混沌とした今の時代だからこそ “サプール” の精神を学ぼう!
『SAPEUR(サプール)』とは?
「SAPE(サップ)」と呼ばれるコンゴ特有のファッションスタイルを楽しむ人々のことだ。
フランス語
“Societe des Ambianceurs et des Personnes Elegantes”
の頭文字をとって名付けられた造語。
【お洒落で優雅な紳士たち】とのことだ。
バラック小屋が並ぶ埃だらけのスラム街を、ブランド物のスーツを身にまとい、優雅な足取りで歩いていく情熱的なファッショニスタ。
コンゴ共和国の首都はプラザビル。
日本と面積はほぼ同じだが人口は約32分の1という小国。
コンゴ民主共和国(旧ザイール)の首都はキンシャサ。
アフリカ大陸で2番目の広さ。
1974年10月30日“キンシャサの奇跡”と言われている
ジョージ・フォアマン vs モハメッド・アリ のプロボクシング WBA・WBC世界統一ヘビー級統一ヘビー級タイトルマッチ
は有名。
もともと、この2国はどちらも14世紀後半に創立した“コンゴ王国”の一部だった。
当時は国王の意図に反してヨーロッパとの交流を深めるにつれて、【奴隷貿易】の中心地となっていった。
その後【奴隷貿易】が禁止されて植民地化が進み、1884年のベルリン会議で、現在の“コンゴ共和国(元フランス領)” “コンゴ民主共和国(元ベルギー領)” “アンゴラ共和国”の3つの地域に分断された。
独立後は、動乱・クーデター・内戦を繰り返し、2000年以降治安は徐々に回復に向かっている。
“キンシャサ”は、音楽の都
“プラザビル”は、ファッションの都
日常は他のコンゴ人同様に、普段着で仕事に励んで(平均月収は約2万5千円)、家族を養い、慎ましい生活を送っている。
何日も前から服を選び、クリーニングに出し、身なりを整え、週末になると、街並みとは対照的なカラフルな色の何千ドルもするブランドスーツやシャツにアクセサリーでお洒落して、街を闊歩する。
サプールとはスタイルであり、サプールとは生き方であり、サプールの6か条は次の通り。
● 上質な服をエレガントに着こなす
● 色彩感覚を磨き、色のハーモニーを奏でる
● 武器は持たない。軍靴を履く代わりに平和のステップを刻む
● 気取って歩き人を魅了する
● 他人を認め、他人を尊重し、他人に敬意を払う
● 個性を大事に、誇り高く生きる
"サプール"は、子供たちにとって「自分も大きくなったら"サプール"になる!」という憧れの存在だ。
従って、子供たちも6か条を守らなければ"サプール"にはなれない。
(引用:“What is SAPEUR?” 著者NHK「地球イチバン」制作班ディレクター 影嶋裕一)
私にとって“サプール”の存在を知ったのは、“人生のターニングポイントのひとつ” と言っても過言ではない。
憧れられ、尊敬される大人というものは、
【個性と美的センスを持ち、そして暗闇を照らす明かりのような存在】
でなければならない。と教えてもらった。
アフリカにおいては、綺麗な服を着るということは、“清潔である” ということを意味する。
そして“清潔を保つ”ということは、【病気にならない】 → 【健康であること】に繋がるの訳だ。
いい服を着たら、その服に見合った態度ができる“紳士”でなければならない。
ルールを守り、暴力を振るわない、汚い言葉は使わない。
いつも誰かに見られているので、姿勢がよく、凛としていて、老け込まない。
そして“若者”の“お手本”となる【所作】が必要なのだ。
今世界は、コロナ禍、“Black lives matter”、米中覇権争い、中東情勢の緊張感、地球温暖化 等の様々な問題を抱えた混沌とした時代だ。
こんな時だからこそ、“豊かさ”とは何か?“
物質的な“豊かさ”ではなく、自分を信じて、他人に迷惑をかけずに、「希望」を持ち続け、毎日楽しく、元気に生きる事。
いつからだろうか?
私はファッションの一部ではあるが、“Ankh”のチャームを身に着けている。
中学生~高校生時代に【ブラックミュージック】に出会い
「大きくなったら“黒人”になりたい!」
と友人に言って笑われ、
結婚して
「大きくなったら“イタリア人”になりたい」
とワイフに言って笑われ、
還暦前の今
「大きくなったら“サプール”になりたい」
と言っている。