詩集『ハル 哲学する犬』感想文
詩集『ハル』クォン・デヴォン著 蓮池薫訳
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横田滋さんが亡くなったニュースについて
拉致被害者の蓮池薫さんが
「愛の人でした。娘さんが帰ってこないのに、僕を温かく迎えてくれました」
と語っていらっしゃいました。
本当に悲しくて、言葉が見つからず、本棚のこの本…蓮池さんが翻訳した韓国の詩集『ハル』を、久しぶりに手に取って読みました。
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1日に一度だけでも、少しの間その場に立ち止まってみませんか?
みんな忙しすぎるのです。立ち止まってこそ、幸せになれるのです。
ながい歳月、おなじところに根を張る木が
ますます緑に映え、美しくなるのとおなじように。(「立ち止まってこそ幸せになれる」)
↑「夕暮れの海辺」
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何億年という単位の宇宙の年齢からすると
100年にも満たないひとの人生なんて
蜻蛉(かげろう)の1日のようなものかもしれません
でも、1日の命しかない蜻蛉にとっては
この1日だって、とても尊いものでしょう
(「蜻蛉の1日」)
↑「思い出」
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蓮池さんは、北朝鮮に拉致されて失ってしまった23年間を取り戻すため、がむしゃらに生きていた時期があったし、
「どうして自分だけこんな不幸な目に会うんだ?」
と、怒りと悲しみで、辛い思いをしたそうです。
そんな時、この詩集に出会って救われて、
翻訳したいと心から思い、だからこの詩集が出版されました。
犬のハル(韓国語で「1日」という意味)が、美しい景色の中で、愛や時間や大切な人について話してくれる、とても素敵な詩集です。
愛の人、横田滋さんに、祈りを捧げます。
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