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慣れによる油断が過信になって傲慢となり重大なヒューマン・エラーになる
人間は 時間が経過するとともに置かれている環境に『慣れ』て 適用するように行動していきます
『慣れ』には 良い面もあれば悪い面もあります
『慣れ』てきた時こそ「初心忘るべからず」で 物事に取組む際には 新鮮で謙虚な気持ちで慎重さ忘れないことを心掛けていきたいものです
ヒューマン・エラーとは︖
『ヒューマン・エラー』とは【⼈間の⾏動によって⽣じる業務上のミス】を意味します
⼈はどんなに気を付けていても 勘違いをしたりミスをするものです
そして この『ヒューマン・エラー』が
意図しない⼤きなトラブルや事故そして事件に発展していって致命的な結果を引き起こしてしまうことがあります
『ヒューマン・エラー』の主な二つは
① ⼿抜きによる⾏動 ② うっかりミスなどの⾏動
この行動を引き起こした原因は様々なのですが
【知識・経験不足】でないベテランが起こした『ヒューマン・エラー』には次の原因が考えられます
【危険軽視】
業務に慣れてくると「このくらいは⼤丈夫」というように【危険を軽視】するようになり 普段では起こさないようなミスをしてしまいます
【連絡不⾜】
作業する⼈全員に指⽰が明確に伝わっていないことから 思わぬトラブルが発⽣してしまいます
【集団⽋陥】
現場で「正しい意識統⼀が出来ていない」「本来の目的が不徹底である」といったことが原因で起こるヒューマン・エラーです
【場⾯⾏動本能】
自分の役割・担当業担当集中することで 全体を⾒ることができず 他でミスが起こっていても⾒落としまって 思わぬトラブルに発展してしまいます
『ヒューマン・エラー』の防止策があるのか?
『ヒューマン・エラー』を完全になくすのは困難です
どんなに気を付けていても 人間の能力には限界があり 目の前は見えていても周囲は見えなかったり 時間が経つほど集中力が低下したりするのは人間の特性です
『ヒューマン・エラー』の究極防止策は?
『ヒューマン・エラー』が起こる可能性のある業務の【⼈的作業の削減】
これしかないと思いますが 全ての【⼈的作業を削減】は極めて難しいです
ベテランなどによる『慣れ』による油断に起因した意図的でない『ヒューマン・エラー』の防止策は?
チェックの【足し算】発想ではなくて 「集中力を高める」「集中力を持続させる」といった【仕組み作り・仕掛作り】が重要と考えます
子会社のコールセンター出向時の実話
「出向先の上司」「親会社の子会社管轄部署」へ【状況報告】したところ 双方の社内で大騒ぎとなっていきました
【再発防止策】策定に当たって判明したこと
<各当事者へのヒアリングを行って分かったこと>
✅ 業務の『慣れ』による【危険軽視】【連絡不⾜】【集団⽋陥】【場⾯⾏動本能】が引き起こした『ヒューマン・エラー』
✅『ビル内の当日発送物時間ルール』と『早く書類を送付したい』との【心理的な側面】も加わって 従来のチェックが疎かになって発生した『ヒューマン・エラー』(封入作業は14時50分ごろと判明)
【ビル内の当日発送物ルール】とは?
「当日の社外発送は15時までに集配BOXに入れること」というルール
<再発防止策の策定に当たっての考え方の相違>
【私の再発防止策(案)】
ベテランの『慣れ』による油断に起因した意図的でない『ヒューマン・エラー』の再発防止策は
【新しいルール新設】【既存ルールの見直し】【チェック体制の強化(人数増 チェック項目増)】を行ったところで 局所的な効果しか得られません
という考えから
新しいルールとして
前日12時以降から当日の12時作業分を その当時発送分とする【集配BOXに入れる時間ルール】を新設
【既存ルール等】は最小限の改定に留めて
① 私(or係長)が声掛けによる【注意喚起】(聴覚情報)
「ちょっと休憩! ルール通りのチェックをお忘れなく!」
②【注意喚起チラシ】の掲示(視覚情報)
③ 月に1度の全体ミーティング時に【図上演習】(体験による情報)
を実施することです
【親会社管轄部署からの指示】
① 事前チェック人数の増加
② チェックリストのチェック項目増加
③ 『日報』提出の義務化 『月次レポート』の報告項目増加
【新しいルール新設】【既存ルールの見直し】【チェック体制の強化(人数増 チェック項目増)】を行えという指示
発想の原点が 私と『真逆』 と言えるものでした
親会社と出向先上司との闘い
親会社管轄部署から
君は管理者なんでしょ?君の【再発防止策(案)】は精神論でしかなくて 同じミスを繰り返すだけです 当方策定案で行ってください 管理体制強化しかありません そこの現場の【管理体制が甘い】ことが最大の要因です
出向先の上司から
親会社の指示通りにした方がいい 君の案も 親会社の案 も全て行うようにしよう
私の反論
はぁ?お立場は分かりますが 現場管理者としては【日報提出の義務付け】【月次レポート・フォームの全面改訂】は無駄な作業を増やすだけです
【チェック体制の強化(人数増 チェック項目増)】?人的作業を増やしているだけで 再発防止にはなりません!
この闘いで辿り着いた先
【組織決定になった再発防止策】
親会社の指示通りの新設・改定と【集配BOXに入れる時間ルールの新設】
【A氏&B氏への対応】
親会社管轄部署の部長と課長がA氏・B氏の自宅に訪問して説明する
【 私は? 】
本案件が一段落した後 子会社の別の部署へ異動(異動理由を聞きもしませんでしたが「普段からの素行の悪さ」と思っています(笑))
【後日談】
風の噂で聞いた程度なので 正確な内容なのかは定かではありませんが
お客様B氏に納得してもらうまでには 何度も訪問したそうで 私の電話対応にも大きな問題があったそうです 知らんけど、、、
何が正しいのか?
『ヒューマン・エラー』を無くすには 前述の通り【人的作業の削減】しかなくて AI技術の活用 といった機械化しかないかもしれません
しかし 人間にしか出来ない作業 は絶対に残ります
果たして 何が? 正しい再発防止策なのでしょうか?
先般の取り返しがつかない悲しい事件で TV・マスコミ・SNS上では様々な意見が飛び交っています
ミッションを達成できずに 最悪の結果を招いた組織は 非難されてしかるべきです
しかし『トップの首の付け替え』『組織管理体制強化』『ルールの増設と徹底』を行ったところで 再発防止策にはならないと思います
『危機管理』を研究している端くれの一人ですが 恥ずかしながら 最善の再発防止策がわかりませんが
従来の発想の延長線上で考えるのではなく
『脳科学』『心理学』といったココロ(脳)に関する視点が大切な気がしますが?