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『Au オードリー・タン天才IT相7つの顔』書評

『Au オードリー・タン天才IT相7つの顔』アイリス・チュウ・鄭仲嵐著
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今週、自分の作っているニュース教材で取り上げた、台湾のIT大臣オードリー・タンさんの伝記を読みました。

19歳で起業し、シリコンバレーでAppleの顧問を務め、35歳で大臣に起用されたプログラミングの天才タンさんは、コンピューターだけでなく「人を動かす」天才だと判明。
例えば2017年、台湾で「ネットで確定申告がしにくい」と苦情がネットにあふれました。タン大臣は、一番強烈に批判していた人たちを財政部に招き、ソフトにどんな問題があるかを一緒に洗い、問題解決しました。
タン大臣いわく、「一番文句の多い人は、その問題については政府よりもプロ。彼らの意見を取り入れ、政府はより良いサービスを提供します」…彼の目指しているのは、情報の可視化・共有。そして政府と国民のコラボレーションです。

「自分と異なる意見を徹底的に叩くのでなく、相手の立場を深く知り、その立場から別の人と議論できるほど全面的にその考えを理解する」…これこそがディベートの極意だと、英語通訳者で講師の松本道弘先生がおっしゃっていましたが、タン大臣も全く同じことをおっしゃっているのです。

世代間でdigital divideが起こっていますが、「お年寄りの方がIT機器を使いこなせるように、使い方のシンプルなものを作るのが、私達の使命です」と、どこかインタビューで言っているのも聞きました。ITを使ってますます効率的な民主主義を実現すること。
本を読んで「あぁ、すごかった」で終わらせたくないので、じっくり読んで、自分が真似・適用できることを考えたいと思う一冊でした。
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