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世界の果ての通学路とJAM

先日、歯医者に行った。
待合室に置かれたテレビで流れていたのは夕方のニュース番組で、子供が通学途中に交通事故に遭い亡くなったという痛ましい事件が伝えられていた。
親御さんの気持ちを考えるとやりきれない。

歯医者からの帰り道、ふと頭をよぎったのは、数年前にサブスクで見た映画「世界の果ての通学路」のワンシーンだった。

毎日2時間かけて学校に通うケニアの兄妹。
早朝、家族で朝食をとる場面で、父親が「象を避けるためには?」と息子に問いかける。息子は「高台から、象の群がいるところを確認する」と答える。
朝食を終えると、父親は祈る。

「神様。子供達が無事に学校に着くように。そして無事に帰ってくるように」

この父親の祈りは、子供達が通う道(サバンナ)を思えば、紛れもない真実であり、今日も無事に帰ってくることを心の底から願っているに違いない。

でも、子供達を自分の手元にずっと置いておくことはできない。危険な世界でも送り出す。自分よりも長く生きるであろう彼らが生きていくために必要だから。

この祈りが、人の世の真理というのか、揺るぎなく、とてつもなく尊いものに感じた事を思い出したのだった。


まだ帰り道の途中。子供達との日常を思い出す。

前日の夜、小学1年生の息子は、ツボにはまる笑いに巡りあった。涙を流して笑っている。
何がそこまで可笑しかったの?と聞いた。

「トイレットペーパーつかいおわったら、芯に『毎度ありがとうございます』って書いてある!!😂😂😂笑」

あー!なるほど…。母さんは大人になってしまって、そのことではもう笑えないけど、
でも、わかるよ。すごく。その感覚は。
そういうの面白いなって思う感じ、覚えている。その感性を大事にして欲しい。

そこまで思いを巡らせて、思ったのは

「あぁ、JAMだなぁ」

JAMは、皆さんご存知THE YELLOW MONKEYSの曲です。

"外国で飛行機が墜ちました 
ニュースキャスターは嬉しそうに
「乗客に日本人はいませんでした」
「いませんでした」
「いませんでした」"
という歌詞が出てくるあの曲です。

JAMの歌詞には、色々な感情、人物、生死を思わせる言葉が出てきて、ごちゃ混ぜな世の中の様相を感じさせる。

私が帰り道で考えた、悲しいこと、大変なこと、取るに足らないことは、全部ごちゃ混ぜの世界の一部だ。

最近、神社に敷かれた玉砂利を見たときも、同じことを思った。混然一体となった世の中みたいだなと。

去年までは、世界をこんなふうには捉えていなかった。仏教や哲学を学んで本当に変わったと思う。その話はまた別の機会に。

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