【雑感】30年前のホテルでの表彰式イベント企画・運営の心構えは今使える?
当時のファイル(紙ベース)で残っていたので ちょっとリニュアルして紹介します
イベントの概要
1989年 バブル経済真っただ中の時代
都内某有名ホテルに 全国の成績上位150店(代理店)を招待(ツイン・ルーム泊)しての『大接待』
表彰式~懇親会~宿泊~翌日はオプショナル(ゴルフ or ディズニーランド or 自由行動)
1泊2日(費用:〇〇〇〇万円)という 冷静になって考えると「バカじゃないの?」「何浮かれてんの?」としか思えないイベント(笑)
イベントは前年のイベント終了日からスタート
私の所属部署が担当する表彰式は 木曜日開催と決まっていました
それは 翌日(金曜日)のオプショナル・イベント参加後も 招待客が週末(土日)を都内観光するかもしれないという配慮(?)が表向きの理由?
イベント事務局は オプショナル・イベントの無事終了報告ももらって『イベント終了』となります
翌週の月曜日 開催したホテルに御礼&反省会で訪問し 翌年の仮契約を行います
ここから 翌年の表彰式に向けての準備がスタートです
「大丈夫」という発言こそ【疑え】
当該部署に転勤してきて イベントのメイン担当を任される際に 上司から最初に言われたフレーズが これです
上司は
「メイン担当は 総合プロデューサーであり 総合ディレクターであり コンシェルジュでなければならない」
と言い 私に問いかけました
「お前は 全て把握して イベント当日はフリーな立場のプロデューサー。 実際に動くのは 多くの手伝ってもらう人たち。そして絶対に失敗は許されないのだから お前は何を”軸”にして準備するのか?わかる?」
「え?”軸”ですか?分かりません」と回答したところ
「とにかく【疑う】こと。『大丈夫』って言う役員や支店長ほど分かっていない。『大丈夫なんて有り得ない』と思ってるくらいでいいよ」
「イベントを手伝ってくれる社員には 細かすぎるくらいの役割分担をして 漠然としたマニュアルではなく より具体的で簡単にアクションできるマニュアルを渡すこと」
この時の上司の教えは 【疑う】 というスタンスと
そして お前は コンダクター 全てを把握してなければ作品は完成しない
イベント用各種資料(サンプル)
スケジュール確認は重要
【タスク・ブレイクダウン】を何度もアップデートしていきました
<大項目>⇒<中項目>⇒<小項目>
イベント当日の【場所別・担当者別タイムスケジュール表】
各担当者への配布用(A4サイズ) 事務局控室掲示用(A2サイズ)
副社長の挨拶原稿
挨拶原稿を作成して 上司と一緒に 副社長室に説明に行った時
また同じパターンだな 面白くない! 工夫しろ! 少しは考えろ!
と ボコボコになるまで 怒られて ボロボロでした(笑)
(たまたま 副社長の機嫌が良くない時だったんですが、、、)
この事件(?)以来 挨拶原稿は スポーツ 音楽 アート といったネタで例える(メタファー)を多用するようになりました
このイベントの時は? 当時 日本のプロゴルフ界で圧倒的に強かった 尾崎将司さん(尾崎建夫さん 尾崎直道さん)が率いるジャンボ軍団のことを取り上げて原稿が残っていました(大笑)
皆さまは 〇〇業界を牽引する ジャンボ軍団として、、、
セミナー講師の選定
私は 元プロスポーツ選手 落語家 音楽家 といった方を選定していました その理由は?
