新しいチャレンジを続ける「羅漢」~飲食店もオープンイノベーション~
5年くらい前に淀屋橋界隈散歩中に飲食複合施設「船場ROJINO」を発見した。
ビジネス街にある“路地”に、飲食店が並んでいて “都会の喧騒”を忘れさせてくれる雰囲気に惹かれて店に入った。
その店が『羅漢 平野町店』だ。
25年前からウラナンバで営んできた名店『羅漢』の系列店。
ランチタイムの“カレイの煮つけ定食”が超美味しくて
「美味かったわ。煮汁と白米だけの“煮汁定食”で売れるよ。そして白米を少し残しておいて、煮汁と山椒を加えたら最高の『この店の“ドルチェ”』になるよ(笑)」
と告げて、その後店員さんとも仲良くさせてもらうようになっていった。
2018年11月「船場ROJINO」内に牛以外の肉に特化した系列店『いろは』をオープン。
元々『羅漢本店』は25年前からウラナンバで営んできた名店だったが、コロナ禍真っただ中の2020年11月に平野町店から徒歩1分の場所にリニュアルオープン。
更に『いろは』をワインにも合う料理を中心にしたバル風にバージョンアップさせ、
3店舗でお客様の各種オーダー、収容人数に対応できる“魚と肉のシナジー体制”が構築され、新しいチャレンジへのトライを続けている。
2020年の飲食業界は、新型コロナウイルスの感染拡大により大きく様変わった。
先行き不透明感の中で、どうやって売上を確保していけばいいのか頭を悩ませている飲食店経営者も多いだろう。
利用目的別の来店理由で大幅に落ち込んだのが「社内会食」「接待」「歓送迎会」「忘年会」といったビジネス関連の需要だ。
「インバウンド」需要が戻ってくるには、しばらく時間がかかるのは間違いない。
そしてもう一つの大きな打撃は、忘新年会や花見の時期など例年の「繁忙期」が蒸発してしまったことだ。
『羅漢』がある平野町は大阪のビジネス街のひとつである淀屋橋地域に位置していて、リモートワークの浸透や外出自粛の影響が直撃した地域だ。
テークアウト、デリバリーなどを活用して、オフィスでも店の味を楽しんでもらうことも模索したが、ただでさえ人が減っているビジネス街では同業他社との競争が激化するだけで“収益の柱”となるのは難しい。
今後の飲食店経営で必要なこと
① 独自のマーケティング戦略の明確化
こんな特殊状況下においては、飲食店は原点に帰って
“顧客とのつながり強化”
が特に重要だ。
常連客であれば少なからず「応援したい」という気持ちはあるはず。
飲食店のマーケティング機能として活用してきた「グルメサイト」への依存度合を下げて、飲食店独自のマーケティング戦略を講じていくべきだろう。
独自のSNS戦略を明確にして、InstagramやTwitterなどで投稿していくことによって、拡散される現象は更に拡大するだろう。
そこで『羅漢』のイメージPVを共同作成した。
② 危機管理体制の強化
リスク(危険性)は、野放しではダメなので、リスクマネジメント(危険性管理)は一定程度施されている。
しかし、突然襲われる“危機”を“管理”できるはずもないので疎かになっている飲食店が殆どだ。
【危機管理】は
『危機によって齎される結果を最小限のダメージにするために、事前に様々な対策を講じておくこと』
先の見えないコロナ禍だからこそ“危機管理体制強化”は避けられない。
③ 異業種とのオープンイノベーション
また顧客ニーズの変化サイクルが短期化していて、外部環境変化の予測も簡単ではない。
新たなプラットフォームツールを駆使して、いかに顧客と相互的につながるのも最重要項目のひとつだ。
そして異業種との連携による“オープンイノベーション”体制も早急に構築すべきだろう。
<ビジネス対談番組とのコラボ(一部抜粋)>
新型コロナウイルスの影響により「飲食店の本質」が問われている気がする。
飲食店の本質は何だろうか?
“お金儲けではない”
お客様に美味しいモノを提供して喜んでもらって笑顔になってもらう。
一品一品に想いをこめて
『羅漢本店』 『羅漢 平野町店』 『いろは』
飲食店の本質を追及している素敵な店だ。