熱い信仰と隠れ蓑。
自分の実家では全ての薬の頂点として「メンターム」が君臨しています。
「メンソレータム」はお高いので「メンターム」。
特に父が熱く信仰しています。
自分も子どもの頃から虫に刺されては塗り。
ちょっと切ってはヒーヒー言いながら塗り。
何かにかぶれては塗っていました。
そんな万能薬「メンターム」。
去年の夏ころ、父がその万能薬を背中に塗りたくっていました。
夏だったので汗疹かしら?と遠目で見ていましたが、近くで見ると恐らく「じんましん」。
「あひゃー、キクゥゥ!! フゥゥゥ!!」と妙な歓声を上げて、手の届かないところは嫌そうな顔の母が塗りたくっていました。
そんな姿を見て自分は「100%治らない」と確信を持ちました。
だって確実に「じんましん」ですもの。
そして「メンターム」の効能に「じんましん」の記載が無いもの。
父に「皮膚科へ行かないと治らない」と言いますが、万能薬で治すと言って聞きません。
その頃、自分のドラッグストアのポイントが貯まっていたため、思いやりのある優しい子ども(自画自賛)として「じんましん」にバッチリとアクセスしてくれる塗り薬を買いました(全額ポイント)。
そして実家へ出向いて「これを使うが良い。メンタームは塗るな。」とグイっと差し出しました。
そんなものには頼らない!!
イヤイヤ期のむずがる幼児のようなことを言っているので、黙って置いて帰りました。
しばらくすると母から連絡があり、「あの薬はどこで売っているのか?」と連絡が入りました。
優しい思いやりのある子ども(麗しい)として、黙って追加の1本を調達して実家へ出向きました。
風呂上がりの父の背中へ母がじんましんアクセス塗り薬を塗っていました。
その背中はじんましん完治への道を漂わせていました。
「(市販薬は)効くでしょ?」と、ニヤニヤしながら手渡すと「ケー!!」と奇声を発せられました。照れ隠し。
そして先日実家へ行くと、風呂上がりの父の背中へ母が万能薬を塗っていました。
「(市販薬を)何故に使わない?」と聞くと「うるせー、バカ」と言われました。キーーー!!
仕上げはママの優しい手。
ヴェポラップはそう唱えますが、父は信じている「メンターム」を最後に塗り込むことにより市販薬の効能は無かったことにしたいんだろうなっと。
ギリギリのところまでは治癒への道を開く市販薬を使う所存らしく、カッスカスのチューブから薬をひりだそうとしてペンチでグリグリやっていたら指を切って血だるまになり「(オレは)ケチじゃない、作ってくれている薬屋さんの気持ちを思って最後まで使うんだ!!」とのたまっていたそう。
母がムフムフ笑いながら教えてくれました(心配度数ゼロ)。
熱くなるとじんましんが出そうなので、また市販薬、買いに行かないとなぁ。
今年も「ケーーー!!」と元気に発して頂くことにします。