見出し画像

東京のジョージ・セル

ジョージ・セル。50~60年代に全盛期だった19世紀生まれの指揮者。昔は「冷たい」「完璧主義」などと揶揄されていたが、21世紀の現在でもその演奏は全く古びていない。SONYもマメに再発売してくれる。手兵クリーヴランド管との名盤の数々は見事なアンサンブルと緊密な造形により生命力にあふれ、説得力が強く、キリリと引き締まっている。
ところで1970年の大阪万博に因んでは、カラヤン、バーンスタイン、ブーレーズ、ヨッフム、プレートル、ロジェストヴェンスキーなど多くの巨匠が来日公演をしているが、ジョージ・セルもその一人。唯一の来日公演となったライヴ録音がこれ。当時の実演を聴いて「セルはけっこうアグレッシヴだった」と認識を改めた人は多かった。レコードは何回も聴かれるからクセ無く正確にやる必要があるが一期一会の演奏会は聴衆と一体化して楽しむことが大事、ということなのだろう。もっと放送録音などが発掘されてほしい!

ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団
【CD1】
①ウェーバー:歌劇『オベロン』序曲
②モーツァルト:交響曲第40番ト短調K.550
【CD2】
③シベリウス:交響曲第2番ニ長調
④ベルリオーズ:ラコッツィ行進曲~歌劇『ファウストの劫罰』より
録音:1970年5月22日、東京文化会館大ホール(ライヴ、ステレオ)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?