管理職の意識改革具体策として『図上演習』はいかがですか?
VUCA時代に企業が行わなければならない3要素として
『働き方改革』『人事評価制度の見直し』『管理職の意識改革』
を 多くの経営者やコンサルタントの先生が挙げられていますが いずれも重要性は分かっても「言うは易く行うは難し」と思えるものです
さらに 日本型企業の経営陣はなぜか?
「オーバーアナリシス」「オーバープランニング」「オーバーコンプライアンス」
が好きなようで『自由な発想』どころか 窮屈感しか感じません
これからのリーダーは ちょっとヤンチャ なくらいが いいのでは?
『働き方改革』における”目詰まり”
オレ流ですが『働き方改革』をシンプルに説明します 下図をご覧ください
【働き方改革の目的】 ルーティン業務への従事時間を減らして他業務(クリエイティブ業務など)にあてる時間を創出する
この【目的】に異論を唱える方はいないと思います
【ステップ1】:活動主体=一般従業員
【ルーティン業務(プロセス含む)の洗い出し】 です
ここでは 『人でなければ出来ない業務』『機械でも出来る業務』の仕分けという観点も踏まえて 担当者 を行います
この洗い出しによって『業務フローの見える化』『マニュアル化』へのベースになります
DXは 基本的に既存領域で発揮されるものです
【ステップ2】:活動主体=中間管理職
① 『機械でも出来る業務』⇒機械化への移行検討~準備(根回し含む)
② 『人でなければ出来ない業務』の重要度順位つけ
③ 『やらなくても影響が少ない業務』を止める
中間管理職の 覚悟・決断・実行 段階です
ここまで実現できたら 理論上はその現場は 時間の創出ができるはずです
※ 実は目詰まりを起こすのが【ステップ2】なんです
中間管理職は 判断しない 判断できない からです
『人事評価』における”起点”
次に『人事評価制度の見直し』ですが 制度の見直しの着眼点などは 楠瀬啓介さんにお任せするとして
私は 人事評価の目的は 概ね次の3点に絞られると考えています
① 評価基準を明示して 期待成果や期待行動を社員に理解させる
② 適切に評価することで 成長や行動革新のための方向性を社員に伝える
③ 適切な評価に沿った処遇を行うことで 社員のモチベーションを高める
ここで 主語を明確にしてみると
①【評価基準の明示】:会社全体で決めた評価基準を従業員全員に明示
②【適切な評価】:ここの主語は 管理職
③【評価に沿った処遇】:評価に沿った処遇は会社のルールに従う
第一次考課者:管理職(直属の上司)の評価が起点
『管理職の意識改革』の重要性
『働き方改革』において
当該業務を「止める」という”引き算”は管理職の決断次第
『人事評価』において
被評価者の評価は 管理職の”さじ加減”次第
管理職というポストについた人は 超重要人物です
『意識改革』=【経営陣の意向に沿った方向への意識改革】 ならば
ルールブック通りに動く”判定職”を育成する
この考え方の企業もあるかもしれませんが、、、?
これが求められるリーダー像とは思えません
VUCA時代に求められるリーダー像
平時は 分析力や論理的思考が求められますので 知識偏重リーダーでも乗り切れるでしょう
しかし 有事となれば 分析や論理的アプローチは余り役に立たなくて(知らないより知っている方がいい程度) 直感 による 即決即断 でのリーダーシップが求められます
正解のない問題と戦っていかなければならないVUCA時代
前例もなく そこまでの”常識”や”当たり前”が通用しないのですから
即興力 決断力 行動力 が重要と思われ
ちょっとヤンチャなリーダー
これが これからのリーダー像ではないでしょうか?
『図上演習』のお勧め
『図上演習』とは
対応すべき事態に関し、想定を付与することにより事態を模擬体験しながら、情報の収集、分析、意思決定、伝達等の対応を机上で行う実働を伴わない演習 (引用:林 祐著書『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」セルバ出版)
この『図上演習』の起源は古く 司馬遼太郎原作の「坂の上の雲」に登場する主人公の一人である秋山真之(日露戦争時の海軍参謀)が、米国から日本の海軍用にボードゲーム「兵棋演習(ミリタリーシミュレーション、ウオーゲーム)」を持ち帰って 日本海軍大学校の教務に導入したのが最初とされています
「大災害時の各種対応演習には この『図上演習』は役立ちそうだけど意識改革に関係あるの?」
実は この『図上演習』は 様々な想定の下に訓練を行うことで 様々な事態の模擬体験を積むことが可能なので 経営シミュレーションとしても 管理職のリーダーシップの見える化もできます
ちょっと極端かもしれませんが次の【設定テーマ(例)】をご覧ください
具体的には プレイヤーに 社長 専務 総務部長 プロジェクトチーム・メンバー などの役職を割り振って 一日の流れを追いかけながらの話し合いをやって 結論を出します
この『図上演習』によって 管理職が どんな指示・命令をだすのか?
会社の経営陣や人事部長が オブザーバー として見聞きしていたら
リーダーシップの見える化
のひとつになるのではないですか?
そして ダイバーシティ&インクルージョンに重要なマインド
「自分がすべて部下よりも上である」という意識からの脱却
「自分が上であらねばならない」という意識からの脱却
への”気づき”になるのではないでしょうか?
まとめ
サラリーマン時代の会社での避難訓練は『避難訓練実施しました』というアリバイ作りとしか思えない 実践的でない”ママゴト”で お世辞にも「実際の災害時に役に立つ」とは言えない”お粗末”なモノでした
『管理職の意識改革』というフレーズは何度も耳にしましたが
「じゃあ 具体的にどうやるの?」という問いに 明快な回答をもらったことはありません
『人事評価制度』のアップデート と 『図上演習』の実施
これが『管理職の意識改革』への近道では?
と 私は考えています
<ご参考>
経済産業省の『BCP強化のためのシナリオ非提示型危機対応演習』
(このYouTubeは18分21秒ですので お時間ある時に)
お ま け
残念なことに この『図上演習』を行っている企業や自治体は多くないでしょう
これは『図上演習』を指導できる指導者やコンサルタントが少なすぎるからでもあります
ましてや 経営シミュレーション研修として『図上演習』を取り入れている企業は ごく僅かでしょう
経営シミュレーション研修などに『図上演習』を取り入れたいとお考えの経営者の皆様
私 GAVI が 相談承ります
「は? 今回の オチ は コレか? (笑) 」
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