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昭和モダンの叙情にハートを射抜かれる💘小村雪岱の美に酔ってみよう✨

鈴木春信の浮世絵を思わせる美人画を描きながらも、大正から昭和初期にモダンでオシャレな作風を展開した小村雪岱(せったい)。三井記念美術館で開かれている特別展「小村雪岱スタイル」で、団扇絵、肉筆画から書籍の装幀までのたくさんの「スタイル」を楽しみました。

まいこ 雪がしんしんと降っている中に、傘をさしてしゃがんだ美女! この絵、うちわの形が素敵ですね!

つあお 小村雪岱、たわくしは昔から好きなんですよ。江戸時代の浮世絵っぽいんだけど、すごくモダン! うちわの形って、こうやってみると結構面白いですね。

まいこ 窓から見てるような、あるいは、鍵穴から覗いてるような感じがする!

つあお 昔の日本の家って、実際こういう形の窓がありましたよね。

まいこ この形の障子があって月の光が入ってくるような。風流!

つあお そう考えると、家の中から外を覗いてるような気分にもさせてくれます。

まいこ 見られている女性は気づいてないのかな? なんかいい感じです。

つあお この女性は一体何をしてるんでしょうね? 手に持ってるものは何だろう?

まいこ うさぎっぽい。うさぎまんじゅう? 😁

つあお 赤い目がある!

まいこ 女性が綺麗な格好をしているので最初はわからなかったんですが、もしかしたらこのうさぎは彼女が雪で作ったんじゃないかな?

つあお きっとそうだ! こんなに小さなうさぎって、普通はいませんものね。

まいこ 片手の手のひらに乗ってますからね。しんしんと雪が降る中で自分が作ったうさぎを真剣にじっと見ている。上手く出来たなって眺めてるのかな。空気感が伝わってきます。

つあお 雪がぽつぽつと画面全面にまぶされているのは、ほんと美しいですね。

まいこ ふんわりとした、牡丹雪ほどではないけど、結構大粒の雪みたい。

つあお 大粒の雪は実際に降るとなんとなくベタベタしてあまり好きじゃないんですけど、こうやって絵になるときれいだなあ。

まいこ 着物や傘の綺麗な色とデザイン的な形がマッチして、雪もエレガントです。木版画で降っている雪を白いドットでリアルに表現するのって難しそう。雪岱の作品では雪もデザインの一部として美しい✨

つあお デザインということでは、傘が秀逸。

まいこ そうそう、上の部分がお花みたいになっていて、中心から外側にかけて引かれている放射状の線が自転車の車輪のようでリズムを感じる。何ともいえず素敵です。

つあお 小村雪岱は、傘を結構たくさん描いてるんですよね。

まいこ 傘ばかりの素描っぽい作品もありましたね。

つあお あれはほんとに素敵でした。ほぼ傘だけでこんな絵ができるとは! ホントおしゃれ。

まいこ 傘と雨の線だけでこれだけ魅せている! 現代アートのようだなと思いました。傘の絵からも思ったのですが、小村雪岱は、雪や雨の風景をたくさん描いてますね。

つあお 雪は特に印象的。自分の名前と関係あるのかな。

まいこ 意識したんじゃないですかねぇ。雪景色の中に「雪岱」の印章があると、とてもしっくりきます!

つあお 自分の名前が作風を作っちゃったのかも。《雪の朝》っていう作品も素敵だなぁと思いました。

まいこ 早朝の薄暗い中、ちょっと細かい雪が静かに降ってる感じ。窓には灯りがついていますね。

つあお 周囲が雪だから、家の灯りがすごく映える。ほんのりした感じが垢抜けていて雪岱らしい。

まいこ パステルカラーのように優しい色合いが、またいいですね。

つあお 色合いのセンスも抜群ですよね。雪岱は本の装幀もたくさんやってて、すごくオシャレなんです! 200冊以上手掛けたのだとか。泉鏡花の『日本橋』なんて、構図も造形も色合いも素晴らしいなと思います。

まいこ 華やかでスタイリッシュ! 同じ形の家が一定間隔で立ってたり船がたくさん浮かんでたりする幾何学的なデザインがかっこいい! 雪岱は資生堂でデザイナーをやってたそうですね。

つあお どうりで垢抜けているわけだ。表紙だけじゃなくて、めくって出てくる見返し絵もオシャレ。泉鏡花の本はほとんど読んだことがないけど、中身とは関係なく装幀だけで欲しくなるなぁ。

まいこ 畳の部屋に小さく鼓と三味線が置いてある絵なんて、芸姑さんの部屋を上から覗いてるみたい。ユニークな視点ですね。

つあお 芸姑さんそのものは描かれていないけど、「これが日本橋だ」っていうのをすごく穏やかに象徴してる。

まいこ 今日のこの展覧会自体も日本橋で開かれていますね!

つあお だからこの本が展覧会の最初に飾ってあったんだ。

まいこ なるほどガッテン! ところで、私は、家や船がたくさん描かれたこの表紙絵にたくさんの蝶々が舞ってるのがとっても不思議だなって思いました。蝶が舞うのは通常野原で、こういった川岸には、いないはず。この世ではないどこかという気もしてきます。

つあお 仮にこの蝶々が描かれてなかったとしたら、イメージが全然変わってしまいますね。

まいこ ちょっと凡庸になるのと、妖しい非現実感は出てこないですよね。

つあお 命の息吹が舞っている感じ!

まいこ それも赤、青、黄色と華やか! フェスティバルのように浮かれてるよう。色気も感じます。これを見て、映画『ヘルタースケルター』のワンシーンがバーッと浮かんできました。映画では、主人公のりりこの幻覚がひどくなった時に、いないはずのアゲハチョウが象徴的に舞ってくるのです。『日本橋』のストーリーにもそのような狂気が潜んでるのではないかな(ちなみに、まいこはこの本を読んだことがありません(;^_^A)

つあお それでね、背表紙に書いてる「日本橋」っていう本のタイトルの文字、アンバランスで、たわくしが書いたみたいに下手に見えるんですけど。

まいこ この端正な表紙絵に、いきなりヘタウマ! にょろっとした字が、ちょっと癒し系ですね。

つあお もちろん、たわくしはヘタウマ大好きですよ。たわくしは、さらにその下を行って、ヘタヘタです。念のため😁

まいこ そんなことないですよ~!「ゆるふわアート記」の表紙の題字、雰囲気出ててお見事でございます(^^♪

【いぬ派のまいこがみつけた今日のいぬ君作品🐶

暗闇の中で吠える1匹のまだらの犬。『忠臣蔵』出府前後のワンシーン。
江戸に向かうご主人様たちにエールを送っているのでしょうか。忠犬な感じ💛

※掲載した写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影したものです。

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【ラクガキストの部屋】

絵愛傘2021

Gyoemon作《絵愛傘2021》
傘は愛を育む道具なのです! byつあお
Gyoemonはつあおの雅号。
本作は特別展「小村雪岱スタイル」には展示されておりませんが、ご了承ください。

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特別展「小村雪岱スタイル」(2021年2月6日〜4月18日、三井記念美術館)-三井記念美術館ウェブサイトより引用-

大正~昭和初期に装幀や挿絵、舞台美術などで活躍した小村雪岱(1887-1940)。泉鏡花著『日本橋』の装幀を手掛け人気装幀家となりました。本展では江戸の粋を受け止め、東京のモダンを体現した「意匠の天才」雪岱の肉筆画、版画、装幀を中心に、その源流である鈴木春信から「東京モダン」への系譜を紹介します。また江戸の粋やモダンを感じさせる、近代工芸や現代工芸も併せて展示します。


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