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ツバメroofルイヴィトンへいく/石井


先日私たち、ツバメroofの3人は遠足という名目で大阪市内に行った。

まず最初に、中之島美術館内にあるギャラリーショップへ。11土designが手がけたアルミさしが展示されているのだが、有り難い事に好評の為、納品に行った。

担当の方と少し談笑してから、展示会中の
「デザインに恋したアート♡アートに嫉妬したデザイン」をぐるりと楽しく鑑賞。


次に心斎橋へ向かう。
「ルイヴィトン」の5階にてジャコメッティの展示会が開催中とのことで、ウキウキしながら歩く。1階店舗の自動ドアが素敵に開き、1歩、2歩、3歩は進んだだろうか、ルイヴィトンの香水の香りに少し高揚し始めた頃、黒づくめの男性スタッフ4人に、前面と背後から挟まれる様にスッと囲まれた。

「お客様 お探し物は どういったものでしょうか?」
「あ、あのここで、ジャコメッティ展があると聞きまして」と
いつもより丁寧なトーンで愛子さんが答える。
「それでしたら、こちらからお入りいただけます。ご案内いたします。」
とそこにいた、一番若くてすらりとした男の子が、今しがたくぐったドアの外で上品に微笑んで、手はどうぞ(外へ)と促している。

私達が許されたのは、3歩、30秒ルイヴィトンにいる事だけ。
そして鮮やかな連携プレーで見事につまみだされて、店外にあるエレベーターへと案内された。
やたら姿勢のいい、少し長髪で黒髪のその青年は降りる階のボタンまで押してにっこり笑顔で見送ってくれた。

エレベーター内に少し青年の香水が漂う。それが行くべき場所ではなかったとそっと教えてくれているようだった。それにしても、失礼のない風に丁寧に対応されたあの態度は、やっぱり失礼にあたると思う。慇懃無礼ってやつだ。

その後ジャコメッティを思いっきり堪能して、階下のルイヴィトンのカフェにも行った。
そこには、おそらくさっきの私達みたいに追い出されないであろう、ご婦人達やご夫婦がお食事をお優雅にお楽しまれるお姿があった。

3500円のズワイガニのスパゲッティを食べて、カフェをあとにした。

3500円

御堂筋を歩きながら「ヒエラルキーを感じたな」とそのえさんがつぶやいた。
そのつぶやきを聞きながら、たくさんアジア系の旅行者がブランド店の紙袋を持って歩く姿が視界に入る。

そういえば、ルイヴィトンカフェで支払ってくれたそのえさんのカバンから出てきたお金が、ルイヴィトンの財布でもなくグッチでもなくJA(南大阪農協)のクタクタの封筒からだった事はご愛敬。

つまみ出される愛子さん


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