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かんたんマーケ⑳ マーケティングオートメーションのロジック

マルケトをはじめとして、マーケティングオートメーション全盛です。

MA(マーケティングオートメーション)を導入すれば、「個別化アプローチ」が可能になる、「従来型マスアプローチから脱皮」できる、「顧客のライフタイムバリューを最大化」できる、「バリュープロポジション」を改善できる、など、魔法の杖のよう。

本当??でしょうか?

実は、MAに入っている思考原理は、90年代のOSが搭載されているようなものが多いです。オールドスタイルの “Behavior Changeモデル” 。AIDMAモデル、AISASモデル、そのちょっと手を加えた変形バージョンなど、アルファベット5文字系。

MA搭載されているOSは、下のような仕組み。

ボトルネットを数値化して、資源投下を個別化するという原理原則で、それは90年代初頭のマーケティングメソッドとまったく一緒です。パーチャス・ファネル、アダプション・ファネルと呼ばれています。

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搭載OSが古いママで、複雑化した顧客の行動変容や購買導線がきちんと設計できるでしょうか?そもそも、私達は、そんな直線的な行動や思考をしますか?

ある人が推薦したものを直感的にすぐ購入したり、同調圧力で外出を控えてみたり。韓流ブームに逆張りしたり、ある日突然、雷に打たれたようにブランドやプロジェクトの熱狂的ファンになって、即日寄付したり。

もはや、オールドスタイルの「ちんたらビヘービア」をすることはありません。人間的本質や可能性、不条理やセレンディピティを排除するようなMA設計やアプロ―チは、インサイト深堀や経験価値改善にはつながりません。エクストリームユーザーを観察した方が、まだ有意義でしょう。

少数のロイヤルユーザーが、エバンジェリストになって市場の8割をひっぱる逆転モデル一部のクリエーターの妄想が世の中の仕組みを変え始める破壊的モデルなど新しい仕組みを創り出すことが、我々マーケターの取り組むべき仕事です。

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マーケターを“無能”と“思考停止状態”にする、マーケティングオートメーションという罠と幻想から離れて、そろそろ、“マーケター自身のBehavior Change” をはじめませんか?



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