おばあちゃんの隠れた大野望! ~ 舞台 『大誘拐』〜四人で大スペクタクル〜 ~
白石加代子さん、柴田理恵さん、風間杜夫さんと来たらチケット争奪戦に参加しないでいられません。
今回も数回の抽選に負け続け、しかしラストチャンスに特攻してどうにか滑り込みゲッツ!!
ルンルンと足を運んだ劇場では、既に嬉しい三列目の中央やや左寄り。
最近視力が落ちている感がありますが、すぐ目の前が舞台なので安心安全。
(安全って?とか聞こえない)
ここから感想を含んだネタバレがあります。
これから観劇予定の方は、後日お読み頂けましたら幸いです!
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今回の舞台の登場人物は演者の四人と黒子さん二人。
セリフと朗読が入り混じり四人の演者さんが多数の役柄を演じます。
まず登場するのは、刑務所から3度目の出所をしたばかりの戸並健次こと中山優馬さん。
中山さんは出所したばかりなのに誘拐で大金をせしめて人生を立て直ししようと、ムショ上がり仲間の二人と計画を立てます。
狙うは紀州随一の大富豪、柳川家の当主とし子刀自こと白石加代子さん。
御年82歳にしてかくしゃくとして、それでいて人間味溢れる人柄は周りにいる人たちを魅了しています。
まずは白石さんの日々の行動パターンを知るために、中山さんたちは数日間、白石さんを監視します。
そして体力をつけるために自分の山の入り口まで車で送迎され、お手伝いさんと一緒に山歩きをしている白石さんの行動パターンを確認します。
ある日中山さんたちは山に入る白石さんとお手伝いさんを拉致し、お手伝いさんだけ逃がして白石さんの誘拐にまずは成功します。
逃げ帰ったお手伝いさんの通報により、警察が動き出します。
よりによって白石さんを生涯最大の恩人と敬う、警察本部長の凄腕・井狩大五郎こと風間杜夫さんが乗り出します。
白石さんは自分の山を知り尽くしていて、中山さん達の運転する車に乗せられていても、どこを走っているかお見通しであり、中山さん達がアジトにしようとしている場所も風間さんが簡単に割り出すと指摘します。
話している内に身代金どころか、これからどうして良いか分からなくなってきた中山さんへ、白石さんが「確実に見つからない場所」へ何故か案内します。
辿り着いたのは山中の超僻地にぽつんとある一軒家。
そこには白石さんを激しく慕う、家政婦を以前していたくーちゃんこと柴田理恵さんが住んでおり、白石さんの命であるなら、どうぞどうぞと誘拐犯共々歓迎します。
ひと息つき、白石さんは中山さんへ身代金はいくらにするのか聞きます。
中山さんはニヤリとして「5000万円!!」
ところが激怒したのは白石さん。
「そんな安く見積もられては当主の名が廃る。百億円じゃ!!」
腰の引けまくる中山さんたちと一気に主従関係が逆転し、白石さんはあらゆる手段を講じ、先を読んで誘拐犯を追う風間さんと、知恵と手段の化かし合いが展開されます。
それにしても何故に誘拐犯を鼓舞し、莫大な自身の身代金強奪を白石さんは実行しようとしているのか?
そこには戦争により自身の子どもを奪われた上に、税の名で紀州の森林を物納させられた国への復讐がおおもとにあります。
この二行だけを読むと、憤怒にかられた凄まじいものを感じますが、白石さんがとてもお茶目に、柴田さんが底抜けに明るく、風間さんが睨みを利かせながらも中山さん共々、白石さんに翻弄される楽しいストーリー展開となっています。
身代金が「百億円」という途方も無い額面であるところは荒唐無稽ですが、そこを物ともしない白石さんの大胆であり緻密な作戦が爽快です。
舞台では恐らくアドリブがそこかしこにあり、中山さんファンにはたまらない出血大サービスタイムあり、オールドファンも嬉しい風間さんの特技?タイムもありで、白石さんも噴出してしまい、風間さんの熱いアドリブにのけぞる柴田さんもとても楽しかったです。
実は中山さんと風間さんはそれぞれ白石さんに大恩があり、中山さんは最初から危害を加える気はなく、風間さんは何が何でも無事に白石さんを救出すべく奔走します。
元お手伝いのくーちゃんや、クライマックスの強奪に駆り出されるヘリ操縦士など、みんな白石さんのためにひと肌脱ぎます。
30年位前に映画になっており、その時にも面白そうだなと思った記憶があります。
機会があったら、映画も観てみたいです。
北林谷栄さん vs 緒形拳さんも凄そうです。
閉塞感がある昨今。
ぬるーい誘拐計画から荒唐無稽な大誘拐へ。
大笑いしてスカっと出来る舞台でした♪
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