「薬の治験」で大量改ざん、組織ぐるみ不正の唖然 え?SMOで?
おはようございます。
少し違和感があるので理解も含めて記しておきます。
そもそもSMOでこのような事件が起きたということが不思議です。CROがメーカー側に虚偽のデータを提供し「賠償責任を負う」というのは理解できるのですが、本当にSMOなのでしょうか?
CROとSMOはご存じのとおりですので省きますが、CROの場合、1社がこのような不正もしくはエラーをおかして「データ」を使えないものとした場合は、賠償責任を問われるのが一般的です。
現実に事件は確実に増えていて、1例ではICFを示さず被験者としデータを取得したものも依頼者からは「GCP違反でこのCROのデータは使えない。つまり分母が異なるデータとなってしまったため、試験はやり直し、費用負担は担当したCROに求める(賠償)」となりました。
CRO数社で引き受けていた臨床試験ですべてのやり直しにより他CROにかかった費用を「賠償金」として求められたものです。
しかし、SMOはあくまでサイト側で製薬メーカーと関わることが役割で・・・報道を見るとどうしても違和感が出るのです。
以前、同じグループ会社にCROとSMOがあって、とある治験で、依頼者側に同社CRO、施設側も同社SMOが引き受けていて、不正とは言わないまでも「よいことではないよね」ということで完全に分社したまたはSMOを譲渡したケースがありました。
それぐらい業務内容としては対するものなのですが・・・
いずれにしても不正でも過失でも不法行為や債務不履行で経済損失を与えたら賠償責任を負うのは当然のことで、そのために「ライフサイエンス賠償保険」が存在するわけです。
ただ・・・ SMOはどこの保険会社も引き受けしないのですよ・・・
どうなるのでしょうね。
皆様とは心配な視点が若干異なることをご容赦ください。
株式会社TSI
船着久稔