誰が買うんだ? 私だ!
テレビショッピングというと「わんさかラウンドハンガー」と「大正琴」と「高枝切りばさみ」といった商品を思い出します。
子供の頃は15時頃の再放送2時間ドラマが好きで、いつも楽しみにテレビの前で放送を待っていました。
特に明智小五郎の美女シリーズをこよなく愛していて、VHSの標準録画もしつつ、ワクワクしながら見ていたものです。
そんなドラマの合間はCMが流れます。
車や化粧品、ハトヤなど普通のCMと同じ感じで、日本直販が商品案内を繰り出して来ます。
特に記憶に残っているのが、冒頭の3商品。
「わんさかラウンドハンガー」は上下の2段組ハンガーで、服を掛けるバー部分がラウンド型で回転するため、掛けている服を選びやすくて便利。
そして耐荷重が確か100キロ超え位で、CMでは何故か和室にハンガーを設置していて、畳へのめり込みが心配な程に鬼な量の服が掛かっていました。
男女ペアのMCが「わー!こんなに服が掛けられるの?」「回転するから、選びやす~い♪」としなを作りながら服をグルングルン回します。
この「わんさかラウンドハンガー」がしばらく経つと、「今ならご購入頂くと、もう1セット付いてきます!」と言い出すショッキングなショッピングになっていました。
近い商品で「キャスター付きカラーボックス」も数か月後には、「今ならオマケで2個付いてきます!」と、最初に飛びついて買った人の血圧が上がりそうな展開に。
お次は魅惑の「大正琴」。
長編小説「変える、変われる」でも熱く書いているのですが、今も愛用者の方が多い渋い楽器です。
子供だったせいか良さはもちろん理解出来ず、妙齢の着物女性がお澄まし顔で「チャンチャカチャカチャカ~♪」と単調な高音の電子音をビンビン響かせながら「ボタン」を押しているのです、弦を弾くのではなく。
情緒あふれるお琴とは全くの別世界。
電卓を楽器にしたら、こういった風情かもしれません。
でも、小説中にモデルとして書いたとある愛好者グループの方の演奏は好きで、今もたまに視聴します。凄く楽しそうに演奏されていて好感を覚えました。
そして当時の自分の思うテレビショッピングの王道「高枝切りばさみ」。
実家は庭が無いので、世間がそんなに「高枝切りばさみ」を必要としていることが不思議でした。最初はアームを手動で伸ばして、高い場所の枝を手元でパッチンパッチンと切る動作の出来る便利さをアピールしていました。
少し経つと、改良されて肩掛けショルダーストラップが付いて、長時間の作業がラクになることをアピール。
さらにしばらくすると、オプションの数がとんでもないことに。
アタッチメントとして「のこぎり」やら「軍手」やら「ちょっとした踏み台」やらが怒涛の13点セットにまで上り詰めていました。
しかも最初の「高枝切りばさみ」オンリーの価格を据え置きで。
ハンガーやカラーボックスの人どころではありません、卒倒しそうです。
子供の頃にそんな風にテレビショッピングを刷り込まれていたので、怪しいものとして捉えていました。
20年以上、まともにテレビを見ることが無かったので、テレビショッピングの進化は知らないまま過ごしていました。
いまはラジオリスナーなのですが、ラジオにもしっかりと「ラジオショッピング」が根付いていました。
ラジオなので「目で確認」することが出来ません。
必然的に言葉や音での案内になります。
日本直販は、そんな自分に忍び寄って来ました。
ラジオを聴き始めの頃は「まだこんなのやっている」と斜に構えて聞いていました。
聴いている内に「あら、良さそう・・」とポツポツ思う瞬間が訪れるようになってきました。
理由は「ラジオパーソナリティさんが買って良かったと言っている」こと。
特にラジオへメール投稿をするようになり、ポツポツと読んで貰える機会が増えてきて、パーソナリティさんへの親近感を覚えるようになってきた頃から、「ああ、この人が良いと言っているなら、良いに違いない」と思うようになりました。
踊るアホウに見るアホウ、同じアホなら、買わなきゃソンソン♪
・・・買いました。
スーパーやドラッグストアで見たことも無い「洗濯爽快」という洗濯機の洗濯槽がキレイになって、室内干しでも臭わなくなってくるという逸品を。
大いに踊ってみたのです。
そして、先日リピート購入をしたので、もはや愛用者です。
日本直販側の人になりました(売ってないけど)。
タガが外れたので、オススメ産直品や型落ち家電など、案内が終わるや否やポチっとすることが増えました。
身を委ねるとハードルはあって無いようなもの。
子供の頃の自分なら、今の自分へ笑いながらこう言うに違いありません。
「大正琴、習えば良いのに、友達も出来るかもよ」
・・・悪くないな。
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