創薬ベンチャー企業と賠償保険

2023年5月から銀行系代理店と提携し、バイオベンチャー企業への賠償保険のご案内を進めております。

気づきがありましたので記録しておきます。
創薬ベンチャー企業で「臨床試験」まで進むまでに時間がかかり、賠償保険は最後に検討されるケースは少なくありません。
ただ、保険会社または代理店と関わるのは早い方が良いのです。
理由は2つあります。

一つは、プロトコル作成時に「賠償保険」の補償範囲の理解が必要であること。
これは、がんや心不全のフェーズによっては補償が必要とされない場合があるのですが、散見されるのは「補償は医法研ガイドラインに準じて」という文言です。
つまり、保険会社は「補償が必要ないもの」「リスクが高いもの」をあえて引き受けをしない傾向にあります。
よって、プロトコルに書かれていても「契約する保険商品」には「賠償部分のみのお引き受け」等となるケースが少なくないのです。

この場合、どうなりますでしょうか?
施設IRBで「保険は補償も担保しているか」と問われた場合、「健康被害が起きた場合補償部分は依頼者で補償します。保険では担保されません」という説明になるのですが・・・
施設IRBが了承していただけるケースは少ないと思います。「いや、保険で補償も担保してもらってください」となり・・・

あとは、様々な解決方法(個別)になりますので割愛します。

理由の2つ目は、CRO等の契約書上で求められる、または求める「保険」です。この文化は、グローバル化してから創出された背景が強いのですが、この求める、求められる保険がどのような保険種目であるかの理解は一般的に知識は無いのが当たりまえで、この点の「相談者」として保険会社や代理店とコンタクトしておくことがプロジェクトをスムーズに進行させるため検討いただきたい点です。

弊社の「ライフサイエンス業界専門保険代理店」としての経験と、銀行系の「大規模代理店」とのタッグは、それぞれを補い国策とされる創薬企業の成長戦略に一助となることを切望しているわけです。

平たく言えば、自動車買ったから「自動車保険」家を買ったから「火災保険」という一般的な保険との付き合いではなく、2年先でも3年先でも臨床に進んだ時の相談相手としての付き合いが大事だということです。
IRBでハレーションが起きると期間を遅らせたり、いろいろ支障が出ますからね。

株式会社TSI船着久稔 funatuki@tmnf-tsi.co.jp 090-9003-7707

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