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大企業が『両利き経営』を目指しても簡単にいかない障壁になっているのは?

ジャズは 1950年代~60年代にかけて世界中の音楽シーンの中心だった

メジャー・シーンから転げ落ちていった 歴史のあるジャズ が衰退していった経緯を研究することによって

業界の牽引車であった大企業が 外部環境の変化にどのように対応して 今後の組織を どんなプロセスで作っていくのか?

というヒントになると考えました


今回は 今までの投稿記事のまとめ も兼ねて 今後の組織の在り方を整理してみます

既存組織を変える方法(概念)


昨今よく耳にする『両利きの経営』を要約すると

大企業にまで成長した企業ほど確実に儲かる事業ばかりを深く追求しすぎると危険で 不確実であっても将来儲かる可能性のある事業を実験的に行っていくことが重要である。それまでの成功体験にしがみつき同じようなことを繰り返していてはいずれは衰退する

ごく簡単な算式で表すと

   【両利きの経営】=【知の探索】✕【知の深化】


こんな組織を構築するには 既存の社員だけでは限界があるので


『ダイバーシティ(多様性)』・・・理解して

『インクルージョン(包摂性)』・・受け入れて

『ビロンギング(帰属性)』 ・・・居場所がある

企業のメイン・カルチャーにして



『個人の価値観』と『組織の価値観』が違い過ぎていては上手くいかないという観点も考慮しながら (下図①の赤点線枠内が同一組織)

【図①】

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『若者』『よそ者』『変わり者』を採用したり 組織内から発掘して 受け入れて 活躍してもらうこと 


この方法が手っ取り早い気がしますが、問題は 受け入れ側ですね



管理職の意識改革


クラシックの演奏者とジャズメンが共存する組織で 全体最適を目指すには 目的別に組織を分けて 戦略的な人員配置が必要になります

【図②】(【働きがい】と【働きやすさ】)

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あえて ボンヤリ(?)とした表現で書きますが 

【不活性化組織】 組織廃止検討 フリーライダー&お局様対策(仕事をあまりしていないのにそれなりの賃金をもらっている労働者)
【ぬるま湯組織】 仲良しクラブ解体 妖精さん対策(主にシニア社員を指した言葉で 朝はちゃんと出社するのに いつの間にか席を離れ 気がつくと会社からいない)
【もったいない組織】は 大きな可能性を秘めていながら 成果を出せない組織


この組織の諸悪の根源は 管理職のリーダーシップ です

短期間で 管理職の意識改革を行うのは 至難の業ですが 


『リーダーシップの見える化』ができる『図上演習』を 私はお勧めします



新しい組織構造をつくりに向けての準備


【 正規社員+非正規社員(派遣社員)】

「知の深化」⇒『オーケストラ型組織』⇒『持続的イノベーション』

これを目的として組織構造の変革を行っていきます


ます 最初に取り組むのが『働き方改革』 DXが重要です

【図③】

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『業務の担い手を移す(機械化・アウトソーシング化など)』 『業務プロセスの簡略化』 『不要業務を止める』

このことで

 正社員の【時間の創出】⇒【新しい業務領域へのチャレンジ】

と進んでいきたいところでしょうが?


『【知の深化】が得意な人』 『【知の探索】が得意な人』

『定型業務が得意な人』 『クリエイティブ業務が得意な人』

【重要】 適材適所人材配置に向けた従業員の能力見極め


既存組織の変革では

【働き方改革】【人事評価制度の見直し】【管理職の意識改革】

がワンセットです



新たな組織能力を創造する


「知の検索」⇒『ジャズコンボ型組織』⇒『破壊的イノベーション」


私は 今すぐ全社的に『メンバーシップ型雇用』⇒『ジョブ型雇用』へ変更することは 不可能 と思っています

クラシックを譜面通りに演奏することが求められる『オーケストラ型組織』に インプロヴィゼーション(即興演奏)を得意とするジャズメンが加入したら 音楽的にも メンバー間の人間関係においても 不協和音 にしかならないでしょう


楠瀬啓介の投稿で指摘されていることが正解と思います

「ジョブ型雇用」は新規事業のための中途採用や、今後の新卒採用という限定的な場面で導入が進むが、近い将来(5年~10年後程度)に「メンバーシップ型雇用」に全面的に取って代わることはないだろうと考えています。


オーケストラのコンダクターであった管理職が 今まで養ってきたマネジメント手法を使って ジャズメンに最高のパフォーマンスが発揮できる組織運営を行えるとは思えません


最初は 組織という形に拘るのではなく 目的・期間が明確となった『プロジェクト』で トライ&エラー を繰り返しながら マネジメント・スタイルを模索していくのではないでしょうか?


同一企業内での『両利き経営』を目指すには?


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労働条件の不利益変更等も踏まえた上での

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<ご参考>


【知の探索】組織と【知の深化】組織の企業内共存イメージ図


様々な観点から 私のイメージ図が ⇓ ⇓【図④】


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大企業が検討すべき『スピンアウト組織』はブルノート型組織ですが?