経済や経営をテーマで話をする講師は 専門的で勉強にはなるのでしょうが 話し方が上手な方ばかりではなくて『当たりはずれ』が多く 超眠い話になることも多く 政治・宗教に関する話はNG としていました
(実例) ハナ肇さん 桂歌丸さん 江本孟紀さん にお願いしました
パーティー~二次会~翌朝
【パーティーは立食ビュッフェスタイル】
地域担当役員毎に大まかなエリアを設定しておき そこに誘導します
招待客のエスコート役は 担当支店長(&課長)なのですが 正直言って 全く頼りになりません
各支店長は 自分たちの役員への挨拶などに必死で ”招待客”放置 が散見されます
この事態も想定して 招待客対応用社員 もスタンバイさせておいて 私とアイコンタクト で連携していました(笑)
【二次会は自由参加~ホテル外へ】
二次会は テーブルとイス を配置しておくだけで 飲み物は各自でバー・カウンターに取りに行く方式(照明を落としてBGMはムーディーなジャズ)
ここでは 必ず 多くの支店長から「どこか?いい店ないか?教えろ!」と呼ばれますので 数店のクラブ・ラウンジ・スナック・バーを紹介します(事務局は事前に店と交渉しておかなければなりません)
【必ず不測の事態が起こる】
メイン担当の私は 翌朝 全員のチェックアウトが確認できるまで ウトウトしながらも スーツ姿で トラブル対応連絡待ちです
真夜中に部屋の電話が鳴って”即出動”ということは何度もありました
想像を絶するような事件が起こるんですよ マジで
この経験で学んだこと
✅ 事前準備が全て 疑って 疑って 何度も確認する
準備は何度でもやり直せますが 本番は一発勝負
✅ 悲観的に準備して 楽観的に対処する
絶対に不測の事態は起こり 即決即断 が必要です
上司に相談していては 手遅れになることだらけですので
必要なのは 『度胸と勇気と覚悟』 ですね
✅ 面倒なのは”招待客”でなく 社員
イベントのプロデューサーであっても 社内での役職は”平社員”ですから 支店長からは なんだかんだと 注文がやってきます
とにかく 偉い人は 厄介者 です(笑)
✅ 『図上演習』での「自分の無知へアクセス」の重要性
ビジネスは事前準備が大切
私のビジネスに対する考え方の原点は
良い意味でも 悪い意味でも
このイベント企画・運営の経験 と思っています
オンラインによって リアル・ライブでのイベントは減っていったとは思いますが 基本的に 【事前準備が全て】 という考え方は通用するでしょう
イベントもプレゼンテーションのひとつ です
✅ しっかりした【シナリオ(ストーリー)】
✅ それにそった【スライド(ビジュアル面)】
✅ 面白く人を引き付ける【トーク】
この事前準備が必要です 全てのビジネスに共通します
昨年急激にブームになった音声アプリ『clubhouse』が 見事なまでに衰退していった理由は 次の3点と思います
① 【スライド&ビジュアル】が無いので 反応が分かり難くい
② 【シナリオ(ストーリー)】が準備されていないことが多い
③ 【トーク】も上手でない人々『雑談』は面白くない
Twitterスペース は使い勝手がいいので パネル・ディスカッションや座談会といった多方面での大きな可能性を秘めていると思いますが
ここもホスト側の入念な【事前準備】が必要と考えます
最後に
招待客を15人ずつ檀上に上がってもらって 代表者一名に表彰状を副社長が渡すという方式を私の前任者はやってたのですが
A役員から
『時間がかかりすぎるので改善しろ!』
と指示があり
B役員から
『表彰状を渡す代表者を選ぶ基準を明確にしろ!』
と注文がありました
そこで 次の2点を変更して 式典を実施しました
① BGMをクラシックの荘厳な曲を止めて グレン・ミラーなどのリズミカルな曲に変更して 招待客の歩くスピードを速める
② 15人ずつ檀上に上がってもらって 誰にも表彰状は渡さないで 一礼してもらう方式に変更
二人の役員からの要望である【時間短縮】【代表者選考で揉めない】という改善が出来たのですが 後日
A役員からは
時間短縮は出来たのは良かったけど 表彰状渡さないという方式はダメだ
B役員からは
表彰状渡さない方式は良かった でも 選曲がよくない 早すぎる
とお叱りを受けました
心の中で 「どっちやねん!ドアホ!」と叫んでいました
間違いなく 厄介者は 外部の招待客でなく 社内にいます
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