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Savage GardenのボーカルDarrenの自伝

📕 “Unlovable”: The book is my best for this year
先週からハマっていて、今年のベストになりそうな本を、紹介させてください✨
この本は、オーストラリアの音楽グループSavage Gardenの歌手Darren Hayesの自伝です。

📕“Unlovable” Darren Hayes  https://amzn.asia/d/cb1hwGA

大学時代、私はSavage Gardenが大好きでした。
彼らはDarren(ボーカル)とDaniel(ギター)によるユニットです。

Darrenは美しい歌声の持ち主。
また、彼は文学青年で、哲学的な歌詞を書く人です。
(※グループ名Savage Garden(野蛮の園)は、二人の好きなAnne Riceの小説から引用したそうです)

彼は、どんな素敵な幼少時代を送ったのだろう…とワクワクしながら、オーディオブックを聴き始めました。

本当は紙の本を読みたかったのですが、
日本のアマゾンでは紙の本は発売していませんでした。
しかたなくオーディオブックをダウンロードしました。

しかし、オーディオブックにして、大正解でした。
Darren本人が朗読しているからです。

あの “Truly Madly Deeply”の美声の持ち主が、
美しいAustralian(British) accentで朗読してくれ、しかも、演技派!
(Darrenは、スターウォーズのYodaの物まねが上手!)

♬Truly Madly Deeply (アメリカで数週連続1位に輝いた名曲)
https://www.youtube.com/watch?v=WQnAxOQxQIU

なんて贅沢なオーディオブックなのでしょう!
しかし、第1章の時点で、とんでもないことが発覚しました。

Darrenが小さいころ、彼の父親は家族に暴力をふるい、
Darrenの大好きなお母さんを虐待し、
彼は子供部屋に隠れて、泣きながら
「お母さんを守れない弱い自分」を責め続けていました。
お兄さんとお姉さんは、父親の暴力から、末っ子のDarrenを、
必死にかばってくれました。

ある日、暴力に耐えきれなくなったお母さんは、
3人の子供を連れて、家の近くのホテルに避難します。
そのホテルには・・・“Two beds and a coffee machine”がありました。

私はそこで、耐えきれなくなって泣いてしまいました。
Savage Gardenが大好きな人は、みんな、泣いてしまうのではないでしょうか?

“Two beds and a coffee machine”は、彼らの名曲の1つです。
https://www.youtube.com/watch?v=blybwDEXNPI

Savage Gardenのほとんどの歌は、ラブソングや、人生の哲学についてです。

ところが、2枚目のアルバム “Affirmation”の中に、
1曲だけ、domestic violence(家庭内暴力)の歌がありました。

私は2001年、母と一緒にSavage Gardenのコンサートに行きましたが
(母も “Truly Madly Deeply”が大好きなのです)
“Two beds and coffee machine”の演奏がありました。
真っ暗になった神奈川県民ホールで、スポットライトを浴びて歌うDarrenの歌声が、
途中から涙声でふるえていたことを、今でも覚えています。

まさかこの曲が、彼自身の子供の頃の実話だったなんて、
あの頃は知りませんでした。

※一昨日、オーストラリア人の友人(香港在住)にも聞きましたが、
「あら!彼が本を出しているなんて、知らなかったわ!」
という返事が返ってきました。
彼女が高校生時代にも、Savage Gardenは大人気だったそうです^^
ちなみにSavage Gardenはシドニーオリンピックの開会式で歌っています。

♬オリンピックの動画ではありませんが、
彼らが歌った曲Affirmation
https://www.youtube.com/watch?v=ZY5JXcS32pA

お母さんと、Darren, お兄さんのPeter, お姉さんのTraceyは
父親の暴力から逃れるために家を出て、トレイラーハウスで暮らし始めます。

彼らに、ついに平和な暮らしがやってきたかのように見えました。

しかしDarrenには、もう一つの悩みがありました。
彼は、子供の頃「自分はゲイ」だと気づきます。

当時(1980年代)のオーストラリアでは、ゲイは、ほぼ「犯罪」と同義で、差別の対象でした。
Darrenは「自分は他の子と違う」という悩みに、ずっと苦しんでいました…。

私はまだ、この本を数章しか読んでいませんが(多分20%くらいしか聴いていないと思います)
本を読んで、すでに多くのことを悟りました。

Darrenが素晴らしいアーティストであり、素晴らしい歌詞を書けるのは、
子供の頃の苦労があったからなのだと。

そして、この本には、彼の苦しみや悲しみだけではなく、
キラキラした子供時代の思い出も、たくさん書かれています。

Darrenがスターウォーズが大好きで、
子供の頃、スターウォーズのおもちゃで遊んでいたこと、
マイケルジャクソンやマドンナのビデオを見て、音楽スターに憧れていたこと。

シングルマザーとして、苦しい生活の中、
一生懸命働いて、子供たちを愛してくれた、優しいお母さん。

Darrenが「ハロウィーンで、ワンダーウォマンの衣装を着たい!」と言っても、変な目で見つめず、
息子の意思を尊重してくれた、お母さん。

最近のDarrenは、ソロでアルバムを出す以外に、
LGBTQの人々の権利のために活動していました。
トランプさんが大統領だったころは、
トランプさんの差別発言に対して抗議の声を上げていたように記憶しています。

本を読み始めてから、久しぶりにSavage Gardenの曲を聴き直すようになりました。

私自身も、時々、趣味で曲を作りますが
去年、夫と一緒に演奏したオリジナル曲は、
どう考えてもSavage Garden節(ぶし)で、
自分がSavage Gardenにどんなに音楽的な影響を受けているか、改めて感じました。

♬Darcy (椿由紀作詞作曲/夫がギターを弾いてくれました)
サビがSavage Garden節です


本当に良い音楽というのは、人生で何度も何度も出会い、
何度も何度も心を救われるのだと思います。
今このタイミングで、Darrenの自伝に出会えたことを、人生の財産だと思います。

普段、先が気になって、倍速で聴いてしまうことがありますが、
この本は音読が美声ですばらしいので、
大切に味わいながら聴いていきたいと思います✨

#SavageGarden

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