんと違う!!(子育て編)/CAP松村
ツバメルーフの話題で多いのは教育のこと。
ものを作る人が周りに多いのもあって、想像力や自主性を欠く今の授業のあり方はどうなん?とか、こんなに世の中は進んでるのに教育が時代遅れやな、とか。
いま、ネットや新聞や本でよく見聞きする内容です。
そして、ツバメルーフの周りには、びっくりするくらい不登校児が多い。不登校がスタンダードになりつつあり、「え?〇〇さんのお子さん普通に学校行ってるの?珍しー!」って冗談になるくらいの割合。
どないなっとんねん学校!って話になり、一周まわって、学校やからしゃーないか。ってことで落ち着く。
期待するには学校もカツカツすぎて大変そう。
それに、不登校は吹っ切れるとそれはそれで結構楽しい。
プチ不登校からがっつり不登校まで幅はあるし、理由も子供によって違う。
子供に耳を傾けると、そりゃそうや!子どもに問題はまったくない。ということがわかる。かといって、もちろん学校だけが悪いわけでもないのだけれど。子供がいきいきする環境を提供できない大人に責任があるように思う。
すべての不登校児に共通することは、何らかのストレスが過大にかかっていること。
それは親も本人さえも気付かないことがあって、ある日、青天の霹靂ということも多いみたい。
子供が不登校になると、学校の集団主義の弊害や、時代錯誤や理不尽さにも気付かされ、子どもの感性は素直やなぁと感心する。さらに、人によって感じ方がこんなに大きく違うのか!と新鮮な発見もあった。
本来の教育って好奇心を育むものなのに、潰してどうするねん。子どもにストレスをかけることが教育ではないやろうに、とも思う。
思ってたのと違う!っていうのは、子供というより、学校教育の方。
時代にあった、行きたくなる学校にしてほしい。
同時に、子供を迷子にしないよう不登校児の制度も整えてほしい。
がっつり不登校児は私の娘のこと。
そういえば、子供たちが小さい時、学資保険に入った。少額だけど。
私のことになるが、大学に行きたかったのに経済的理由で短大しか行けず悔しい思いをした。(芸術系の大学は学費も高い)
就職氷河期も重なり、卒業後は建築事務所でアルバイトをして、そのお金で上海に留学をした。といっても、中国語はニイハオしか知らなかったので、授業はわからず退屈。すぐに学校を飛び出し中国内を旅行したあと、そのままバックパッカーとして色んな国をまわった。
せっかくの短大、そして就職氷河期、どうせだったら他の大学生とは違う2年間を送ろうと、負け惜しみ的で場当たり的な行動だった。
それはそれですごく楽しかったけど、やっぱり大学には行きたかったし、もっと知りたい事もあった。(今考えたらどこでも勉強はできるけど)
きっと、私の子どもたちも大学に行きたいはず!と、生まれてすぐに迷わずに学資保険に入った。
それから10年後、娘は小4で学校をやめた。学校は牢屋のように感じたらしい。
現在中1の彼女は、デモクラティックスクールというフリースクールに通って、毎日を楽しそうに過ごしている。
そして、彼女が学校をやめた3年後、今度は息子が高校行くのがアホらしい、と言い出した。
「先生の言うとおりに動いて、やりたくないことを繰り返し、理不尽な同調圧力でつまらない価値観に振り回されている。この状況に腹が立ってきた。おれの妹は偉いと思う。」そう言って、1年生の一学期で未練もなくさっさと辞めてしまった。
今は心斎橋のドルチェ&ガッバーナの上にあるS高に機嫌よく通っている。
ん?大阪では高校って私立も無償なのに、S高は対象外なの?
娘の通うスクールには公的な補助は一切ないの?
うそやーん!!大学に行く前にこんなにお金がかかるなんて、思ってたのと違う!!
せめて義務教育期間くらいは、公的機関が受け皿になってほしいし、それが無理なら補助制度がほしい。大阪府の高校無償化は他県(に本校がある)高校も対象にしてほしい。
こんなに子どもを迷子にしているのは行政の対応不足だと思う。ふたりとも、比較的高額なお金を支払わないと行く場所がない。
そしてそして、我が家の子どもたちは、大学なんか行きたくなーい、と口をそろえる。
ほえー!私はあんなに行きたかったのに!
疑わずに入った学資保険は途中でやめにくいシステムで、いまもかつかつな中で支払いは続く。当時の私に教えてあげたい。「張り切って入ってますけど、あんさんのお子さんたちには不要でっせ」って。
(勝手に)思い描いていた子どもたちの道。
思ってたのとなかなか違う。
時代も違うし、人もそれぞれ。
これからは既存に合わせるのではなく、あなた達が作っていく時代です。間違いない。
それに予測不能がおもしろい。
学資保険が出たら、ぱーっと海外旅行にでも行こうかな。そのえさんがいうには、アリゾナでカミナリが見られるらしいし、ニューヨークで美術館巡りも楽しそう。バックパッカーで訪れた街を再び巡るのもいいな。
夢はふくらむ。むふふ。
気が変わって大学にやっぱり行きたいとか、まさかまさか言いませんように!