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目に痛い、耳に痛い、胸が痛い。 ~ 舞台 片付けたい女たち ~
今週もコングラボードを頂けました。
お読み頂いた皆さま、有難う御座いました!
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舞台のチケット争奪戦に挑もうと思う時は、大抵チケットサイトからの案内メールを読んで、好きな俳優さんが出演しているということが多いです。
ですが、最近は舞台を観劇した際に頂くチラシで、話が面白そう!と思ったら、家に持ち帰り吟味し、一日寝かせて「観たい!!」と思ったら争奪戦に挑むということを始めました。
それで選んだ舞台がこちらでした。
登場人物が50代、高校の同級生、いつも連絡を取っていたのに、ある日ひとりと連絡が付かなくなって・・・、とあると、以前書いた記事の自分と幼馴染のことを想起します。
ここからネタバレ(既にちょっと書いちゃいましたが)と感想を書きます。
これから観劇予定の方は後日お読み頂けましたら幸いです!
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舞台は2004年、スマホが影も形も無い時代。
高校のバスケ部のお仲間だった三人。
ツンコこと松永玲子さん、おチョビこと佐藤真弓さん、バツミこと有森也実さん。
卒業してから少し疎遠な時期もありましたが、30代に入ってからはちょこちょこ連絡を取るようになりました。
50代に突入し、新年の三が日も過ぎたある日の夜中。
松永さんと連絡が取れなくなった二人は心配になり、松永さんが最近別れた30代の若い元カレから合鍵を借りて家を訪れます。
恐る恐る合鍵で開けた松永さんの部屋は、なかなかのゴミ屋敷状態。
リビングにも台所にも寝室にも当人は見当たらず、意を決してお風呂を見ることにしますが、佐藤さんと有森さんは怯えて押し付け合います。
ずっと言い合いをしているところへ、寝室から松永さんが現れます。
荷物に埋もれて二人の様子を息を潜めて聞いていたのですが、心配している段階から松永さんが死んでいると勝手に決めつけて発見を押し付け合う二人にご立腹して出て来たのです。
ゴミ屋敷化した部屋は、松永さんがお一人様のベテランOLであり、とある事情でここ1年で仕事が激務となり片付けが出来なくなったとのこと。
若い彼氏との別れの原因もこの部屋に関係が??
とにかく生きてて良かった!
30分で片付けに目途を付けて新年会をしよう!!
いざ片付け始めると部屋がこんなことになっているのに、妙なこだわりのある松永さんが雑な片付け方を許さず。
だいぶ年上のお金持ちと結婚した有閑マダム風・有森さんの「今が良いならイイじゃん」思考は、雑さ全開。
一杯飲み屋の女将さんをしている佐藤さんは、細々せっせとそんな二人に指示を出し片づけを仕切ります。
片付けをする中、何で二人からの電話に返事をしなかったのか聞くも松永さんはのらりくらり。
粘り強く尋ねてみると、若い元カレからだと思っていて、出たら面倒だからっと。
そんな話をしている最中にも、リンリンと固定電話は鳴りまくります。
三人は片付け掃除にありがちな「ついつい違うことをしたくなる」に流れ出し、高校時代の思い出話から今の生活、ここが痛い、あそこが痛い、やれ痛いと愚痴と痛みの傷のなめ合いを始めます。
その内、三人共通の高校時代の後ろ暗い思い出話に発展し、そこから。。
有森さんの年上の旦那の仕事が微妙になってきたこと・・・
佐藤さんの飲み屋を息子の嫁が手伝ってくれるけど、若さを売りにするだけの中途半端な手伝いっぷりで、これを注意すると息子が継いでくれないかもしれないから言えないジレンマ・・・
松永さんの職場での中途半端な立ち位置・・・
愚痴がお互いの批判に少しずつ発展してケンカ寸前のところで、鳴りまくる電話の“本当の理由”が明かされて、意を決して松永さんが取った電話の相手は??
三人の愚痴、特に松永さんの「仕事が忙しくて部屋が悲惨」は一時の自分の生活に重なり同意!
ここが痛い、あそこが痛い、やれ痛いにも大いに同意!!
自分はそんなつもりが無くても、「ひょっとしたらアレ??」な後ろ暗さを攻撃される不安にも激しく同意!!!
何だかんだで仲良しな三人の会話に、同意し過ぎて居たたまれない気持ちになったり、「余計な事を言うな!」「いいやアンタも悪い!」と、あっちもこっちも肩を持ちたくなったり。
タイトルにあるような「片付けたい」のは部屋だけではないことに、物語の途中から気付きました。
部屋の片付かなさは目に見えて、スイッチが入れば片付けられるかもしれません。ですが気持ちの中に積もった「片付けたいこと」は、やり方が分からなかったり、自分の意思だけじゃ片付けられなかったり。
時代が少し前であっても同年代だけに体の事や近況は似たり寄ったり。
「え? 電話、それのことだったの??」っと笑って安心出来るラストにホっとして、後ろ向きに考えていた他の二人の片付けたいことも、電話をきっかけに「私たち、そんなに悪く考えなくても・・♪」となっていたように思えました。
人生そんなに悪く考えすぎない方が良い方向に向かうチャンスを見出せるはずですし、気の置けない友達の存在の大きさもひしひしと胸に響きました。
同年代の皆さま!!
不甲斐なさを身につまされ、閉塞気味な環境へ大いに同意し、悩みを笑い飛ばしに足を運んでみてはいかがでしょうか?
「自分の友達に必ずひとりは居そうなヤツ」感がたまりません(笑)