1.ブルーノート・レコードの概略

【創 立】1939年
【創立者】アルフレッド・ライオン
【創立地】ニューヨーク

現在はユニバーサル ミュージック グループ傘下になったジャズ専門のレコード会社

【社 員】

総合プロデューサー兼ジャズメン発掘: アルフレッド・ライオン

サブ・プロデューサー兼フォトグラファー: フランシス・ウルフ


【外部との提携】

デザイナー: リード・マイルス

ジャズ・ファンではない別の会社に勤務するデザイナー

レコーディング・エンジニア: ルディ・ヴァン・ゲルダー

他レーベル(プレスティッジ)の録音も行う


【ジャズメンとの契約形態】

専属契約制にしていないセッションごとの契約が主(吉本興業と芸人の関係に近いもの)


2.スピンアウト組織を存続させるための課題


メイン事業の価値基準に基づくと 革新的なプロジェクトのために経営資源が配分されない場合 企業はそのプロジェクトを新しいベンチャー事業としてスピンアウトすべきである(クリステンセン「イノベーションのジレンマへの挑戦」)

このスピンアウト組織が メイン事業の主流になっている価値基準に沿って考えるのではなく 全く別の意思決定プロセスで行わなければ 長続きできません


このスピンアウト組織が必要な経営資源を得て『破壊的イノベーション』に向けて 自由に動けることを 意思決定できるのも ”買収”によって組織能力を獲得する場合でも 意思決定できるのは?


社長 経営陣 です


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って 極めて重要事項なのですが この【経営陣の意識改革】を進めていく意思決定も?


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経営陣のリカレント教育はSTEAMがヒント?


『STEAM教育』とは

Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(ものづくり)、Art(芸術)、Mathematics(数学)の5つの単語の頭文字を組み合わせた造語でこれら5つの領域を重視する教育方針を意味する
目的は、現実の問題を解決に導く力や今までにないものを創造する力を育むこと。(元々はアメリカが、科学技術分野での競争力を高めるために推進してきた教育方針)


新しい何かを創造するのに必要な知識や思考は、複数の科目にまたがっていて、お互いにつながっているので そんな能力を持つ人材を育てる手法として 世界中で注目を集め 導入が進められているのが“STEAM教育”


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クリエイティブは? 

【Art(直感)】+【デザインする】 = クリエイティブ


ここでの『デザインする』という意味は 

Science Mathematics Technology Engineering といった様々な知識や理論 原理原則に当てはめながら 経済合理性のあるものにする


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【Sport(運動神経)】【Talent(才能)】【Entertainment(人を楽しませる)】【Art(芸術感覚)】【Music(リズム感)】

と解釈していいし

【Strategy(戦略)】【Tactics(戦術)】【Economics(経済学)】【Acceptance(受け入れる)】【Management(マネジメント)】

として解釈して 経営陣の意識改革 に結び付けていけばいいのではないでしょうか? 

マネジメントは 普遍的なものでなくて 常にアップデートしていくもの
人事評価制度も 普遍的なものではなく 常にアップデートしていくもの


ちょっと前に管理職になった世代が 管理職として求められていたマネジメントも 成果の出し方も 全く変わってしまった時代です



具体的なリカレント教育(案)は?



最初は だたの『妄想』であったとしても

「これって面白そうだし ウケそうだな」といった『直感』から 
子供のように手を動かしながら考えていくことは オトナも絶対に必要と思います


「象さんを作る」と言って”粘土遊び”をしていた子供が 粘土を重ねていくにつれて様々なアイデアが浮かんで 素晴らしい「お城」が出来上がった

そんなことってあると思います


大のオトナが集まって 会社の会議室で”粘土遊び”をやることは止めた方がいいですし(笑) 科学や数学の勉強会をやっても意味ないでしょう

そこは STEAMの知識も必要になる『図上演習』を 社員のリカレント教育として実施してみるのは 現実的と私は考えています


例えば こんなテーマはいかがでしょうか?


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このテーマに対する”最適解”を見つける場合に 科学は必要ないかもしれませんが 

『IT関連のこと』『労務管理上のこと』『広報に関すること』『危機管理に関すること』『マーケティング』などの様々な分野の知識を 串刺しにしての判断が必要となります



まとめ


会社内の【定説】を起点にして【逆説】を考えてみる

例)過去からの慣習を止めてみる

支障が無いのなら 止めればいいし 困るのなら代替案を講じればいいだけじゃないでしょうか?


厄介なのは やってもにないのに「それはダメだ」って講釈を垂れる偉い人


そんな人こそ『図上演習』で凄腕を社員に披露してもらいましょう


<ご参考>

多種多様な6つの企業で人事・総務を経験をされた 國松禎紀さん の投稿記事です


師匠曰く


A legend is an old man with a cane known for what he used to do. I’m still doing it.

伝説というのは、過去の業績にしがみついている老人のことだろ。オレは今でも現役だ。


Do not fear mistakes. There are none.

失敗を恐れるな。失敗なんてないんだ。




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